【虎と思ひて石を射る】現代語訳と書き下し文!史記・李広のテスト対策

こんにちは。ミチプラス運営者のたく先生です。
高校1年生の『言語文化』の漢文入門単元や定期テストで、短くて劇的なストーリーから最も頻繁に出題される教材の一つが、司馬遷『史記』(李将軍列伝)に収められた「虎と思ひて石を射る(李広/石に立つ矢・中石没鏃)」です。
前漢の弓の名手・李広(りこう)が、夕暮れの草むらにある大石を本物の虎だと思い込んで射たところ、硬い石に矢じりまで深く突き刺さったという有名な故事ですが、いざテスト勉強を始めると「『以為虎而射之、中石没鏃』や『終不能復入石矣』の返り点・送り仮名が正確に書けない!」「同じ李将軍列伝の結びにある『桃李不言、下自成蹊』や『自(みづから/おのづから)』の読み分けも出るって聞いて不安…」と悩む高校生が数多くいます。
この記事では、高校国語教員歴20年以上のたく先生が、『虎と思ひて石を射る(李広)』の白文・返り点付きの縦書き訓読カード・書き下し文・現代語訳から、同じ李将軍列伝から生まれた3大故事成語・漢詩(石に立つ矢・桃李もの言わざれども下おのずから蹊を成す・飛将軍)、重要漢字「自・復・更」の読み分け、さらに記述予想問題・無料20問カード暗記デッキまで徹底解説します!

たく先生、次の漢文のテスト範囲が『虎と思ひて石を射る(李広)』なんです!本文は短いんですけど、なぜ2回目に射たときは石に刺さらなかったのかという記述問題や、「桃李不言、下自成蹊」もセットで出るそうで、ポイントを教えてほしいです!

みちかさん、任せてください!李広の章段は「①前半:石に立つ矢(中石没鏃)の逸話」と「②後半:司馬遷の賛『桃李不言、下自成蹊』」の2パートを押さえれば100点満点が狙えます。特に「自(みづから vs おのづから)」の識別はテストで100%出題されるので、縦書きカードと一覧表で一気にマスターしましょう!
【結論】『虎と思ひて石を射る・李広(史記・李将軍列伝)』の全文・書き下し文・現代語訳一覧
まずは定期テストで最優先となる『虎と思ひて石を射る』(司馬遷『史記』李将軍列伝)の白文・書き下し文・現代語訳を、後半の有名な評語(太史公曰く「桃李言はざれども、下自ら蹊を成す」)まで含めて3列比較表で確認しましょう。
| 原文(白文) | 書き下し文 | 現代語訳 |
|---|---|---|
| 広出猟、見草中石、以為虎而射之、中石没鏃。 | 広(こう)出(い)でて猟(りょう)し、草中の石を見、以(もっ)て虎(とら)と為(な)して之を射るに、石に中(あ)たりて鏃(やじり)を没す。 | 李広が外出して狩りをしたとき、草むらの中の石を見て、それを虎だと思い込んで射たところ、矢は石に命中して矢じりまで深く突き刺さった。 |
| 視之石也。因復更射之、終不能復入石矣。 | 之を視(み)れば石なり。因(よ)りて復(ま)た更(さら)に之を射るに、終(つひ)に復(ま)た石に入(い)るること能(あた)はず。 | 近づいてよく見ると石であった。そこで再び改めてこれを射たが、結局二度と石に矢を突き刺すことはできなかった。 |
| 広所居郡、聞有虎、嘗自射之。及居右北平射虎、虎騰傷広、広亦竟射殺之。 | 広の居(を)る所の郡、虎有りと聞けば、嘗(かつ)て自(みづか)ら之を射る。右北平(うほくへい)に居りて虎を射るに及びて、虎騰(おど)りて広を傷つくれども、広も亦竟(つひ)に之を射殺せり。 | 李広が赴任していた郡で、虎が出たと聞けば、以前から自分自身で出かけていってこれを射ていた。右北平の地に赴任して虎を射たときには、虎が飛びかかって李広に傷を負わせたが、李広もまた最後にはこの虎を射殺した。 |
| 【列伝の結び(太史公曰)】 李将軍悛悛如鄙人、口不能道辞。及死之日、天下知与不知、皆為尽哀。彼其忠実心、誠信於士大夫也。諺曰、「桃李不言、下自成蹊。」此言雖小、可以諭大也。 |
李将軍は悛悛(しゅんしゅん)として鄙人(ひじん)の如く、口辞(じ)を道(い)ふ能はず。死するの日におよびて、天下の知ると知らざると、皆為に哀しみを尽くす。彼其の忠実の心、誠に士大夫に信ぜらるればなり。諺(ことわざ)に曰はく、「桃李(とうり)言(ものい)はざれども、下自(おのづか)ら蹊(こみち)を成す」と。此の言は小なりと雖(いへど)も、以て大に諭(たと)ふべきなり。 | 李将軍は実直で飾り気がなく田舎の人のようで、口べたでうまく言葉を話すことができなかった。しかし彼が亡くなった日には、天下の人々は面識のあるなしにかかわらず、皆彼のために心から哀悼の意を尽くした。彼の誠実な真心は、まことに将兵や知識人たちに信頼されていたからである。世間のことわざに言う、「桃や李(すもも)は何もものを言わないけれども、(美しい花や美味しい実に惹かれて人が集まるので)その木の下には自然と小道ができる」と。この言葉は身近で小さなことではあるが、そのまま偉大な道理にたとえることができるものだ。 |
『李将軍列伝』から生まれた3大故事・ことわざと王昌齢『出塞』

前漢の将軍・李広(りこう)は、北方異民族の匈奴(きょうど)から「漢の飛将軍(ひしょうぐん)」と恐れられた伝説的な名将です。定期テストでは、本文の現代語訳だけでなく、李広のエピソードから生まれた以下の3つの重要表現・関連漢詩が必ず合わせて問われます。
- 石に立つ矢/中石没鏃(いしにたつや/ちゅうせきぼつぞく):草むらの石を虎だと信じて射たら矢じりまで突き刺さった故事から、「精神を一心に集中して全力を尽くせば、どんなに困難で不可能に思えることでも成し遂げられる」というたとえ。
※類義語:「一念岩をも通す」「精神一到何事か成らざらん」「陽気発する処金石も亦透る」 - 桃李もの言わざれども下おのずから蹊を成す(桃李不言、下自成蹊):桃やすももは何も語らないが、美しい花や美味しい実に惹かれて人が集まり木の下に自然と小道ができることから、「徳のある高潔な人物は、自ら宣伝したり弁舌を振るったりしなくても、その人徳を慕って自然と人が集まり信頼される」というたとえ(※成蹊大学などの校名の由来でもあります)。
- 龍城の飛将(盛唐・王昌齢の七言絶句『出塞』):「但使龍城飛将在、不教胡馬度陰山(但だ龍城の飛将をして在らしめば、胡馬をして陰山を度らしめざらんに)」の「飛将」とは、まさにこの李広将軍を指します!
【縦書き訓読カード】『虎と思ひて石を射る』の返り点・送り仮名を完全図解!
ここからは、定期テストで白文に返り点・送り仮名を振る問題や書き下し文問題として出題される全5文を高校の教科書・標準文法に完全準拠した「縦書き訓読カード」で1文ずつ徹底解説します。
① 発端「石に中たりて鏃を没す」と再挑戦「終に復た石に入るること能はず」

前半の核となる2文です。1文目の「以為[レ]虎(以て虎と為して=虎だと思い込んで)」と「中[レ]石没[レ]鏃(石に中たりて鏃を没す)」、そして2文目の不可能形「不[レ]能[二]復入[一レ]石矣」の返り点の組み合わせは、テストで一字一句そのまま出題されます。
② 虎退治の常習:「広之所居郡、聞有虎、嘗自射之。」
続く第3文では、なぜ李広が夕暮れの石を反射的に虎だと思って射たのかという背景(赴任先で虎が出たと聞けば、いつも自分自身で出かけて射殺していたこと)が説明されます。
③ 司馬遷の賛:「桃李不言、下自成蹊。此言雖小、可以諭大也。」

そして『李将軍列伝』の結びとして教科書に並べて採録されるのが、著者・司馬遷(太史公)による有名な賛です。口べたで飾り気のない李広が、なぜ死後に天下のすべての人々から涙を流して惜しまれたのかを「桃李不言、下自成蹊」のことわざで讃えています。
定期テストで狙われる「自」の読み分けと重要語彙の完全整理
『虎と思ひて石を射る(李広)』の定期テストで最も出題率が高いのが、「自(みづから/おのづから/より)」の識別と、「復・更・終・竟・嘗」などの重要副詞です。高校国語の学習指導要領(文部科学省「高等学校学習指導要領解説 国語編」)に基づく基本語彙と文法を表で完全整理しましょう。
テスト必出!「自」の3つの読み分け&重要文法チェック表
| 漢字・用法 | 本文・関連文の用例 | 読み方・意味・識別のコツ |
|---|---|---|
| ① 自(代名詞的副詞) | ・嘗自射之 (嘗て自ら之を射る) |
【読み】みづから 【意味】自分自身で(主語が意志を持つ人間[李広]で、自発的に行動する場合)。 |
| ② 自(状態副詞) | ・桃李不言、下自成蹊 (下自ら蹊を成す) |
【読み】おのづから 【意味】自然と、ひとりでに(無生物や自然現象として、意図せず結果が生じる場合)。 |
| ③ 自(前置詞) | ・自是之後(是よりの後) ・有朋自遠方来(遠方より来たる) |
【読み】より(返り点が付いて下から返る!) 【意味】〜から(起点)。※「みづから・おのづから」は上から順読し、「より」は必ず返り点が付く! |
| ④ 以為A (以てAと為す) |
・見草中石、以為虎而射之 | 【読み】以(もっ)て虎と為(な)して 【意味】(それを)虎だと思い込んで、みなして。 |
| ⑤ 不能A (Aすること能はず) |
・終不能復入石矣 | 【読み】終に復た石に入るること能(あた)はず 【意味】〜することができない(不可能)。 |
差がつく!重要語句・副詞の読みと意味一覧

| 重要語句 | 読み方 | 文中での意味・テスト出題ポイント |
|---|---|---|
| 中石没鏃 | 石に中(あ)たりて鏃(やじり)を没す | 矢が石に命中し、矢じりまで深くめり込んで見えなくなる(「中」=あたる・命中する、「没」=沈む・深く刺さって隠れる)。 |
| 視之 | 之を視(み)れば | 近づいてよく注意して見ると(1行目の漠然と見かけた「見」に対し、「視」は意識を向けてじっと確かめること)。 |
| 因 | よ(りて) | そこで、そういうわけで(直前の事実を受けて次の行動へ移る接続詞)。 |
| 復更 | 復(ま)た更(さら)に | 再び、改めて(「復」=ふたたび・また、「更」=あらためて・さらに)。 |
| 終/竟 | つひ(に) | とうとう、結局、最後まで(後ろに打消「不能」を伴って「とうとう〜できなかった」)。 |
| 嘗 | かつ(て) | 以前から、かつて(経験・過去の習慣)(「未嘗〜=いまだかつて〜ず」でも頻出)。 |
| 騰 | おど(りて) | 跳びあがる、飛びかかる。 |
たく先生の教壇メモ:なぜ2回目は石に刺さらなかったのか?(認知心理学の『リミッター解除』と自己効力感)
授業でこの章段を読むと、必ず生徒から「先生、同じ李広が同じ弓で射ているのに、どうして1回目は石に刺さって、2回目に石だとわかってから射たときは全然刺さらなかったんですか?」という質問が出ます。
これを現代の認知心理学・スポーツ心理学(アルバート・バンデューラの「自己効力感(Self-efficacy)」および脳の「心理的リミッター」研究)の視点で見ると、極めて科学的な説明がつきます。人間の脳は普段、筋肉や腱が断裂するのを防ぐために無意識のブレーキ(抑制リミッター)をかけており、通常の意識状態では最大筋力の70〜80%程度しか発揮できないと言われています。
1回目、夕暮れの草むらで李広は目の前の黒い塊を「人食い虎だ!(今ここで射殺さなければ自分が食われる!)」と100%信じ込んでいました。極限の危機感と「虎なら矢が通るはずだ」という確信によって脳のリミッターが完全に外れ、超人的なフルパワーが一本の矢に凝縮されたのです。しかし2回目、「なんだ、ただの硬い岩(石)じゃないか」と認識した瞬間、脳の深層心理に「硬い石に矢なんて刺さるはずがない」という常識(認知的ブレーキ)が作動してしまい、どれだけ力んでも二度と1回目のような一撃は放てなくなってしまったのです。

これって受験や定期テストの勉強でも全く同じなんですよ!「自分にはどうせ無理だ(石だから刺さらない)」と最初から思い込んでいると、脳が無意識にブレーキをかけて記憶力も集中力も落ちてしまいます。逆に「この20問を覚えれば絶対に90点取れる!」と信じて目の前の1問に集中したとき、私たちの脳は驚くべき力を発揮してくれます!
定期テスト頻出の記述予想問題(模範解答・採点基準付き)
定期テストで特に配点が高く差がつく「2回目に矢が刺さらなかった理由と『桃李不言』の比喩に関する記述問題」厳選2問です。問題文をタップすると模範解答と採点基準が開きます(※書き下し文・重要句形・「自」の識別の一問一答全20問は、記事末尾のPathMemoria無料カード暗記デッキで今すぐ演習できます!)。
記述問題①【なぜ2回目は石に矢が刺さらなかったのか】:「因復更射之、終不能復入石矣」とあるが、1回目は矢じりまで深く石に刺さったのに、2回目に射たときは全く刺さらなかったのはなぜか。1回目と2回目の李広の心理状態の違いに着目して70字程度で説明せよ。
【模範解答】:
一回目は本物の虎だと信じ込んで決死の気迫で精神を集中させて射たのに対し、二回目は相手が硬い石だと知ったことで「刺さるはずがない」という迷いや油断が生じたから。(80字)
【解説・採点基準】:
①1回目の心理(「虎だと思い込み、全神経・気力を一点に集中させて射たこと」)と、②2回目の心理(「石だと認識したことで緊張感が緩み、石に矢が刺さるはずがないという先入観・迷いが生じたこと」)の対比が書けていれば満点です。
記述問題②【「桃李不言、下自成蹊」の比喩と李広の人物像】:司馬遷が李広の生涯を評して引用した「桃李不言、下自成蹊」とはどのような意味か。李広自身のどのような人物像にたとえられているかを含めて70字程度で説明せよ。
【模範解答】:
桃や李は何も語らなくても花や実に惹かれて人が集まり道ができるという意味で、口べたで飾り気のない李広が、その誠実な人徳によって自然と万人に慕われたことにたとえている。(83字)
【解説・採点基準】:
①ことわざの表面の意味(「桃李は物言わぬが花実に惹かれて人が集まり小道ができる」)と、②李広との対応(「口べた[口不能道辞]だが忠実・誠実な心を持っていたため、自然と多くの人々に信頼され慕われたこと」)の2要素が入っていれば満点です。
『虎と思ひて石を射る(李広)』に関するよくある質問(FAQ)
最後に、テスト前の高校生からよく質問される疑問点をQ&A形式でまとめました。
1行目の「見草中石」は夕暮れの狩りの最中にふと草むらの中の石が目に入った状態であり、2行目の「視之石也」は矢が命中した後にそばへ寄って正体をじっくり確かめた状態を表しています。漢文の同訓異字問題(見・視・観・看)としてテストでよく狙われます!
「陽気発処、金石亦透。精神一到、何事不成(陽気発する処、金石も亦透る。精神一到、何事か成らざらん)」という対句になっており、「全身の気力がみなぎって発揮されるところには、金属や石でさえも矢が貫通する。精神を一つに集中すれば、どんなことでも成し遂げられないはずがない」という意味です。定期テストの応用問題で最も出題されやすい関連文です。
『史記』では前漢の将軍・李広(りこう)の逸話として記されていますが、『韓詩外伝』では楚の熊渠子(ゆうきょし)、『呂氏春秋』では養由基(ようゆうき)の逸話として伝えられています。実力テストや模試では熊渠子や養由基の名前で出題されることもありますが、文法構造や教訓は100%同じです!
まとめ:『虎と思ひて石を射る』の重要20問をスマホ単語帳で1秒マスターしよう!
『虎と思ひて石を射る(李広)』の定期テスト対策ポイントを最後におさらいしましょう。
- 最重要書き下し文:「以て虎と為して之を射るに、石に中たりて鏃を没す」「終に復た石に入るること能はず」「桃李言はざれども、下自ら蹊を成す」
- 「自」の読み分け:嘗自射之=みづから(自分自身で) vs 下自成蹊=おのづから(自然と)
- 重要語彙と句形:以為〜(以て〜と為す=〜だと思い込む)、不能〜(〜こと能はず)、鏃(やじり)、復更(またさらに)、嘗(かつて)
- 関連故事・漢詩:石に立つ矢(一念岩をも通す・精神一到何事か成らざらん)、王昌齢『出塞』の「龍城の飛将(=李広)」

たく先生、ありがとうございます!「中石没鏃」と「終不能復入石矣」の返り点、そして「自(みづから/おのづから)」の読み分けまで完璧に頭に入りました!

素晴らしいですね、みちかさん!それでは最後に、下の無料カード暗記デッキを使って全20問のスピード確認をしてみましょう。テスト本番で迷わず満点答案が書けるよう応援しています!
漢文の句形や書き下し文は、目で読むだけでなく「問題を見てパッと答えを思い出す(想起練習)」を繰り返すことで記憶に定着します。この記事で解説した『虎と思ひて石を射る(李広)』の現代語訳・書き下し文・返り点・「自」の識別・「桃李不言」を完全網羅した特製デッキ「【虎と思ひて石を射る・李広】定期テスト頻出対策マスター20選」を、自作AI暗記アプリ「PathMemoria」で無料公開しています。
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同じ司馬遷『史記』から出題されるテスト頻出章段まとめや、高校漢文の重要故事成語一覧もあわせてチェックしましょう!












