【長沮・桀溺】現代語訳と書き下し文!論語のテスト対策と句形

こんにちは。ミチプラス運営者のたく先生です。
高校の『言語文化』や『古典探究』の『論語』単元において、短い章句のあとに「本格的な物語長文」として登場し、定期テストの配点の半分以上を占める大問になりやすいのが、第18篇『微子篇(びしへん)』に収められた『長沮・桀溺(ちょうそ・けつでき)』です。
道徳政治の理想を掲げて諸国を旅する孔子・子路(仲由)の師弟と、乱れた世の中に見切りをつけて畑を耕して暮らす隠者・長沮と桀溺が交わす緊迫の問答は、故事成語「問津(もんしん)」や現代語でも誤用されやすい重要語「憮然(ぶぜん)」を生んだ名場面です。しかしテスト勉強を始めると、「『是れ』や『曰はく』の主語が誰なのか途中で迷子になる…」「『且つ而其の人を辟くるの士に従はんよりは〜』の選択反語と一二三点が複雑すぎて読めない!」「最後の『天下道有らば、丘与に易へざるなり』の真意をどう記述すればいいの?」と頭を抱える高校生が非常に多くいます。
そこでこの記事では、高校国語教員として20年以上教壇に立つたく先生が、『長沮・桀溺』の冒頭から結末までの全文書き下し文・完全現代語訳・縦書き訓読カード7枚をはじめ、発話者(主語)の完全特定、「人を辟くるの士」と「世を辟くるの士」の対比表、そして定期テスト記述予想問題まで徹底的にわかりやすく解説します!単元専用の無料25問カード暗記デッキも完備していますので、長文問題で満点を狙いましょう。

たく先生、テスト範囲の『長沮・桀溺』で、「曰はく」が何回も連続で出てきて誰のセリフかわからなくなってしまいました……!それに長沮の「是れなれば津を知らん」って、どうして渡し場を教えてくれなかったんですか?

みちかさん、そこが『長沮・桀溺』を読み解く一番おもしろい鍵なんですよ!長沮と桀溺はただの農夫ではなく、乱世を避けて隠れ住む知識人(隠者)だったため、「年中あちこち旅して回っているあの孔子なら、渡し場くらい自分で知っているだろう」と痛烈な皮肉を言ったんです。登場人物の立場を整理してから3場面に分けて全文を読んでいきましょう!
『長沮・桀溺』とは?あらすじ・登場人物4人の名前・故事成語「問津」
『長沮・桀溺』は、『論語』微子篇(第18篇・第6章)に収められた章段です(古注の代表テキストである国立国会図書館サーチ『景印元覆宋世彩堂本論語集解』でも巻第九・微子第十八に収録)。まずは本文中で同じ人物が「姓+名(本名)」と「字(あざな)・敬称」で呼び分けられるため、4人の登場人物とあらすじを最初に表で固定しましょう!
| 登場人物 | 本文中の呼ばれ方(超重要!) | 立場・思想・役割 |
|---|---|---|
| 孔子(こうし) | 孔子・孔丘(こうきゅう)・夫子(ふうし)・丘(きゅう) | 理想の徳治政治を実現してくれる君主を求め、弟子たちと共に諸国を周遊している儒家の師(「人を辟くるの士」)。 |
| 子路(しろ) | 子路・仲由(ちゅうゆう)・子(し=あなた)・而(なんぢ=お前) | 孔子の古参の高弟。馬車の手綱を執り(輿を執る者)、師の命で渡し場を尋ねに行く使者役。 |
| 長沮(ちょうそ) | 長沮(※隠者としての仮名) | 乱れた政治社会を見限って農村に隠れ住む知識人(隠者)。孔子一行に皮肉を言って渡し場を教えない。 |
| 桀溺(けつでき) | 桀溺(※隠者としての仮名) | 長沮と並んで耕していた隠者。子路に対し「孔子の元を離れて私たちのように隠棲した方がよい」と説く(「世を辟くるの士」)。 |
なお、冒頭の「子路をして津(しん=川の渡し場)を問はしむ」から、故事成語「問津(もんしん:物事の手がかり・方法・相手の意向を探り尋ねること)」が生まれました。漢字と意味の両方がテストの定番知識問題として出題されます。

【第1場面:前半対訳】長沮との問答「子路をして津を問はしむ〜是れなれば津を知らん」
それでは本文を3つの場面に分けて、一文残らず白文・書き下し文・現代語訳を確認していきましょう。第1場面は、楚の国から蔡の国へ向かう途中、川で道に迷った孔子一行が、畑を耕す長沮(ちょうそ)に渡し場を尋ねる場面です。
前半の縦書き訓読カード3枚と「曰はく」「是れ」の主語・指示内容

ここで必ず記述問題になるのが、「なぜ長沮は『是れなれば津を知らん(孔子ならば渡し場を知っているだろう)』と答えたのか?」という理由です。長沮は、「救いようのない乱世なのに、仕官先を求めて長年あちこちの国を旅して回っているあの孔丘であるならば、川の渡し場くらい人に聞かなくてもよく知っているはずだろう」と、孔子の政治活動を遠回しに皮肉って突き放したのです。
【第2場面:中盤対訳】桀溺の孔子批判「人を辟くるの士」と「世を辟くるの士」
長沮に取り合ってもらえなかった子路は、隣で耕していたもう一人の隠者・桀溺(けつでき)に尋ねます。ここからが文法・句形ともに最難関の第2場面です。
中盤の導入対話と縦書き訓読カード2枚(反語・選択反語・一二三点)

【白文】:問於桀溺。桀溺曰、「子為誰。」曰、「為仲由。」曰、「是魯孔丘之徒与。」対曰、「然。」曰、
【書き下し文】:桀溺に問ふ。桀溺曰はく、「子は誰と為す。」と。曰はく、「仲由と為す。」と。曰はく、「是れ魯の孔丘の徒か。」と。対へて曰はく、「然り。」と。曰はく、
【現代語訳】:(子路が今度は)桀溺に尋ねた。桀溺が言うことには、「あなたは誰だ。」と。(子路が)言うことには、「仲由でございます。」と。(桀溺が)言うことには、「(ということは)魯の孔丘の弟子か。」と。(子路が)答えて言うことには、「そうです。」と。(すると桀溺が)言うことには、
「子(し)」は相手を敬う二人称「あなた」、「仲由(ちゅうゆう)」は子路の本名(姓が仲、名が由)、「徒(と)」は「弟子・仲間」、「与(か)」は疑問の終助詞「歟」と同じです。ここから桀溺の長広舌が始まります!
【テスト必出】「人を辟くるの士」と「世を辟くるの士」の徹底比較表
桀溺が対比させた「人を辟(さ)くるの士」と「世を辟(さ)くるの士」の意味と具体的人物像は、定期テストで100%出題される最重要ポイントです。
| 比較項目 | 人を辟(さ)くるの士 | 世を辟(さ)くるの士 |
|---|---|---|
| 指している人物 | 孔子(孔丘) | 長沮・桀溺(隠者たち) |
| 文字通りの意味 | 「無道で愚かな君主(人)」を避けて、道を行える立派な君主を探し求める人物。 | 「乱れた人間社会・俗世間(世)そのもの」を避けて、自然の中に隠棲する人物。 |
| 乱世への態度・思想 | 儒家的態度(現実関与):どれほど世が乱れていても人間社会を見捨てず、政治と道徳によって世を救おうと奔走する。 | 道家・老荘的態度(超越・隠遁):乱世の流れは誰にも変えられないと達観し、政治から離れて自らの身の安全と心の平穏を守る。 |
【第3場面:後半対訳】孔子の嘆息と信念「夫子憮然として〜丘与に易へざるなり」
そう言い放った桀溺は、まいた種に土をかける農作業を続けて手を休めようともしませんでした(「耰して輟めず」)。戻ってきた子路から一部始終を聞いた孔子が、自らの揺るぎない使命感を語るクライマックスの第3場面です。
「夫子憮然として」の意味と後半の縦書き訓読カード2枚

【白文】:耰而不輟。子路行以告。夫子憮然曰、
【書き下し文】:耰(いう)して輟(や)めず。子路行きて以て告ぐ。夫子憮然(ぶぜん)として曰はく、
【現代語訳】:(桀溺は)まいた種に土をかけて作業の手を休めることはなかった。子路は(孔子のところへ)戻っていってその会話の内容を報告した。先生(孔子)はがっかりと嘆息して言うことには、
ここで高校の国語教員として毎年必ず強調するのが、「憮然(ぶぜん)」の意味のひっかけ問題です!現代のニュースや会話では「腹を立ててムッとする様子」と誤用されることが多いのですが、この『論語』長沮・桀溺が本来の出典であり、正しい意味は「失望してぼんやりする様子・がっかりして嘆息する様子」です。孔子は隠者に悪口を言われて怒ったのではなく、「優れた知性を持つ彼らが人間社会を見捨ててしまい、自分の志を理解してもらえないこと」に深い寂しさと嘆きを覚えたのです。
定期テストで差がつく『長沮・桀溺』の重要単語・読み・6大句形総整理
『長沮・桀溺』は難読漢字と重要句形が非常に多いため、テスト直前に必ずチェックすべき語句・句形を一覧表にまとめました。

| 重要語句・句形 | 書き下しの読み | 意味・テスト採点の急所 |
|---|---|---|
| 耦して耕す | ぐうしてたがやす | 二人並んで畑を耕すこと。 |
| 子路をして津を問はしむ | しろをしてしんをとはしむ | 使役「使A B」。津(しん)=川の渡し場(故事「問津」)。 |
| 夫の輿を執る者 | かのよをとるもの | あの馬車の手綱を握っている人(=孔子)。 |
| 滔滔たる者 | たうたうたるもの | 大水が勢いよく流れるように、世の中が乱れゆくさま。 |
| 且つ而(且而) | かつなんぢ | 「而」は置き字ではなく二人称「なんぢ(お前=子路)」! |
| 其のAよりは豈にBに若かんや | そのAよりはあにBにしかんや | 【選択反語】AするよりはBするほうがずっとよい。 |
| 耰して輟めず | いうしてやめず | 耰す=まいた種に土をかける。輟めず=手を休めない。 |
| 夫子憮然として | ふうしぶぜんとして | 憮然=がっかりして嘆息する様子・失望してぼんやりする様子(※「怒る」は×!)。 |
認知心理学の記憶研究(OpenStax『Psychology 2e』8.1 How Memory Functions)では、文字面だけを機械的に覚える視覚的符号化よりも、「なぜその人物がそう言ったのか」というストーリー・感情と結びつける意味的符号化(Semantic Encoding)のほうが圧倒的に記憶に残ることが示されています。『長沮・桀溺』も、4人のキャラクターの立場を意識しながら声に出して読むと一発で定着します!
『長沮・桀溺』のような長文単元をテスト直前に仕上げるときは、本文を最初から漫然と読み返すのではなく、①発話者特定、②指示語(之・是)、③句形書き下し、④理由記述の「テストで問われる急所」だけをピンポイントで想起テストするのが最短ルートです。
テスト3日前からでも一気に点数を引き上げる具体的な暗記スケジュールは、PathMemoria公式ブログの「【2026年】高校生・中学生の「定期テスト暗記法」完全攻略!直前でも間に合う点数UP術」で詳しく解説しています。ぜひテスト前にチェックしてみてください!

【実戦演習】『長沮・桀溺』の定期テスト頻出記述問題&よくある質問(FAQ)
『長沮・桀溺』の定期テストでほぼ100%出題されるクライマックスの記述問題2選と、よくある質問(FAQ)です。タップして模範解答と採点基準を確認しましょう。
予想問題①【「鳥獣は与に群れを同じくすべからず」の意図】:孔子が「鳥獣は与に群れを同じくすべからず。吾斯の人の徒と与にするに非ずして誰と与にせん」と述べたのはなぜか。隠者たちの生き方に対する孔子の考えがわかるように70字程度で説明せよ。
【模範解答】:
人間である以上、俗世を捨てて山林の鳥獣と暮らすような隠遁生活はできず、どれほど乱れた世であっても同じ人間社会の仲間と共に生きるほかないと考えているから。(77字)
【解説・採点基準】:
①「鳥獣=山林に隠棲する長沮・桀溺のような脱社会的生き方の比喩(40%)」、②「斯の人の徒=現実社会の苦しむ人々・人間仲間と共に生きるべきだという決意(60%)」の2点が入っていれば満点です!
予想問題②【結びの一文「天下道有らば、丘与に易へざるなり」の真意】:末尾の「天下道有らば、丘与に易へざるなり」という言葉の裏には、孔子のどのような思い(使命感)が込められているか。60〜80字で説明せよ。
【模範解答】:
もし天下に正しい道が行われ平和であるなら私も改革などしないが、現実に道が失われ民衆が苦しんでいるからこそ、自分が世を変革しなければならないという使命感。(77字)
【解説・採点基準】:
反実仮想(もし道があるなら変えない ➔ 裏返せば「今、道が無いからこそ変えようとしているのだ」)の論理構造を明確に言語化できているかが満点のカギです!
『長沮・桀溺』の学習でよくある質問(FAQ)
そのため最後の孔子の言葉「鳥獣は〜」は、報告に戻ってきた弟子の子路(桀溺の言葉に少し動揺しかけていた子路)を諭すとともに、自分自身の信念を再確認するように語られた言葉です。
「沮」も「溺」も水や湿地・泥水に浸かることに関係する字であり、川の近くの湿地帯で並んで農耕していた二人の姿にちなんで記録された呼び名とされています。
大学入試では『長沮・桀溺』の類題として同じ『微子篇』の隠者章段が出題されることも多いため、「孔子(現実社会で道を求める)vs 隠者(乱世を避けて隠棲する)」の構図を覚えておくと初見問題でも圧倒的に有利になります!
まとめ:『長沮・桀溺』の重要25問をスマホ単語帳で一気に仕上げよう!
この記事では、『論語』微子篇の最頻出長文『長沮・桀溺』の全文書き下し文・現代語訳・発話者特定・「人を辟くるの士」と「世を辟くるの士」の対比・重要句形を徹底解説しました。

たく先生、ありがとうございます!誰のセリフか迷っていた「曰はく」の順番や、難しかった選択反語「其の〜よりは、豈に〜に若かんや」、それに「憮然」の本当の意味まで完璧に理解できました!

素晴らしい仕上がりですね、みちかさん!最後に下の無料カード暗記デッキを使って、『長沮・桀溺』の難読漢字(耦して・滔滔・耰して・輟めず・憮然)や重要句形25問がスラスラ答えられるかテストしてみましょう。本番での大活躍を応援しています!
この記事で解説した『長沮・桀溺』の難読漢字の読み・発話者特定・指示語・選択反語句形・故事成語「問津」・「憮然」の意味・思想対比を1つのデッキに凝縮した「【論語 長沮・桀溺】全文書き下し・句形・テスト対策25選」を、自作AI暗記アプリ「PathMemoria」で無料公開しています!
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