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【土佐日記・門出】現代語訳と品詞分解!馬のはなむけのテスト対策

【土佐日記・門出】現代語訳と品詞分解!馬のはなむけのテスト対策
たく先生
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こんにちは。ミチプラス運営者のたく先生です。

高校1年生の『言語文化』や『古典探究』で最初に学ぶ日記文学の金字塔が、平安時代中期の歌人・紀貫之(きのつらゆき)による『土佐日記(とさにっき)』です。その幕開けを飾る「門出(かどで/十二月二十一日)」と、それに続く「馬のはなむけ(十二月二十二日〜二十六日)」は、ほぼすべての高校の定期テストで出題される最重要パートです。

特に冒頭の一文「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり」における2つの助動詞「なり」の識別、なぜ男性の紀貫之が女性のふり(女性仮託)をして書いたのかという記述問題、そして任期を終えた国司への薄情な世間と「八木のやすのり」の対比や「くち網ももろ持ち」のユーモアは、配点が非常に高い鉄板の出題箇所となっています。

そこでこの記事では、指導歴20年以上の現役高校国語教員であるたく先生が、『土佐日記』冒頭「門出」から「馬のはなむけ」までの全文・現代語訳・品詞分解・記述対策・定期テスト予想問題まで一気通貫でわかりやすく解説します!記事の最後には登録不要で今すぐ使える専用25問カード暗記デッキも用意していますので、定期考査で9割突破を狙う人はぜひ最後まで活用してください。

みちか
みちか

たく先生、今回のテスト範囲が『土佐日記』の「門出」から「馬のはなむけ」までなんです!冒頭の「すなる」「するなり」の違いもよく狙われるって聞きましたし、登場人物が次々に出てきて誰が誰を見送っているのか途中で迷ってしまいます…。

たく先生
たく先生

みちかさん、いいところに気づきましたね!このパートは「①十二月二十一日の門出(旅立ちの宣言)」と「②二十二日〜二十六日の馬のはなむけ(4人の見送り客とのやりとり)」に分けて整理すると、人間模様も文法の急所も驚くほどスッキリ頭に入りますよ。順番に紐解いていきましょう!

記事のポイント
  • 30秒で掴む!「門出・馬のはなむけ」のあらすじと女性仮託の3大理由
  • 【十二月二十一日「門出」】原文・現代語訳(「男もすなる日記〜」)
  • 【十二月二十二日〜二十四日】藤原のときざね・八木のやすのり・講師の餞別
  • 【十二月二十五日〜二十六日】新国司の館での送別宴・贈答歌と「くち網ももろ持ち」
  • 【文法・品詞分解】2つの「なり」の識別一覧&定期テスト予想問題4選

30秒で掴む!「門出・馬のはなむけ」の基本情報と女性仮託の理由

本文に入る前に、『土佐日記』の基本データと、記述問題で必ず問われる「なぜ紀貫之は女性のふりをして書いたのか」を整理しておきましょう。同じ平安時代の日記文学である菅原孝標女『更級日記』の「門出」と比較されることも多いため、あわせて押さえておくと文学史の得点力が一気に高まります。

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項目 テスト前に絶対押さえる要点
作者・成立・ジャンル 紀貫之(きのつらゆき)作/平安時代中期(承平5年=935年ごろ成立)/日本現存最古の仮名日記(日記文学)。
旅の背景と「門出」の意味 土佐国(現在の高知県)の国司(守)の任期を終えた紀貫之の一行が、12月21日の夜(戌の時=午後8時ごろ)、国司の館(たち)から大津という港近くの仮宿へ移り、京への帰途に就く場面。
※「門出(かどで)」とは、吉日・吉方を選んでまず自宅(館)から仮の宿所へ移り、旅立ちの儀式を行うこと。
なぜ女性のふり(女性仮託)をしたのか?(記述3大理由) ①当時、男性貴族が書く公的な日記は「漢文(真名)」で記すのが常識であり、自由な「ひらがな(仮名)」で書くには女性(一行に同行する女房)の立場を借りる必要があったため。
②元国司という公的な立場を離れ、土佐で亡くした幼い娘への私的な悲しみ(哀傷)を率直に表現するため。
③和歌や洒落・皮肉(ユーモア)を交えて人間模様を伸びやかに描くため。

【十二月二十一日「門出」】原文・現代語訳(「男もすなる日記〜」)

まずは日本文学史上で最も有名な書き出しの一つである十二月二十一日「門出」のパートです。現存する写本の姿は、国文学研究資料館の国書データベース『土佐日記』でも閲覧できますが、紀貫之は自分自身を「ある人(=前土佐守)」とぼかし、従者の女性が書き留めた体裁をとっています。

① 仮名日記の宣言と、国司の館からの門出(十二月二十一日)

灯火のもとで筆をとり仮名で土佐日記を書き始める平安時代の人物の水彩イラスト
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり」——仮名日記文学の誕生
📜 【原文①】十二月二十一日「門出」

男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。
それの年の、しはすの二十日あまり一日の日の、戌の時に門出す。その由、いささかにものに書きつく。
ある人、県の四年五年果てて、例のことどもみな し終へて、解由など取りて、住む館より出でて、船に乗るべき所へわたる。かれこれ、知る知らぬ、送りす。年ごろよくくらべつる人々なん、別れがたく思ひて、日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに、夜更けぬ。

💡 【現代語訳①】

男も書くという日記というものを、女の私も書いてみようと思って、書くのである。
ある年(承平四年)の、十二月二十一日の、午後八時ごろに門出をする。その旅のいきさつ(様子)を、ほんの少し紙に書きつける。
ある人(紀貫之)が、地方官(国司)としての四年、五年の任期が終わって、決まっている引き継ぎの仕事などをすべて済ませて、「解由状(げゆじょう=事務引き継ぎ完了証明書)」などを受け取って、これまで住んでいた国司の公邸(館)から出て、船に乗る予定の場所(大津)へ移る。あの人もこの人も、親しく知っている人も知らない人も、見送りをする。ここ数年来、親しく交際してきた人々が、別れづらく思って、一日中あれこれと世話を焼きながら、大騒ぎするうちに、夜が更けてしまった。

🔥 定期テスト必出!冒頭の古典常識&重要語3選
  • しはす(師走)/戌(いぬ)の時:「しはす」は陰暦12月。「戌の時」は午後8時ごろ(午後7時〜9時)。時刻の十二支換算はテストの定番問題です!
  • 県(あがた)/解由(げゆ):「県」は都に対する地方(ここでは土佐国司の任)。「解由(解由状)」は新任の国司から前任の国司へ渡される「事務引き継ぎ完了証明書」。これがないと帰京しても次の官職に就けませんでした。
  • くらぶ/ののしる:「よくくらべつる人々」=親しく交際してきた人々。「ののしる」=怒鳴るのではなく「大声で騒ぐ・にぎやかに騒ぎ立てる」(重要古文単語!)。

【十二月二十二日〜二十四日「馬のはなむけ」前半】八木のやすのりと講師の餞別

翌二十二日から二十六日にかけては、旅立つ人を見送る送別の宴「馬のはなむけ(=旅立つ人の馬の鼻を行き先へ向けることから転じた餞別・送別会)」が続きます。ここでは権力を失った前任国司に対する「世間の手のひら返し(人情の薄さ)」への鋭い皮肉と、それでも見送りに駆けつけた人々の誠意が描かれます。

② 薄情な世間と対比される「八木のやすのり」の真心(二十二日〜二十四日)

前任国司の仮宿へ真心こめて馬のはなむけ(見送り)に訪れる八木のやすのりたちの水彩イラスト
任期が切れると冷たくなる世間の常の中で、損得抜きで見送りに訪れた八木のやすのりへの称賛
📜 【原文②】十二月二十二日〜二十四日「馬のはなむけ」前半

二十二日に、和泉の国までと、平らかに願立つ。藤原のときざね、船路なれど、馬のはなむけす。上中下、酔ひ飽きて、いとあやしく、潮海のほとりにて、あざれあへり。
二十三日。八木のやすのりといふ人あり。この人、国にかならずしも言ひ使ふ者にもあらざなり。これぞ、たたはしきやうにて、馬のはなむけしたる。守がらにやあらむ、国人の心の常として、「今は」とて見えざなるを、心ある者は、恥ぢずぞなむ来ける。これは、ものによりてほむるにしもあらず。
二十四日。講師、馬のはなむけにいでませり。ありとある上下、童まで酔ひしれて、一文字をだに知らぬ者しが、足は十文字に踏みてぞ遊ぶ。

💡 【現代語訳②】

二十二日に、(少なくとも海賊の心配がなくなる)和泉の国(大阪府南部)までは無事に着きますようにと、航海の安全を神仏に願掛けする。藤原のときざねが、船旅であるけれども、「馬のはなむけ(送別の宴)」をしてくれる。身分の高い者も中くらいの者も低い者も、すっかり酔っぱらって、実に不思議なことに、塩辛い海辺にいるのに、ふざけ合っている(「潮=塩」なのに魚が腐る=「あざる」とはこれいかに、という地口・駄洒落)。
二十三日。八木のやすのりという人がいる。この人は、国庁で必ずしも直接召し使っている役人というわけでもないようだ。この人が、実に立派な態度で、送別の宴をしてくれた。(前国司である)守の人柄のせいであろうか、この国の人々のいつもの習わしとして、「もう(任期が終わって用済みで)お別れだ」となると姿を見せなくなるものだそうだが、情けを解する誠実な人は、(世間の冷たい目も)恥じずに見送りに来てくれたのであった。これは、餞別の品物をもらったから褒めるというわけではない。
二十四日。講師(国分寺の高僧)が、送別の挨拶にいらっしゃった。その場にいるありとあらゆる身分の高い者も低い者も、子どもまでがすっかり酔っぱらって、「一」という漢字さえ知らない無学な者が、足だけは千鳥足で「十」の字に踏んで浮かれている。

このパートには紀貫之ならではの「言葉遊び(諧謔=ユーモア)」が2つ仕掛けられています。定期テストの記述や口語訳で超頻出なので必ず押さえましょう!

  • 洒落①「潮海のほとりにて、あざれあへり」:動詞「あざる」には①(酔って)ふざけ合う・戯れると、②(魚肉などが)腐るの2つの意味(掛詞)があります。「塩(潮)の海辺にいるのだから塩漬けになって腐らないはずなのに、みんな『あざれ(腐り/ふざけ)』合っていて不思議だなあ!」という軽妙なジョークです。
  • 洒落②「一文字をだに知らぬ者しが、足は十文字に踏みてぞ遊ぶ」:漢数字の「一」すら書けない無学な従者や子どもが、お酒に酔って千鳥足になり、足元だけは立派に「十」の字を書いて踊っているという対句的な滑稽表現です(「し」は強意の副助詞)。

【十二月二十五日〜二十六日「馬のはなむけ」後半】新国司との贈答歌と滑稽なオチ

続いて二十五日・二十六日は、後任の新しい土佐守(新国司)からの招待を受け、かつて自分が住んでいた国司の館(たち)へ招かれて盛大な歓送会が開かれる場面です。

③ 新国司の館での歓待と、主客の贈答歌(二十五日〜二十六日)

国司の館で催された馬のはなむけの宴で和歌を詠み交わす前任国司と新任国司の水彩イラスト
新国司(あるじの守)の手厚いもてなしと、旅の無事を祈り合う贈答歌
📜 【原文③】十二月二十五日〜二十六日(新国司の宴と贈答歌)

二十五日。守の館より、呼びに文持て来たなり。呼ばれて至りて、日ひとひ、夜一夜、とかく遊ぶやうにて、明けにけり。
二十六日。なほ守の館にて、あるじしののしりて、郎等までにものかづけたり。唐歌、声あげて言ひけり。やまと歌、あるじもまらうども、こと人も言ひあへりけり。唐歌は、これにえ書かず。やまと歌、あるじの守の詠めりける、
 「都出でて君に逢はむと来しものを来しかひもなく別れぬるかな」
となむありければ、帰る前の守の詠めりける、
 「白妙の波路を遠く行き交ひてわれに似べきは誰ならなくに」
こと人々のもありけれど、さかしきもなかるべし。とかく言ひて、前の守、今のも、もろともに下りて、今のあるじも、前のも、手取り交はして、酔ひ言に心よげなる言して、出でにけり。

💡 【現代語訳③】

二十五日。新国司の館から、招待の手紙を持って使者がやって来たようだ。招かれて出かけて行き、一日中、また一晩中、あれこれと管弦や酒宴を楽しむようなありさまで、夜が明けてしまった。
二十六日。引き続き新国司の館で、(新国司が)盛大にもてなしをして大騒ぎし、従者たちにまでご祝儀の品(禄)を与えた。漢詩を、声を張り上げて吟じた。和歌は、主人(新国司)も客(前国司・貫之)も、その他の人々も詠み合った。漢詩は、(女の私には書き留められないので)ここには書くことができない。和歌のうち、主人の新国司が詠んだ歌は、
 「都を出て、あなたにお会いしようと思ってここまでやって来ましたのに、せっかく来た甲斐もなく、もうお別れしてしまうことですね」
とあったので、京へ帰る前任の国司(貫之)が返した歌は、
 「白い波の立つ遠い海路を行き違って(私が帰京し、あなたが赴任して)、これから先、私の気持ちに似るはずの人はあなた以外の誰でもないのですよ(=数年後に任期を終えて帰京するとき、あなたもきっと今の私と同じ感慨を味わうことでしょう)」
他の人々の歌もあったけれども、たいして優れた歌もないのだろう。あれこれと語り合って、前の国司も今の国司も一緒に階段を下りて、今の主人も前の主人も、親しく手を取り合って、酔いに任せた言葉で気分のよさそうな挨拶を交わして、館を後にしたのであった。

ここでも「唐歌(漢詩)は、これにえ書かず(ここには書くことができない)」とわざわざ断っている点に注目してください。作者の紀貫之自身は漢詩にも通じた一流の男性文人ですが、「語り手は漢字・漢詩に疎い女性である」という設定(女性仮託)を一貫させるための巧妙な演出なのです。なお、これに似た「くち網ももろ持ち」のような引き出物・別れの贈答文化は、『伊勢物語』の「渚の院」など平安文学の宴の場面とも共通する重要な古典常識です。

④ ※教科書によっては別章段で続く「くち網ももろ持ち」(参考・発展)

冬の土佐の港で京への船出を前に荷物を運び込む紀貫之一行の水彩イラスト
温かな見送りとユーモアに包まれながら、55日間に及ぶ京への船旅が始まる

なお、この後も翌一月にかけて、宇多の松原や室津などで土地の人々から「あざやかなる鯛(新鮮な鯛)」などの贈り物が届いたり、重たい荷物をみんなで協力して運んだり(「くち網ももろ持ちにて」=本来一人で持つ網の口を大勢で一緒に持ってやっと担ぎ出すほどの重さ・大漁の滑稽さ)と、土佐の人々との温かな交流が描かれていきます。

【文法・品詞分解】テストで100%出る「なり」の識別と重要語一覧

『土佐日記』の「門出・馬のはなむけ」が定期テストに出るとき、文法問題の主役は間違いなく助動詞「なり」(伝聞・推定 vs 断定)の識別です。基礎からしっかり復習したい人は、下の「なりの見分け方」専用解説記事もあわせて確認しておきましょう!

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本文の重要箇所 品詞分解 文法識別・訳し方の急所
男もすなる日記 男(名)/も(係助)/す(サ変・終止)/なる(伝聞・連体)/日記(名) サ変動詞「す」の終止形「す」に接続しているため、伝聞の助動詞「なり」(〜という)。
※「男も書くという日記」
女もしてみむとて、するなり 女(名)/も(係助)/し(サ変・連用)/て(接助)/み(マ上一・未)/む(意志・終止)/とて(格助)/する(サ変・連体)/なり(断定・終止) サ変動詞「す」の連体形「する」に接続しているため、断定の助動詞「なり」(〜のである)。
※「み」はマ行上一段動詞「見る」の未然形(補助動詞「〜てみる」)。
言ひ使ふ者にもあらざなり 言ひ使ふ(ハ四・連体)/者(名)/に(断定「なり」連用)/も(係助)/あら(ラ変・未)/ざ(打消「ず」連体・撥音便無表記)/なり(推定・終止) 「あらざるなり → あらざんなり → あらざなり」。連体形「ざる」に接続しているが、ここは文脈と撥音便から推定(または婉曲的伝聞)の助動詞「なり」(〜でもないようだ)。
「今は」とて見えざなるを 見え(ヤ下二・未)/ざ(打消「ず」連体・撥音便無表記)/なる(伝聞・連体)/を(逆接の接助) 「見えざるなるを → 見えざんなるを → 見えざなるを」。伝聞の助動詞「なり」(姿を見せなくなるものだそうだが)。
文持て来たなり 文(名)/持て(タ四・連用「持ちて」の約)/来(カ変・連用)/た(完了「たり」終止・撥音便無表記)/なり(推定・終止) 「来たるなり → 来たんなり → 来たなり」。推定(伝聞)の助動詞「なり」(手紙を持ってやって来たようだ)。
われに似べきは誰ならなくに われ(代名)/に(格助)/似(ナ上一・連用=未然)/べき(当然・推量「べし」連体)/は(係助)/誰(代名)/なら(断定「なり」未)/なく(打消「ず」ク語法)/に(接助) ・上一段動詞「似る」に「べし」が付くときは「似るべき」ではなく「似べき」になる古語特有の語法!
・「なくに」=「〜ないのになあ・〜ないことよ」(ク語法+に)。

さらに語彙問題で狙われる超重要古文単語4つもチェックしておきましょう。

  • たたはし(シク活用形容詞):立派だ・堂々としている・行き届いている
  • あるじす(サ変動詞):ごちそうする・手厚くもてなす(名詞「あるじ」=①主人、②もてなし・ごちそう)
  • かづく(カ行下二段動詞):(褒美・引き出物の衣服などを肩に掛けさせて)与える
  • さかし(シク活用形容詞):優れている・気が利いている・賢い(「さかしきもなかるべし」=優れた歌もないのだろう)
💡 たく先生の学習アドバイス:「いつ・どこで思い出すか」を決めるIf-Then暗記法

『土佐日記』の冒頭のように「すなる(伝聞)」と「するなり(断定)」が1文に並ぶ箇所は、授業を聞いているときは全員が「わかった!」と思います。しかし、いざテスト本番で白文だけを出されると逆にしてしまう生徒が毎年続出します。

心理学者のシェイナ・オーベルらの実行意図(If-Thenプランニング)研究でも実証されている通り、「時間があるときに復習しよう」と曖昧に考える人より、「通学電車に乗ったら(If)、スマホで25問カードを1周めくる(Then)」のように具体的な場面と行動をセットで決めた人のほうが、学習の実行率と定着率が飛躍的に高まります。定期考査で確実に高得点を取る暗記戦略は、PathMemoria公式ブログの「【2026年】高校生・中学生の「定期テスト暗記法」完全攻略!直前でも間に合う点数UP術」でも詳しく解説していますので、ぜひ取り入れてみてください!

【定期テスト実戦演習】頻出予想問題4選(解答・採点基準付き)

実際の高校の定期考査で出題される形式そのままの実戦予想問題4問です。問題文をタップすると模範解答と採点基準が開きますので、テスト前の力試しに挑戦してみましょう!

予想問題①【2つの「なり」の識別】:冒頭「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり」の「なる」と「なり」について、それぞれの品詞・活用形・文法的意味、および識別の根拠(直前の語の活用形)を答えよ。

【模範解答】:
・なる:伝聞の助動詞「なり」の連体形/根拠:直前のサ変動詞「す」が終止形だから。
・なり:断定の助動詞「なり」の終止形/根拠:直前のサ変動詞「する」が連体形だから。

【採点基準の急所】:
「終止形接続=伝聞・推定」「体言・連体形接続=断定・存在」という大原則をサ変動詞(せ・し・す・する・すれ・せよ)で判定させる問題です。「推定」ではなく「伝聞(〜という)」と答えるのがベストです。

予想問題②【女性仮託の記述】:作者の紀貫之は男性であるにもかかわらず、なぜ「女もしてみむとて」と女性のふりをしてこの日記を書いたのか。当時の文字文化と内容面の2点から60字程度で説明せよ。

【模範解答】:
当時、男性の日記は漢文で書くのが通例であったため、仮名を用いて公的な立場を離れ、亡き娘への悲しみなど私的な心情を自由に表すため。(65字)

【採点基準の急所】:
①男性は漢文日記が常識だったので「仮名(ひらがな)」で書くため、②元国司の公的立場を離れて「亡児への悲しみ等の私的な感情・和歌」を率直に綴るため、の2要素が入っていれば満点です!

予想問題③【八木のやすのりの読解】:「これは、ものによりてほむるにしもあらず」とあるが、語り手が八木のやすのりを高く評価した本当の理由を本文の内容に即して説明せよ。

【模範解答】:
国庁で直接召し使っていた部下でもないのに、任期を終えると誰も見送りに来なくなる薄情な土地の習慣の中で、損得を離れ誠意をもって立派に見送りに来てくれたから。

【採点基準の急所】:
「国にかならずしも言ひ使ふ者にもあらざなり(直接の部下ではない)」と「国人の心の常(任期が切れると姿を見せない薄情さ)との対比」の2点を押さえてまとめましょう。

予想問題④【和歌の解釈】:「白妙の波路を遠く行き交ひてわれに似べきは誰ならなくに」の(1)「白妙の」の修辞技法と、(2)「われに似べきは誰ならなくに」に込められた前国司の思いを答えよ。

【模範解答】:
(1) 修辞技法:枕詞(まくらことば)(「衣・袖・雲・波」などを導く)
(2) 込められた思い:将来あなたが任期を終えて都へ帰るとき、今の私と同じように別れを惜しむ感慨を抱くのは、他ならぬあなた自身ですよという親愛と共感の思い。

【採点基準の急所】:
「誰ならなくに」は「あなた以外の誰でもないのに(=まさにあなたなのだ)」という意味です。新旧の国司という同じ境遇ならではの連帯感を読み取りましょう。

「土佐日記・門出と馬のはなむけ」に関するよくある質問(FAQ)

Q1:「男もすなる日記」の「日記」とは具体的にどのような日記を指していますか?
A:当時の男性貴族・官人が公務の記録や先例として「漢文(真名)」で記していた公的な日記(具注暦などへの記録)を指しています。
それに対して紀貫之は、あえて女性の立場に仮託して「ひらがな(仮名)」で私的な心情や和歌を綴り、後の『蜻蛉日記』『紫式部日記』『更級日記』へと続く女流日記文学の道を開きました。
Q2:船旅なのに、なぜ「馬のはなむけ」と言うのですか?
A:もともと陸路で旅立つ人の馬の鼻を行き先の方向へ向けて安全を祈った習慣が語源となり、船旅であっても「送別の宴・餞別」全般を指す慣用句になっていたからです。
本文中にも「船路なれど、馬のはなむけす(船旅であるけれども、『馬のはなむけ』をする)」と、語源とのギャップを面白がる紀貫之の言葉遊びが見られます。
Q3:十二月二十二日に「和泉の国までと、平らかに願立つ」と願掛けしたのはなぜですか?
A:土佐から四国沖・瀬戸内海を抜けて和泉の国(大阪府沿岸)に入るまでの海域は、荒波だけでなく「海賊(藤原純友ら)」の襲撃の危険が極めて高かったからです。
この伏線は航海中盤の「海賊の恐れ(一月二十一日〜三十日)」の場面で見事に回収されます。

まとめ:専用25問カード暗記デッキでテスト満点を仕上げよう!

今回は『土佐日記』の冒頭「門出(十二月二十一日)」と「馬のはなむけ(二十二日〜二十六日)」について、現代語訳から女性仮託の理由、2つの「なり」の識別、洒落・ユーモア表現まで徹底解説しました。

みちか
みちか

たく先生、ありがとうございます!「すなる=終止形+伝聞」「するなり=連体形+断定」の見分け方はもちろん、「あざれあへり」や「一文字・十文字」の言葉遊びまでわかると、紀貫之のおちゃめな人柄まで見えてきてすごく楽しく読めました!

たく先生
たく先生

そうなんです!ユーモアの裏に深い人間観察と亡き娘への愛を秘めているのが『土佐日記』最大の魅力ですよ。仕上げに下の無料25問カード暗記デッキをめくって、重要語句と品詞分解を完璧に自分のものにしておきましょう!

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📚 あわせて読みたい『土佐日記』テスト対策シリーズ

『土佐日記』全体のあらすじ・女性仮託まとめ(総合ピラー)や、続く「亡児(大津より浦戸へ・羽根)」「忘れ貝」「帰京」のテスト対策記事もあわせて活用してください!

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現役高校教師 / 国語科
指導歴20年以上。西日本の私立高校で、古典と「最短ルートで合格する勉強法」を教えています。 教師の枠を超え、FP2級・簿記3級も取得。「賢く学び、賢く生きる」ための知識を、本音で発信します。
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