【先従隗始】現代語訳と書き下し文!先ず隗より始めよのテスト対策

こんにちは。ミチプラス運営者のたく先生です。
高校の国語(言語文化・古典探究)の授業で『十八史略』や『戦国策』の故事成語「先従隗始(先ず隗より始めよ)」を習い、死馬の骨と千里の馬のたとえ話の現代語訳や、抑揚形・使役形・反語形の書き下し文で悩んでいませんか。
先従隗始(せんじゅうかいし)は、「大事業を始めるときはまず手近なところ(言い出した本人)から着手せよ」という現代のことわざの語源になった名文であり、同時に「有以千金使涓人求千里馬者(使役+上下点)」「死馬且買之。況生者乎(抑揚)」「況賢於隗者、豈遠千里哉(比較+反語)」など、高校漢文の重要句形がオンパレードで登場する定期テスト最頻出単元です。
そこで今回は、高校国語科で20年以上指導してきた現役教員の視点から、『十八史略』版と『戦国策』版の両方に対応した全文の書き下し文・現代語訳、縦書き訓読カードによる返り点の完全解剖、死馬の骨・千里の馬・郭隗の比喩関係、そして定期テスト頻出の記述予想問題・無料30問カード暗記デッキまで分かりやすく徹底解説します。

たく先生!「先ず隗より始めよ」のお話で、召使いが生きている馬ではなく「死んだ馬の骨」を五百金で買って帰ってきた理由がテストの記述でよく出ると聞きました!それに一二三点と上下点が混ざる返り点も難しそうです……!

みちかさん、とても良いところに気づきましたね!「なぜ死んだ馬の骨に大金を払ったのか」という理由と、「死馬の骨が現実の誰をたとえているのか」は定期考査で100%出題される鉄板問題です。縦書き訓読カードと対照表で一つずつスッキリ解き明かしていきましょう!
先従隗始(先ず隗より始めよ)の意味と歴史的背景
まずは故事成語「先ず隗より始めよ(先従隗始)」の意味の変遷と、燕(えん)の昭王(しょうおう)と学者・郭隗(かくかい)が置かれていた歴史的背景を押さえましょう。テストでは「故事本来の意味」と「現代に転じた意味」の2つを区別して答えさせる問題が頻出します。
「先ず隗より始めよ」の本来の意味と現代の意味・派生語

故事成語「先ず隗より始めよ(先従隗始)」には、郭隗の進言に基づく①故事本来の意味と、そこから広がった②現代の転じた意味の2段階があります。
故事本来の意味は、「本当に優れた賢者を招きたいならば、まず身近にいる凡庸な者(私=郭隗)を優遇することから始めなさい(そうすれば、より優れた人材が自然と集まってくる)」という人材登用の極意です。そこから転じて現代では、「大事業や物事を始める際には、まず言い出した本人(または手近なところ)から着手せよ」という意味で使われています。
| 重要項目 | テストで覚えるべき要点解説 |
|---|---|
| ① 故事本来の意味 | 優れた人材を招き寄せるには、まず身近にいる凡庸な者(郭隗)を厚遇することから始めよ。 |
| ② 転じた現代の意味 | 大きな事業や計画を始める時は、まず言い出した本人(手近なところ)から実行に移せ。 |
| 出典・歴史書 | 『戦国策』燕策(前漢・劉向編)および『十八史略』(元・曽先之編) |
| 関連語・四字熟語 | 死馬の骨(しばのほね)/千金買骨(せんきんばいこつ):優れた人材を熱心に求めること(また、その誘い水となる凡庸な者のたとえ)。 |
| 実際に集まった賢者 | 魏から名将楽毅(がくき)、斉から思想家鄒衍(すうえん)、趙から劇辛(げきしん)が集まり、燕は強国・斉を打ち破った。 |
寓話の比喩関係(古の君・死馬の骨・千里の馬=昭王・郭隗・天下の賢者)
当時、燕の国は内乱に乗じて隣の大国・斉(せい)に攻め込まれ、国が壊滅状態になるという屈辱(「破燕」)を味わっていました。新しく即位した若き昭王(しょうおう)は、国を立て直して斉に報復するため、天下から優れた人材(賢者)を集めようと学者・郭隗(かくかい)に相談します。
そのとき郭隗が語ったのが、「昔の君主と千里の馬」の寓話です。定期テストの記述問題で必ず問われる「寓話の中の要素」と「現実の燕における要素」の比喩対応関係を以下の表で完璧に整理しておきましょう。
| 寓話(たとえ話)の要素 | 現実の燕における対応対象 | 比喩の意味と説得のロジック |
|---|---|---|
| 古の君(昔の君主) (千金で名馬を求めた王) |
燕の昭王(しょうおう) (国を再建したい君主) |
大金を惜しまず、本気で天下の名馬(優れた人材)を手に入れようとしている君主。 |
| 死馬の骨(死んだ馬の骨) (五百金で買われた骨) |
郭隗(かくかい)自身 (身近にいる凡庸な学者) |
それ自体はすぐ役に立たない凡庸な存在だが、高値で買う(厚遇する)ことで「王の本気度」を天下に示す広告塔となる。 |
| 千里の馬(一日に千里走る名馬) (1年以内に3頭集まった名馬) |
天下の優れた賢者・人材 (楽毅・鄒衍・劇辛ら) |
「郭隗のような者でさえ重用されるなら、自分ならもっと厚遇されるはずだ」と確信して諸国から駆けつけてくる一流の人材。 |
先従隗始の全文・書き下し文・現代語訳(十八史略・戦国策対応)
高校の教科書に収録されている『先従隗始』には、コンパクトにまとまった『十八史略』版と、対話が詳しく描かれた『戦国策』版の2系統があります。ここでは最も多くの教科書で採用されている『十八史略』版の全文をベースに、テストで比較出題される『戦国策』版の重要表現も併記して完全対照します。
前半(千里の馬と死馬の骨の寓話)の原文・書き下し文・現代語訳

燕昭王於破燕之後即位。卑身厚幣、以招賢者。問郭隗曰、「斉因孤之国乱、而襲破燕。孤極知燕小力少、不足以報。然誠得賢士以共国、以雪先王之恥、孤之願也。先生視可者、得身事之。」郭隗曰、「古之君、有以千金使涓人求千里馬者。買死馬骨五百金而返。君怒。涓人曰、『死馬且買之。況生者乎。馬今至矣。』不期年、千里之馬至者三。
燕(えん)の昭王(しょうおう)、破燕(はえん)の後(のち)に於(お)いて位(くらい)に即(つ)く。身を卑(ひく)くし幣(へい)を厚くし、以(もっ)て賢者を招(まね)かんとす。郭隗(かくかい)に問ひて曰(いは)く、「斉(せい)は孤(こ)の国の乱るるに因(よ)りて、襲ひて燕を破れり。孤極めて燕の小にして力の少なき、以て報(むく)ゆるに足らざるを知る。然(しか)れども誠(まこと)に賢士を得て以て国を共にし、以て先王の恥を雪(そそ)がんこと、孤の願ひなり。先生可なる者を視(しめ)せ、身之(これ)に事(つか)ふるを得ん。」と。郭隗曰はく、「古(いにしへ)の君に、千金を以て涓人(けんじん)をして千里の馬を求めしむる者有り。死馬の骨を五百金に買ひて返る。君怒る。涓人曰はく、『死馬すら且(か)つ之を買ふ。況(いは)んや生ける者をや。馬今に至らん。』と。期年(きねん)ならずして、千里の馬至る者三(さん)あり。
燕の昭王は、斉に打ち破られた燕の混乱ののちに王位に就いた。自身の身をへりくだり、手厚い贈り物を準備して、優れた賢者を招こうとした。昭王は郭隗に尋ねて言った。「斉はわが国の内乱につけ込んで、攻め寄せて燕を打ち破った。私は燕が小国で力も弱く、斉に報復するには力不足であることをよく知っている。けれども、本当に優れた人物を得てともに国政を行い、それによって先王の受けた屈辱をすすぐことこそ、私の願いなのだ。先生、誰かふさわしい人物を教えてください。私自身がその人に師としてお仕えしたいのです」と。郭隗は言った。「昔の君主で、千金を持たせて側近の召使い(涓人)に、一日に千里を走る名馬を探し求めさせた者がおりました。ところが召使いは死んだ馬の骨を五百金で買って帰って来ました。君主は激怒しました。すると召使いは言いました、『死んだ馬でさえその骨を高値で買うのです。まして生きている名馬ならなおさら(高く買い取るに違いないと評判になる)でしょう。名馬はいまにすぐやって来るでしょう』と。すると満一年も経たないうちに、千里を走る名馬が三頭もやって来ました。
後半(先従隗始の進言と賢者たちの来訪)の原文・書き下し文・現代語訳

今、王必欲致士、先従隗始。況賢於隗者、豈遠千里哉。」(※『戦国策』版では「隗且見事、況賢於隗者乎。豈遠千里哉。」)於是、昭王為隗改築宮、師事之。於是、士争趨燕。
今、王必ず士を致(いた)さんと欲せば、先(ま)づ隗(かい)より始めよ。況(いは)んや隗より賢(けん)なる者、豈(あ)に千里を遠しとせんや。」と。(※『戦国策』版:隗すら且つ事(つか)へらる、況んや隗より賢なる者をや。豈に千里を遠しとせんや、と。)是(ここ)に於(お)いて、昭王隗の為(ため)に改めて宮(きゅう)を築き、之(これ)に師事(しじ)せり。是に於いて、士争ひて燕に趨(おもむ)く。
今、王様がどうしても優れた人材を招き寄せたいとお望みになるならば、まずこの私(郭隗)を優遇することから始めてください。(私のような凡庸な郭隗でさえ師として仕えられるのです。)ましてや私(郭隗)より優れた賢者たちが、どうして千里の道のりを遠いと思うでしょうか(いや、遠いとは思わず喜んで駆けつけて来るでしょう)」と。そこで、昭王は郭隗のために新しく立派な邸宅を建てて、彼を師として仰ぎ仕えた。すると、天下の優れた人物たちは先を争って燕の国へと駆けつけた。
縦書き訓読カードで完全攻略!先従隗始の返り点・送り仮名・重要句形
ここからは、定期テストで必ず出題される『先従隗始』の5大重要文を、縦書き訓読カードで徹底解説します。使役形と上下点の組み合わせ、抑揚形、前置詞「従」、反語形、熟語線のすべてを視覚的にマスターしましょう。
使役形+上下点の階層構造「有以千金使涓人求千里馬者」
まずテストで最も差がつく難所が、「有以千金使涓人求千里馬者(千金を以て涓人をして千里の馬を求めしむる者有り)」の返り点です。
この文では、内側に「以千金(金[一] ➔ 以[二])」と、使役構文「使涓人求千里馬(馬[一] ➔ 求[二] ➔ 使[三])」という一二三点が入っています。そして文頭の「有(有り)」には、文末の「者」からこれらの一二三点をすべて跨いで一番外側から返る必要があります。一二点を跨いで返る場合は第3階層の【上下点】を使うルールに従い、「者」に上点、「有」に下点を配置します。
抑揚形「死馬且買之。況生者乎。」の訓読と終助詞「乎」
続いて、高校漢文の抑揚句法(AでさえBだ、ましてCはなおさらだ)の代表例文として暗記必須なのが「死馬且買之。況生者乎。」です。
公式「Aスラ且(か)ツB、況(いは)ンヤCヲヤ」の通り、「死馬」の送り仮名に「スラ」を添え、「且」は副詞として「且(か)つ」と読みます(ここの「且」は再読文字ではありません)。そして後半の「況生者乎」では、「者」には「ヲ」のみを送り、文末の終助詞「乎」自体を「や」と読みます(それ自体で読み切る助字のため「乎」に送り仮名は付けず、書き下し文ではひらがなで「生ける者をや」と表記します)。
表題句「今王必欲致士、先従隗始」の連続レ点と前置詞「従」
物語の核心である「今王必欲致士、先従隗始」には、返り点のテストで頻出する2つの急所があります。
1つ目は前半の「欲致士(士を致さんと欲せば)」です。「士(ヲ)」から直上の「致(サント)」へ1文字戻り、さらに直上の「欲(セバ)」へ1文字戻るため、一二点ではなく「連続レ点(欲にレ点、致にレ点)」を使います。2つ目は後半の「先従隗始(先づ隗より始めよ)」です。「従」は起点「〜より(から)」を表す前置詞なので、目的語の「隗」から直上の「従」へレ点で返り、最後に動詞「始(メヨ)」を上から下へ読んで完結します。
比較+反語「況賢於隗者、豈遠千里哉」と熟語線「師事之」
最後に、郭隗の言葉を締めくくる「況賢於隗者、豈遠千里哉」と、昭王の行動を示す「師事之」の2枚のカードを確認しましょう。
「賢於隗者」の「於」は比較の基準(〜よりも)を表す置き字で、「隗(ヨリ)」の一点から「賢(ナル)」の二点へと返ります。そして「豈遠千里哉」は反語「豈(あ)に〜んや(どうして〜だろうか、いや〜ない)」の公式通り、「千里(ヲ)」の一点から「遠(シトセン)」の二点へと返り、最後に文末の終助詞「哉」自体を「や」と読みます(書き下し文ではひらがな「や」で表記します)。また「師事之(之に師事せり)」はサ変動詞の熟語「師事」へまとまって返るため、熟語線と二点を使用します。
先従隗始の重要語句・読み・一文ごとの品詞分解表
定期テストで問われる重要語句の読み・意味と、一文ずつの品詞分解・文法解説を3列対照テーブルにまとめました。前置詞「従・為・於」や助動詞の識別を総点検しましょう。
定期テスト必出!重要漢字の読みと語句の意味一覧
| 本文の漢字・語句 | 訓読の読み | 文脈上の意味・テスト出題のポイント |
|---|---|---|
| 卑身厚幣 | 身を卑(ひく)くし 幣(へい)を厚くし |
自分の身をへりくだり、贈り物を手厚くする(賢者を迎える礼節) |
| 孤(こ) | こ | 私(王侯・君主が自分をへりくだって呼ぶ一人称代名詞) |
| 雪(恥) | そそ(ぐ)/すす(ぐ) | (恥や恨みを)晴らす、洗い清める(「雪恥=恥をそそぐ」) |
| 涓人 | けんじん | 宮中の清掃や取り次ぎをする側近の役人(召使い) |
| 死馬且買之 | 死馬すら且(か)つ | 死んだ馬でさえも(抑揚形の前半。再読文字の「まさに」ではない) |
| 況〜乎 | いは(んや)〜をや | まして〜はなおさらだ(抑揚形の後半。「乎」は終助詞「や」と読む) |
| 不期年 | 期年(きねん)ならずして | 満一年も経たないうちに(「期年」=まる一年、一周忌の「期」) |
| 致(士) | いた(す) | (人材を)招き寄せる、自然と集まって来させる |
| 従(隗始) | よ(り) | 〜から、〜より(動作の起点を表す前置詞。「自・由」と同義) |
| 豈〜哉 | あ(に)〜んや | どうして〜だろうか、いや〜ない(反語。「哉」はひらがな「や」) |
| 遠(千里) | 遠(とほ)しとす | (千里の道のりを)遠いと思う(形容詞の意動用法) |
| 見事(戦国策版) | 事(つか)へらる | (師として)仕えられる(「見+動詞」の受身形) |
| 師事(之) | しじ(す/せり) | 師匠として仰ぎ仕える |
| 趨(燕) | おもむ(く) | (燕に向かって)急ぎ足で駆けつける、向かう |
一文ずつの文法・句形・品詞分解(3列対照テーブル)
| 書き下し文(句区切り) | 文法・句形・品詞解説 | 現代語訳 |
|---|---|---|
| 昭王賢者を招かんとす。 | 招か(カ四・未然形)+ん(意志「む」終止形)+と(格助詞)+す(サ変・終止形) | 昭王は優れた賢者を招こうとした。 |
| 古の君に、千金を以て涓人をして千里の馬を求めしむる者有り。 | 以て(手段「〜で」)+涓人をして(使役対象)+求め(マ下二・未然形)+しむる(使役「しむ」連体形)+者有り | 昔の君主で、千金を持たせて召使いに千里の名馬を探し求めさせた者がいた。 |
| 死馬の骨を五百金に買ひて返る。君怒る。 | 買ひ(ハ四・連用形)+て(接助・置き字「而」に対応)+返る(ラ四・終止形) | 死んだ馬の骨を五百金で買って帰ってきた。君主は怒った。 |
| 死馬すら且つ之を買ふ。況んや生ける者をや。 | すら(副助詞)+且つ(副詞)+況んや(副詞)+生け(カ四・已然形)+る(存続「り」連体形)+者をや(間投助詞・詠嘆反語) | 死んだ馬でさえこれを買うのです。まして生きている馬ならなおさらです。 |
| 馬今に至らん。 | 今に(副詞「いまに・やがて」)+至ら(ラ四・未然形)+ん(推量「む」終止形・置き字「矣」に対応) | 名馬はいまにすぐやって来るでしょう。 |
| 期年ならずして、千里の馬至る者三あり。 | なら(断定「なり」未然形)+ず(打消・連用形)+して(接助)+至る(ラ四・連体形)+三あり | 満一年も経たないうちに、千里の馬が三頭もやって来た。 |
| 今、王必ず士を致さんと欲せば、先づ隗より始めよ。 | 致さ(サ四・未然形)+ん(意志)+と+欲せ(サ変・未然形)+ば(仮定条件)+より(起点の前置詞「従」)+始めよ(マ下二・命令形) | 今、王がどうしても賢者を招きたいと望まれるなら、まず私(隗)から始めてください。 |
| (隗すら且つ事へらる、況んや隗より賢なる者をや。) | 事へ(ハ下二「事ふ」未然形)+らる(受身「らる」終止形・助字「見」に対応)+より(比較の前置詞「於」) | (郭隗でさえ師として仕えられるのです、まして私より優れた賢者ならなおさらです。) |
| 況んや隗より賢なる者、豈に千里を遠しとせんや。 | 賢なる(ナリ活・連体形)+豈に(反語の副詞)+遠し(ク活・終止形)+と+せ(サ変・未然形)+ん(推量・連体形)+や(反語の終助詞「哉」) | まして私より優れた賢者が、どうして千里の道のりを遠いと思うでしょうか(いや思わない)。 |
| 是に於いて、昭王隗の為に改めて宮を築き、之に師事せり。 | 是に於いて(接続詞「そこで」)+為に(前置詞)+築き(カ四・連用形)+師事せ(サ変・未然形)+り(完了「り」終止形) | そこで昭王は郭隗のために新しく宮殿を建て、彼に師として仕えた。 |
| 是に於いて、士争ひて燕に趨く。 | 争ひ(ハ四・連用形)+て(接助)+趨く(カ四・終止形) | すると、天下の賢者たちは先を争って燕へと駆けつけた。 |
認知心理学「スモールウィン(小さな勝利)」と『先ず隗より始めよ』の勉強法
実は、「千里の馬(大きな目標)をいきなり追うのではなく、まず目の前の郭隗(手近な一歩)から着手する」という『先従隗始』の知恵は、現代の脳科学・習慣化研究でも最も効果的な戦略として証明されています。
脳科学が証明する「まず手近な1問から始める」絶大な効果

行動習慣の研究で知られるチャールズ・デュヒッグ氏が紹介したコーネル大学のカール・ワイク教授らの研究によると、人間が大きな課題(定期テスト対策や大学受験)に直面したとき、最初から完璧な大目標を掲げると脳の扁桃体がストレスを感じて「先延ばし」を引き起こします。これに対し、「スモールウィン(Small Wins=小さな勝利)」と呼ばれる「ごく手近で確実に達成できる最初の1歩」を踏み出すと、脳の基底核に推進力が生まれ、その後の学習習慣がドミノ倒しのように連鎖することが分かっています。
私が担任や国語科として20年以上指導してきた生徒たちの中でも、成績が急伸する生徒は例外なく「先ず隗より始めよ」の実践者です。「漢文のテスト範囲を全部覚えよう」と意気込んで机に向かうのを先延ばしにするのではなく、「まず『先従隗始』のこの1文だけ音読しよう」と手近な1歩から始める生徒は、5分後には集中モード(作業興奮)に入ってテスト範囲をあっという間にマスターしてしまいます。文部科学省の「高等学校学習指導要領解説(国語編)」でも、古典の著名な故事成語を通じて先人のものの見方や考え方を自分の生活や学習に結びつけることが推奨されています。
『先従隗始』の抑揚形「死馬すら且つ之を買ふ、況んや生ける者をや」や反語「豈に千里を遠しとせんや」は、目で黙読するよりも実際に声に出して音読する(プロダクション効果)ことで、リズムごと脳の長期記憶に刻み込まれます。人間の脳は「インプット(読むだけ)」では記憶が定着せず、「想起(思い出すテスト)」と「発声」を行った瞬間に神経シナプスが太く結合します。
学校現場の指導でも実証済みの具体的なやり方は、PathMemoria公式ブログの「【2026年最新】声に出して覚える「プロダクション効果」勉強法!音読×脳科学で記憶定着率を最大化する完全ガイド」で詳しく解説しています。暗記効率を劇的に高めたい方はぜひ合わせてご覧ください!
定期テスト頻出の記述予想問題(模範解答・採点基準付き)
定期考査で特に配点が高く差がつく「記述説明問題」の厳選2問です。自分の頭で解答を組み立ててからアコーディオンを開いて採点基準を確認しましょう(※書き下し文・抑揚・反語・重要語句の一問一答全30問は、記事末尾のPathMemoria無料カード暗記デッキで今すぐ演習できます!)。
記述問題①【死馬の骨を買った理由】:涓人(召使い)が、何の役にも立たない「死馬の骨」を五百金もの大金で買ったのはなぜか。50字程度で説明せよ。
【模範解答】:
死んだ馬の骨でさえ高値で買うほど君主が本気で名馬を求めていると世間に知らせ、名馬が自然に集まるようにするため。(56字)
【解説・採点基準】:
「死んだ馬の骨でさえ高く買う(まして生きた名馬ならさらに高く買う)」という君主の本気度を天下に宣伝し、向こうから名馬が集まってくるようにした、という趣旨が書かれていれば満点です。
記述問題②【故事成語の本来の意味と転じた意味】:「先ず隗より始めよ」の①故事本来の意味と、②転じて現代で使われる意味の違いを説明せよ。
【模範解答】:
・①本来の意味:優れた賢者を招くには、まず身近にいる凡庸な者(死馬の骨である郭隗)を優遇することから始めよ。
・②転じた意味:大事業を始めるときは、まず言い出した本人(手近なところ)から着手せよ。
【解説・採点基準】:
「死馬の骨=凡庸な郭隗自身」「千里の馬=天下の賢者」という比喩の対応と、この2つの意味の対比は全国の定期考査で最頻出です。
先従隗始に関するよくある質問(FAQ)
最後に、テスト前に多くの高校生がつまずきやすい質問3選に回答します。
「於・于・乎」は読まない置き字ですが、「従・自・由」はその文字自体を「より」と読みます。また助詞・助動詞はひらがなで書き下す原則に従い、書き下し文では「先づ隗より始めよ」とひらがなで表記します。
「見+動詞(事ふ=仕える)」で「事(つか)へらる(師として仕えられる)」という受身形になります。「見」をひらがな「らる」に直すのを忘れないようにしましょう。
後ろに「況〜乎」が続く場合の「且」は抑揚形で「かつ(〜でさえも)」と1回だけ読みます。一方、「且」に返り点が付いて動詞とセットになっている場合は再読文字「まさに〜んとす(今にも〜しようとする)」と2回読みます。
まとめ:先従隗始の重要30問をカード暗記してテスト満点を勝ち取ろう!
今回は、高校漢文の代表的故事成語である『先従隗始(先ず隗より始めよ)』について、白文・書き下し文・現代語訳から、縦書き訓読カードによる返り点・重要句形、死馬の骨の比喩関係まで徹底解説しました。

たく先生、ありがとうございます!「死馬の骨=郭隗自身」という比喩の仕組みや、一二三点の外側から上下点で返るルール、抑揚形と反語形の書き下し文までバッチリ整理できました!

その調子です、みちかさん!「先ず隗より始めよ」の言葉通り、まずは下の無料カード暗記ボタンを1タップして、最初の1問からサクッとテスト対策をスタートさせましょう!
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同じ『十八史略』や『戦国策』を出典とするテスト頻出の故事成語「臥薪嘗胆」「虎の威を借る狐」や、高校漢文の重要句形一覧もあわせてチェックしておきましょう!













