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【土佐日記・帰京】現代語訳と品詞分解!小松の和歌と定期テスト対策

【土佐日記・帰京】現代語訳と品詞分解!小松の和歌と定期テスト対策
たく先生
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こんにちは。ミチプラス運営者のたく先生です。

高校1年生の『言語文化』や『古典探究』で学ぶ紀貫之『土佐日記(とさにっき)』の中で、冒頭の「門出」と並んで全国の高校の定期テストで圧倒的な出題率を誇るのが、55日間の旅の最終日を描いた二月十六日「帰京(ききょう)」の章段です。

念願の都へ帰り着いた喜びから一転、月明かりの下で目にした荒れ果てた自邸と留守番をしていた隣人への皮肉(「家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり」)、庭に生えた新しい「小松」を見て爆発する亡き娘への悲しみ(2首の和歌)、そして日記全体を締めくくる名文「とまれかうまれ、疾く破りてむ」まで、品詞分解も記述問題もすべてがテスト本番の得点源になる超重要パートです。

そこでこの記事では、指導歴20年以上の現役高校国語教員であるたく先生が、『土佐日記』結末「帰京(二月十六日)」の全文・現代語訳・品詞分解・和歌の修辞・定期テスト予想問題まで一気通貫でわかりやすく解説します!記事の最後には登録不要で今すぐ使える専用25問カード暗記デッキも用意していますので、定期考査で9割〜満点を狙う人はぜひ最後まで活用してください。

みちか
みちか

たく先生、今度の期末テストで『土佐日記』の「帰京」が丸ごと出るんです!「中垣こそあれ」の逆接や「見ましかば〜せましや」の反実仮想など品詞分解が細かいですし、なぜ最後に「早く破り捨ててしまおう(疾く破りてむ)」なんて書くのか記述問題で聞かれそうでドキドキしています…。

たく先生
たく先生

みちかさん、いいところに目をつけましたね!「帰京」は①月夜の桂川(帰京の歓喜)→ ②荒れた家と隣人(現実への皮肉)→ ③庭の小松と亡児(悲しみの頂点)→ ④疾く破りてむ(照れ隠しと余韻)という完璧な4段構成になっています。品詞分解の急所から記述の満点解答まで一つずつマスターしていきましょう!

記事のポイント
  • 30秒で掴む!「帰京(二月十六日)」の4段構成とあらすじ
  • 【前半①】夜の京入りと月明かりの「桂川」を渡る歓喜の歌
  • 【中盤②】荒れ果てた自邸と「預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり」
  • 【後半③④】庭の「小松」の和歌2首と結び「とまれかうまれ、疾く破りてむ」
  • 【完全版・品詞分解】テスト最頻出の10箇所一覧&予想問題4選

30秒で掴む!「帰京(二月十六日)」の4段構成とあらすじ

承平四年十二月二十一日に土佐の国司の館を門出してから55日目、翌承平五年二月十六日に一行はついに京都の自邸へ帰り着きます。感情がジェットコースターのように揺れ動く4つの場面転換を最初に掴んでおきましょう。

展開パート 場面のあらすじと感情の動き
① 山崎〜桂川
【帰京の喜び】
山崎の橋のたもとから京へ向かう。あえて夜になるのを待って京に入ることにし、明るい月光の下で桂川を渡りながら、都へ帰れたうれしさのあまり次々と和歌を詠む。
② 自邸への到着
【幻滅と皮肉】
明るい月の光で自邸を見ると、噂以上にひどく壊れ荒れ果てている。お礼の品も欠かさず贈っていた隣人の不誠実さに「預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり」と皮肉を記しつつも、従者の文句は制止し、ちゃんとお礼(心ざし)はしようと大人の対応を見せる。
③ 庭の古松と小松
【亡児哀傷の頂点】
庭の池のほとりを見ると、昔の松は半分枯れてなくなり、新しい「小松」が生え混じっている。同行者たちには土佐で生まれた子どもがまとわりついて騒いでいるのに、この京の家で生まれた我が娘だけが一緒に帰ってこなかった現実に胸が張り裂け、2首の和歌を詠む。
④ 結びの一文
【照れ隠しと余韻】
「忘れがたく残念なことは多いが書き尽くせない。ともあれかくもあれ、早く破り捨ててしまおう(とまれかうまれ、疾く破りてむ)」と、女性仮託の体裁と照れ隠しを貫いて筆を置く。

【前半】夜の京入りと月明かりの「桂川」を渡る歓喜(原文・現代語訳)

まずは二月十六日の夕方(ようさつかた)、淀川沿いの山崎から陸路(牛車)で京の入り口である桂川を渡る前半パートです(※教科書によっては「家に至りて、門に入るに〜」から採録されている場合もありますが、前後関係を知っておくと理解がぐっと深まります)。国文学研究資料館の国書データベース『土佐日記』に伝わる諸本でも、帰京への高揚感が生き生きと記されています。

① なぜ夜を待って京に入ったのか?月の桂川の3首

満月に近い明るい月光が水面に映る夜の桂川を牛車と従者たちで渡り京へ入る紀貫之一行の水彩イラスト
「桂川、月の明かきにぞ渡る」——55日間の過酷な旅を終え、月光きらめく桂川を渡って都へ入る一行
📜 【原文①】山崎から月夜の桂川へ

十六日。今日、ようさつかた、京へ上るついでに見れば、山崎の小櫃の絵も、まがりのおほぢのかたも、変はらざりけり。「売り人の心をぞ知らぬ。」とぞ言ふなる。かくて、京へ行くに、島坂にて、人、あるじしたり。必ずしもあるまじきわざなり。立ちて行きし時よりは、来る時ぞ、人はとかくありける。これにも、それにも、返りごとす。
夜になして京には入らむと思へば、急ぎしもせぬほどに、月出でぬ。桂川、月の明かきにぞ渡る。人々の言はく、「この川、飛鳥川にあらねば、淵瀬さらに変はらざりけり。」と言ひて、ある人の詠める歌、
 「久方の月に生ひたる桂川底なる影も変はらざりけり」
また、ある人の言へる、
 「天雲のはるかなりつる桂川袖をひてても渡りぬるかな」
また、ある人詠めり、
 「桂川わが心にも通はねど同じ深さに流るべらなり」
京のうれしきあまりに、歌もあまりぞ多かる。

💡 【現代語訳①】

十六日。今日、夕方ごろ、京へ上る途中の通りがかりに見ると、山崎の店先にある小櫃(小さい箱)の絵も、まがり餅(揚げ菓子)の大きな形も、昔と変わっていなかったなあ。「(看板や品物の形は変わらないが)売っている商人の心までは変わらないかどうかわからないぞ」などと言うようだ。こうして京へ向かう途中、島坂という所で、ある人がごちそう(もてなし)をしてくれた。(出世が見込める赴任時ならともかく、任期を終えて帰る者には)必ずしもしそうにない珍しい親切である。都を発って赴任して行った時よりは、任期を終えて帰って来る時の方が、人の本心(薄情か誠実か)があれこれとよくわかるものであった。この人にも、あの人にも、お礼の返礼をする。
夜にしてから京の町には入ろうと思うので、急ぎもしないうちに、月が出た。桂川を、月が明るい中を渡る。人々が言うことには、「この川は(淵と瀬が変わりやすいという)飛鳥川ではないから、深い淵や浅い瀬は少しも変わっていなかったなあ」と言って、ある人が詠んだ歌、
 「遠い空の月の中に生えているという桂の木、その名を持つ桂川は、川底に映る月の光も昔と少しも変わっていなかったなあ」
また、別の人が詠んだ歌、
 「空の雲のように遥か遠くに思われた桂川を、着物の袖を水に濡らしてでも、ついに渡りきったことだなあ」
また、ある人(貫之)が詠んだ歌、
 「桂川は私の心と通じ合っているわけではないけれども、(都を懐かしむ私の変わらない心の深さと)同じ深さで今も流れているようだなあ」
京に着いたうれしさのあまりに、和歌も多すぎるほどたくさん詠まれた。

ここで「なぜわざわざ夜になるのを待って(夜になして)京に入ったのか?」と問われたら、「長旅でやつれた一行の姿や見栄えのしない荷物を、昼間に都の人々に見られるのを恥じて避けたため」と押さえておきましょう。また1首目の和歌は「月の中に桂の大木が生えている」という中国の伝説を踏まえ、「月の桂」と川の名「桂川」を掛詞にしています(「久方の」は「月・空・光」にかかる枕詞)。

【中盤】荒れ果てた自邸と隣人への皮肉(原文・現代語訳)

ほぼすべての高校の教科書に採録されているのが、ここから始まる自邸到着以降の本文です。一文一文がテスト問題の宝庫なので、黄色マーカー箇所に注目して読み進めてください!

② 「家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり」の痛烈な皮肉

明るい十六夜の月光に照らされた京の自邸の壊れた門と雑草が生い茂る中垣を見つめる紀貫之夫妻の水彩イラスト
月明かりにくっきりと浮かび上がった自邸の荒廃。留守を預けた隣人の心の荒廃を重ねる
📜 【原文②】荒れ果てた京の自邸と留守番の隣人

夜更けて来れば、所々も見えず。京に入り立ちてうれし。
家に至りて、門に入るに、月明かければ、いとよくありさま見ゆ。聞きしよりもまして、言ふかひなくぞこぼれ破れたる。家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり。中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれるなり。さるは、たよりごとに、物も絶えず得させたり。今宵、「かかること。」と、声高にものも言はせず。いとはつらく見ゆれど、心ざしはせむとす。

💡 【現代語訳②】

夜が更けてからやって来たので、途中のあちこちの景色も見えない。それでも京の町に足を踏み入れてうれしい。
わが家に到着して、門を入ると、月が明るいので、家の様子がたいそうよく見える。噂に聞いていた以上に、話にならないほどひどく壊れ破れている。留守中に家を預けておいた人の心までも、(家と同じように)荒れすさんでいたのであったなあ。(隣の家とは)間に仕切りの垣根こそあるものの、まるで一軒の家のようなものなので、(隣の人が自分から)希望して留守番を引き受けているのであった。しかも、何かよい機会(京への便り)があるたびに、お礼の品物も欠かさず贈って与えておいたのである。今夜は、「こんなにひどいありさまだぞ」と、従者たちに大声で文句も言わせない。(隣人の仕打ちは)たいそう薄情で恨めしく思われるけれども、お礼の贈り物はしようと思う。

🔥 定期テスト必出!隣人パートの3大チェックポイント
  • 「家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり」のレトリック:
    5年間の留守中に風雨で壊れた「物理的な家の荒廃(荒る)」と、自分から留守番を申し出てお礼の品まで受け取りながら放置していた「隣人の誠意のない心の荒廃(荒る)」を重ね合わせた痛烈な皮肉です。
  • 「中垣こそあれ、〜」の逆接構文:
    「こそ+已然形(あれ)、〜」が文中で下に続くときは逆接の強調(仕切りの垣根こそあるけれども、しかし〜)になります!
  • 「心ざし(志)」の重要古語訳:
    ここでの「心ざし」は「決心」ではなく「感謝を表すお礼の贈り物」(重要古文単語!)。隣人に聞こえるような大声の悪口を従者に禁じ、約束通りお礼の品も渡そうとする貫之夫妻の教養と品格が描かれています。

【後半】庭の「小松」の和歌2首と結び「とまれかうまれ、疾く破りてむ」

そして物語は、『土佐日記』全編の感情が一点に収束するクライマックスへと入ります。荒れた庭の池のほとりに目を向けた瞬間、この京都の家で生まれたはずの愛娘がもういないという残酷な現実が夫妻の胸を貫きます。

③ 新しく生えた「小松」と、亡き娘を恋う2首の絶唱

月明かりが差す荒れた庭の池のほとりで半分枯れた古い松の根元に生える若い小松を見つめる水彩イラスト
「生まれしも帰らぬものをわが宿に小松のあるを見るが悲しさ」——新しい命である小松がかえって涙を誘う
📜 【原文③】庭の小松と亡児哀傷のクライマックス

さて、池めいてくぼまり、水づける所あり。ほとりに松もありき。五とせ六とせのうちに、千年や過ぎにけむ、かたへはなくなりにけり。今生ひたるぞまじれる。おほかたの、みな荒れにたれば、「あはれ。」とぞ人々言ふ。
思ひ出でぬことなく、思ひ恋しきがうちに、この家にて生まれし女児のもろともに帰らねば、いかがは悲しき。船人もみな、子たかりてののしる。かかるうちに、なほ悲しきに堪へずして、ひそかに心知れる人と言へりける歌、
 「生まれしも帰らぬものをわが宿に小松のあるを見るが悲しさ」
とぞ言へる。なほ飽かずやあらむ、またかくなむ、
 「見し人の松の千年に見ましかば遠く悲しき別れせましや」

💡 【現代語訳③】

さて、(庭に)池のようにくぼんで、水がたまっている場所がある。そのほとりに以前から松もあった。(留守にしていた)五年、六年の間に、まるで千年もの歳月が過ぎてしまったのだろうか、松の半分(片方)は枯れてなくなってしまっていた。そこへ新しく生えた若い松(小松)が混じっている。邸内全体がすっかり荒れ果ててしまっているので、「ああ、なんということだ」と人々はしみじみと言う。
(昔のことで)思い出さないことは何一つなく、あれこれと懐かしく恋しい中で、とりわけこの家で生まれた女の子が一緒に帰ってこないので、どれほど悲しいことか(言いようもなく悲しい)。同じ船で帰ってきた同行者たちにもみな、子どもたちがまとわりついて賑やかに騒いでいる。このような様子の中で、やはりこみ上げる悲しみに堪えきれずに、ひそかに事情(自分の悲しい胸のうち)をわかってくれる人(妻など)と詠み交わした歌、
 「この家で生まれたあの子さえ(土佐で亡くなって)帰ってこないのに、わが家の庭に新しい小松が生えているのを見るのが悲しいことよ」
と詠んだのであった。それでもやはり(一首だけでは思いを言い尽くせず)物足りないのだろうか、さらにこのようにも詠んだ、
 「生前親しく見たあの子(亡き娘)を、千年の寿命を持つ松のように長生きする姿で見たとしたら、(遠い土佐の地で死別するような)遠く悲しい別れなんかしただろうか、いや、決してしなかっただろうに」

ここでは3つの残酷な対比が重なり合って、親の悲しみを極限まで高めています。記述問題で問われたらこの対比をそのまま使いましょう!

  • 対比①(同行者の子 ⇔ 我が子):船で一緒に帰ってきた仲間には子どもたちが群がって賑やかに騒いでいる(子たかりてののしる)のに、この家で生まれた自分の娘だけはいない。
  • 対比②(新しく生えた小松 ⇔ 帰らぬ亡児):留守中に庭には新しい命である「小松(小さい松=幼い『子』と帰りを『待つ』を連想させる)」が育っているのに、同じように成長しているはずの娘は帰らない。
  • 対比③(松の千年の寿命 ⇔ 娘のあまりに短い命):不老長寿の象徴である「松の千年」に対し、わずか数年で散ってしまった娘の命のはかなさを反実仮想「ましかば〜まし」+反語「や」で嘆いている。

④ 結びの一文「とまれかうまれ、疾く破りてむ」に込められた2つの理由

灯火が揺れる静かな京の屋敷の文机の上に置かれた仮名日記の巻物と筆の水彩イラスト
「忘れがたく、口惜しきこと多かれど、え尽くさず。とまれかうまれ、疾く破りてむ」——千年の時を超えた幕切れ
📜 【原文④】『土佐日記』結末の一文

忘れがたく、口惜しきこと多かれど、え尽くさず。とまれかうまれ、疾く破りてむ。

💡 【現代語訳④】

忘れにくく、残念で心残りなことは多いけれども、とてもすべてを書き尽くすことはできない。ともあれかくもあれ、早く(こんな日記は)破り捨ててしまおう。

これほど心血を注いで書いた日記なのに、なぜ紀貫之は最後に「とまれかうまれ、疾く破りてむ(ともかくも、早く破り捨ててしまおう)」と結んだのでしょうか?定期テストの記述問題では、次の2つの理由を書けば満点です。

  • 理由①(女性仮託・謙遜と照れ隠し):冒頭の「女もしてみむとて、するなり」と呼応させ、あくまで「女性が個人的な手すさびとして書いた拙い記録であり、他人に見せるような立派なものではない」という体裁(謙遜・照れ隠し)を最後まで貫くため。
  • 理由②(尽きない悲しみへの区切り):どれほど言葉を尽くして書き続けても亡き娘への悲しみや未練は決して尽きることがないため、あえて突き放すように筆を置いて感情に区切りをつけようとしたため。

【完全版・品詞分解】「帰京」テスト最頻出の10箇所一覧

「土佐日記 帰京」は品詞分解の出題率が全教科書教材の中でもトップクラスです。特に助動詞「なり」の識別や日記文学の比較もあわせて確認しておくと、テスト本番で一切迷わなくなります。

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本文の重要箇所 品詞分解 文法識別・訳し方の急所
言ふかひなくぞこぼれ破れたる 言ふかひなく(ク形・連用)/ぞ(係助)/こぼれ破れ(ラ下二・連用)/たる(存続「たり」連体) ・「ぞ〜たる」の係り結び。
・「言ふかひなし」=話にならないほどひどい。
家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり 預け(カ下二・連用)/たり(存続・連用)/つる(完了「つ」連体)…/荒れ(ラ下二・連用)/たる(存続「たり」連体)/なり(断定・連用)/けり(詠嘆・終止) ・連体形「たる」に接続しているため、「なり」は100%断定の助動詞!
※冒頭の「すなる(伝聞)」とセットで出題される最頻出ポイント。
中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれるなり 中垣(名)/こそ(係助)/あれ(ラ変・已然)…/やうなれ(比況「やうなり」已然)/ば(順接確定)…/預かれ(ラ四・已然または命令形接続)/る(存続「り」連体)/なり(断定・終止) ・「こそ+已然形、〜」=逆接強調(〜はあるが)。
・「預かれる」の「る」はサ変未然・四段已然に付く存続の助動詞「り」連体形!
たよりごとに、物も絶えず得させたり たよりごと(名)/に(格助)/物(名)/も(係助)/絶え(ヤ下二・未)/ず(打消・連用)/得させ(サ下二「得さす」連用※またはア下二「得」+使役「さす」)/たり(完了・終止) ・「たより」=よい機会・便り。
・「得さす」で1語のサ行下二段動詞「与える」ととるか、「得(ア下二・未)+させ(使役・連用)」と分解するかは学校の授業ノートに合わせよう!
声高にものも言はせず 声高に(形動・連用)/もの(名)/も(係助)/言は(ハ四・未)/せ(使役「す」未然)/ず(打消・終止) ・「せ」は使役の助動詞「す」の未然形(従者に大声で文句を言わせない)。
千年や過ぎにけむ、かたへはなくなりにけり 千年(名)/や(疑問の係助)/過ぎ(ガ上二・連用)/に(完了「ぬ」連用)/けむ(過去推量・連体)…/なくなり(ラ四・連用)/に(完了「ぬ」連用)/けり(詠嘆・終止) ・「や〜けむ」=疑問の係り結び(千年も過ぎてしまったのだろうか)。
・「かたへ」=半分・一部分。
いかがは悲しき いかが(副)/は(係助)/悲しき(シク形・連体) ・反語ではなく感嘆・詠嘆「どれほど悲しいことか(いやもう悲しくてたまらない)」を表す重要表現!
生まれしも帰らぬものを…見るが悲しさ 生まれ(ラ下二・連用)/し(過去「き」連体=準体法)/も(係助)/帰ら(ラ四・未)/ぬ(打消「ず」連体)/ものを(逆接の接助)…/見る(マ上一・連体)/が(格助)/悲しさ(名) ・「生まれし」は「生まれた子」を表す準体法。
・「ものを」=逆接(〜のに)。
見し人の松の千年に見ましかば遠く悲しき別れせましや 見(マ上一・連用)/し(過去「き」連体)…/見(マ上一・未)/ましか(反実仮想「まし」未然)/ば(接助)…/せ(サ変・未)/まし(反実仮想・終止)/や(反語の係助) ・「ましかば〜まし」=反実仮想(もし長生きする姿で見たとしたら〜だろうに)。
・末尾「や」=反語(別れをしただろうか、いやしなかっただろうに)。
え尽くさず。とまれかうまれ、疾く破りてむ え(副)/尽くさ(サ四・未)/ず(打消・終止)…/疾く(ク形・連用)/破(や)り(ラ四・連用)/て(強意「つ」未然)/む(意志・終止) ・「え〜ず」=不可能(書き尽くせない)。
・「破(や)る」=破り捨てる。
・「てむ」=強意+意志(きっと破り捨ててしまおう)。
💡 たく先生の学習アドバイス:先延ばしをゼロにする「事前コミットメント」

行動経済学者のダン・アリエリー教授が大学生を対象に行った有名な実験では、「期末日までにいつでも好きな時に提出してよい」と言われたグループよりも、「最初から自分で小さな締め切りを区切って約束(事前コミットメント)したグループ」のほうが圧倒的に高い成績を収めました。

古文のテスト対策もまったく同じです。「テスト前日にまとめて覚えよう」と先延ばしにするのではなく、「今このページを閉じる前に、下の無料25問カードで8割正解するまでやる!」とその場で決めて実行するだけで、本番の得点力は見違えるほど安定します。直前期の暗記スケジュール術は、PathMemoria公式ブログの「【2026年】高校生・中学生の「定期テスト暗記法」完全攻略!直前でも間に合う点数UP術」でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください!

【定期テスト実戦演習】頻出予想問題4選(解答・採点基準付き)

「帰京」の定期考査で毎年のように出題される鉄板予想問題4問です。問題文をタップして模範解答と採点基準をチェックしてみましょう!

予想問題①【隣人への態度と心情】:「いとはつらく見ゆれど、心ざしはせむとす」について、(1)何が「つらく(薄情で恨めしく)」思われたのかを具体的に説明し、(2)「心ざしはせむとす」の現代語訳を記せ。

【模範解答】:
(1) 理由:隣人が自分から望んで留守宅の管理を引き受け、折に触れてお礼の品も絶えず贈っていたにもかかわらず、家をひどく壊れ荒れ果てるまま放置していたこと。
(2) 現代語訳:お礼の贈り物はしようと思う。

【採点基準の急所】:
(1)は「望みて預かれるなり」「たよりごとに、物も絶えず得させたり」「言ふかひなくぞこぼれ破れたる」の3要素をまとめます。(2)は「心ざし=お礼の贈り物」と訳せているかが合否を分けます!

予想問題②【「小松」の和歌の解釈】:「生まれしも帰らぬものをわが宿に小松のあるを見るが悲しさ」において、庭に新しく生えた「小松」を見ることがなぜそれほど悲しいのか。50字程度で説明せよ。

【模範解答】:
留守中に庭には新しい小松が生えて育っているのに、この家で生まれた幼い娘は土佐で亡くなり帰ってこないから。(52字)

【採点基準の急所】:
「新しく誕生し成長している小松」と「この家で生まれたのに亡くなって帰らぬ我が子(生まれしも帰らぬ)」の対比を明確に書くのが満点のコツです。

予想問題③【反実仮想と反語の訳出】:「見し人の松の千年に見ましかば遠く悲しき別れせましや」の文法構造(ましかば〜ましや)を踏まえて、一首全体を正確に現代語訳せよ。

【模範解答】:
生前親しく見たあの子を、松の千年の寿命のように長生きする姿で見たとしたら、(遠い土佐の地で死別するような)遠く悲しい別れをしただろうか、いや、しなかっただろうに。

【採点基準の急所】:
①「見し人=生前親しく見たあの子(亡児)」、②反実仮想「ましかば〜まし(もし…たとしたら、〜だろうに)」、③反語「や(〜だろうか、いや…ない)」の3つを漏れなく訳出しましょう!

予想問題④【結末文の記述】:作者が日記の最後を「とまれかうまれ、疾く破りてむ」という言葉で締めくくった理由を2つの観点から説明せよ。

【模範解答】:
①女性が私的な手すさびとして書いた拙い日記であり、他人に見せるほどのものではないという女性仮託・謙遜(照れ隠し)の姿勢を最後まで貫くため。
②どれほど書いても亡き娘への悲しみは尽きないため、筆を置いて気持ちに区切りをつけようとしたため。

【採点基準の急所】:
冒頭の「女もしてみむとて、するなり」との首尾照応(女性仮託・謙遜)と、直前の亡児哀傷の余韻を断ち切る心理の2点を挙げれば完璧です!

「土佐日記・帰京」に関するよくある質問(FAQ)

Q1:「とまれかうまれ、疾く破りてむ」の「とまれかうまれ」や「破り」はどういう語ですか?
A:「とまれかうまれ」は「ともあれかくもあれ」が音変化した連語で「ともかくも・いずれにせよ」という意味です。
また「破(や)り」はラ行四段活用動詞「破(や)る=破り捨てる」の連用形です(「行かせる・送る」という意味の「遣る」と混同しないよう注意しましょう)。
Q2:「遠く悲しき別れ」の「遠く」にはどのような意味が込められていますか?
A:①都から遠く離れた「土佐の国」での別れ(空間的な遠さ)と、②二度と会うことができない「死別・永遠の別れ」(生死の隔たり)の2つの意味が重ねられています。
京都の自宅に帰ってきたからこそ、娘を置いてきた土佐の遠さと死別の重みが二重に胸に迫っている表現です。
Q3:京都の紀貫之の邸宅はどこにあったのですか?
A:平安京の左京(現在の京都御苑の南東付近、丸太町通富小路あたり)にあったと伝えられています。
現在も京都御苑の南側(富小路広場付近)に「紀貫之邸跡」の石碑が建てられており、庭の松や桜を愛した貫之ゆかりの地として知られています。

まとめ:専用25問カード暗記デッキでテスト満点を仕上げよう!

今回は『土佐日記』の結末二月十六日「帰京」について、桂川の和歌から荒れた自邸と隣人への皮肉、小松の和歌2首、結び「とまれかうまれ、疾く破りてむ」の理由、そして完全版の品詞分解まで徹底解説しました。

みちか
みちか

たく先生、ありがとうございます!「荒れたるなりけり」の断定の「なり」や「中垣こそあれ」の逆接、「見ましかば〜せましや」の反実仮想+反語、そして「疾く破りてむ」の2つの理由まで全部スッキリつながりました!

たく先生
たく先生

素晴らしいですね、みちかさん!最後に約束通り、下の無料25問カード暗記デッキを1周めくって、品詞分解も重要単語も即答できる状態に仕上げておきましょう。テスト本番で大活躍できることを心から応援しています!

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📚 あわせて読みたい『土佐日記』テスト対策シリーズ

『土佐日記』全体のあらすじ・女性仮託まとめ(総合ピラー)や、冒頭と呼応する「門出・馬のはなむけ」、亡児哀傷の伏線となる「亡児・羽根」「忘れ貝」のテスト対策記事もあわせて総整理しましょう!

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現役高校教師 / 国語科
指導歴20年以上。西日本の私立高校で、古典と「最短ルートで合格する勉強法」を教えています。 教師の枠を超え、FP2級・簿記3級も取得。「賢く学び、賢く生きる」ための知識を、本音で発信します。
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