【大鏡 肝試し】現代語訳と品詞分解!道長の豪胆とテスト対策を徹底解説

高校の古文の授業や定期テストで必ずと言っていいほど登場する『大鏡』の超重要単元「肝試し(道長の豪胆 / 道長の剛胆)」。
五月雨が激しく降る不気味な暗闇の夜、花山天皇の気まぐれな思いつきによって、宮中の最も恐ろしい場所へ一人で行くことになった藤原三兄弟(道隆・道兼・道長)。兄たちが物の怪や怪異に震え上がって逃げ帰る中、末弟の道長だけが平然と目的地へ向かい、驚くべき「証拠」を持ち帰ります。

「先生の訳もネットの解説も言葉が堅くて内容が入ってこない!」という高校生も多いはず。
この段は、後に平安時代の頂点に君臨する藤原道長が、生まれながらの『超大物(さるべき人)』であったことを劇的なホラー&コメディタッチで描いた最高に痛快な場面です。テストに出るポイントを網羅したから、一緒にマスターしよう!
3分でわかる!『大鏡』肝試し(道長の豪胆)のあらすじと登場人物
まずは物語の全体像と、登場人物の人間関係・性格を3分でサクッと整理しておきましょう。

登場人物の相関関係と性格
👑 『肝試し』に登場する主要人物
- 花山天皇(かざんてんのう):第65代天皇。雨の夜に退屈し、思いつきで貴族たちに肝試しを命じる気まぐれで突飛な帝。
- 藤原兼家(ふじわらのかねいえ):道隆・道兼・道長の父親。ライバル一族の秀才・公任を羨ましがり、我が子の不甲斐なさを嘆く。
- 藤原公任(ふじわらのきんとう):和歌・漢詩・管弦すべてに秀でた平安屈指のサラブレッド。兼家が羨望する対象。
- 藤原道隆(ふじわらのみちたか):兼家の長男。豊楽院へ向かうが、宴の松原で不気味な声を聞いてビビって引き返す。
- 藤原道兼(ふじわらのみちかね):兼家の次男。仁寿殿へ向かうが、巨大な化け物を見てパニックになり逃げ帰る。
- 藤原道長(ふじわらのみちなが):兼家の五男(末弟)。最も遠く危険な大極殿へ一人で向かい、平然と証拠を持ち帰る豪胆な主人公。
あらすじ(ざっくり3ステップ解説)
- プロローグ(公任の影と面):父・兼家が「我が子たちは公任の影さえ踏めない」と嘆いたのに対し、兄二人が恥じ入る中、若き道長だけが「影を踏まないどころか、面(ツラ)を踏みつけてやる!」と豪語する。
- 五月雨の夜の肝試し:梅雨の豪雨の夜、花山天皇が「こんな不気味な夜に一人で出かけられるか?」と問うと、皆が辞退する中で道長だけが「どこへでも行きます」と即答。巻き添えを食らった長男・道隆と次男・道兼も目的地へ向かわされる。
- 三兄弟の明暗と道長の証拠:道隆は得体の知れない声に怯えて途中で挫折。道兼は巨大な化け物(物の怪)を見て「命あっての命令だ!」と絶叫して逃げ帰る。しかし道長だけは真っ暗な大極殿の奥深くにある天皇の玉座(高御座)の柱を小刀で削り取り、翌朝の検分でその証拠が本物と証明されて全員を驚愕させた。
【原文・現代語訳・品詞分解】『大鏡』肝試しの全文徹底解説
それでは、高校教科書に掲載されている原文を5つの場面に分け、「原文」「逐語現代語訳」「品詞分解・文法ポイント」を詳しく解説します。
【パート1】公任への対抗心と若き道長の気魄
四条の大納言のかく何事もすぐれ、めでたくおはしますを、大入道殿、「いかでかかからむ。うらやましくもあるかな。わが子どもの、影だに踏むべくもあらぬこそ口惜しけれ。」と申させ給ひければ、中関白殿・粟田殿などは、げにさもとや思すらむと、恥づかしげなる御気色にてものものたまはぬに、この入道殿はいと若くおはします御身にて、「影をば踏まで、面をや踏まぬ。」とこそ仰せられけれ。
四条の大納言(藤原公任)がこのように何事にも優れ、立派でいらっしゃるのを、(道長たちの父である)大入道殿(藤原兼家)が、「どうしてこうなのだろうか。うらやましいことだなあ。我が子たちが、(公任の)影さえ踏むことができそうにないのは実に残念だ。」と申し上げなさったところ、中関白殿(道隆)や粟田殿(道兼)などは、本当にその通りだと(父上は)お思いなのだろうかと、恥ずかしそうなご様子で何もおっしゃらないのに、この入道殿(道長)はたいそうお若くていらっしゃるお立場でありながら、「影を踏まないで、(その)顔を踏みつけて乗り越えないことがあろうか、いや、踏みつけてやる。」とおっしゃった。
- めでたくおはします:ク活用形容詞「めでたし」連用形 + 尊敬の補助動詞「おはす」連体形(公任への敬意)。
- 影だに:副助詞「だに」(類推・〜さえ)。「影さえ踏めない」。
- 踏むべくもあらぬこそ口惜しけれ:可能の助動詞「べし」連体形 + 係助詞「こそ」 ➔ 文末はシク活用形容詞「口惜し」已然形「口惜しけれ」で係り結び。
- 影をば踏まで:打消接続の接続助詞「で」(〜ないで)。「影を踏まないで」。
- 面をや踏まぬ:係助詞「や」(反語) + 打消の助動詞「ず」連体形「ぬ」。「顔を踏まないだろうか、いや踏んでやる!」。道長の並外れた負けん気の強さを表す最重要句!
【パート2】五月雨の夜の肝試し・帝の気まぐれな命

さるべき人は、とうより御心魂のたけく、御守りもこはきなめりとおぼえ侍るは。花山院の御時に、五月下つ闇に、五月雨も過ぎて、いとおどろおどろしくかきたれ雨の降る夜、帝、さうざうしとや思し召しけむ、殿上に出でさせおはしまして、遊びおはしましけるに、人々物語申しなどし給うて、昔恐ろしかりけることどもなどに申しなり給へるに、「今宵こそいとむつかしげなる夜なめれ。かく人がちなるだに気色おぼゆ。まして、もの離れたる所などいかならむ。さあらむ所に一人往なむや。」と仰せられけるに、「えまからじ。」とのみ申し給ひけるを、入道殿は、「いづくなりともまかりなむ。」と申し給ひければ、さるところおはします帝にて、「いと興あることなり。さらば行け。道隆は豊楽院、道兼は仁寿殿の塗籠、道長は大極殿へ行け。」と仰せられければ、よその君たちは、便なきことをも奏してけるかなと思ふ。
そうなる運命の人(道長)は、早くからご胆力が強く、神仏のご加護も堅固であるようだと思われますよ。花山院の御代に、五月下旬の闇夜に、梅雨の時期も度を越して、たいそう気味悪く激しく雨が降り続く夜、帝は物足りない(手持ち無沙汰だ)とお思いになったのであろうか、殿上の間にお出ましになって、管弦の遊びをなさっていたときに、人々がお話を申し上げなどなさって、昔恐ろしかったことなどに話が及んだところ、(帝が)「今宵はとても気味の悪い感じのする夜であるようだ。このように人が大勢いてさえ不気味な気配が感じられる。まして、遠く離れた所などはどんなものだろうか。そのような所に一人で行けるだろうか。」とおっしゃったところ、(周囲の貴族たちは)「とても参ることはできません。」とばかり申し上げなさったのに、道長公は、「どこであってもきっと参りましょう。」と申し上げなさったので、そのような(突飛な)ところがおありになる帝であって、「実に面白いことだ。それならば行け。道隆は豊楽院、道兼は仁寿殿の塗籠、道長は大極殿へ行け。」とおっしゃったので、他の殿上人たちは、(道長は)とんでもなく都合の悪いことを申し上げてしまったものだなあと思う。
- 御守りもこはきなめり:断定の助動詞「なり」連体形「なる」が撥音便化して「ん」が無表記(脱落) + 推定の助動詞「めり」終止形。「なるめり ➔ なんめり ➔ なめり」。【テスト最頻出!】
- さうざうし:シク活用形容詞(物足りない、手持ち無沙汰だ)。
- えまからじ:「え + 打消(じ)」で不可能(とても参ることはできない)。「まかる」は謙譲語(退出する、行く)。
- いづくなりともまかりなむ:完了の助動詞「ぬ」未然形「な」 + 意志の助動詞「む」終止形。「きっと参りましょう(確述用法)」。
- 便なきことをも奏してけるかな:「奏す」は天皇・上皇に対する絶対謙譲語(申し上げる)。「余計なことを帝に申し上げてしまったものだ」。
【パート3】道隆と道兼の挫折・醜態
また、承らせ給へる殿ばらは、御気色変はりて、益なしと思したるに、入道殿はつゆさる御気色もなくて、「わたくしの従者をば具し候はじ。この陣の吉上まれ、滝口まれ、一人を『昭慶門まで送れ。』と仰せ言たべ。それより内には一人入り侍らむ。」と申し給へば、「証なきこと。」と仰せらるるに、「げに。」とて、御手箱に置かせ給へる小刀まして、立ち給ひぬ。いま二所も苦む苦む各々おはさうじぬ。「子四つ。」と奏して、かく仰せられ議するほどに、丑にもなりにけむ。「道隆は右衛門の陣より出でよ。道長は承明門より出でよ。」と、それをさへ分かたせ給へば、しかおはしましあへるに、中関白殿、陣まで念じておはしましたるに、宴の松原のほどに、そのものともなき声どもの聞こゆるに、術なくて帰り給ふ。粟田殿は露台の外までわななくわななくおはしたるに、仁寿殿の東面の砌のほどに軒と等しき人のあるやうに見え給ひければ、ものもおぼえで、「身の候はばこそ、仰せ言も承らめ。」とて、各々立ち帰り参り給へれば、御扇をたたきて笑はせ給ふに、
また、(命令を)お受けになった殿たち(道隆・道兼)は、お顔色が変わって、困ったことだとお思いになっているのに、道長公は少しもそのようなご様子もなくて、「私個人の従者を連れて行くつもりはございません。この陣の吉上(警備の役人)であれ、滝口の武士であれ、誰か一人に『昭慶門まで送れ。』というご命令をくださいませ。その門より内側には一人で入りましょう。」と申し上げなさると、「(それでは行ったという)証拠がないことだ。」と(帝が)おっしゃるので、「ごもっともなことです。」と言って、帝のお手箱に置いていらっしゃる小刀をいただいて、お出かけになった。もうお二方(道隆・道兼)もしぶしぶそれぞれお出かけになった。「子四つ(午前0時ごろ)」と奏上して、このようにご命令されたり相談したりするうちに、丑の時(午前2時ごろ)にもなっていただろう。「道隆は右衛門の陣から出よ。道長は承明門から出よ。」と、出口までも別々になさるので、その通りにお出かけになったが、中関白殿(道隆)は、右衛門の陣までは我慢していらっしゃったが、「宴の松原」のあたりで、なんとも正体のわからない不気味な声々が聞こえるので、どうしようもなくなってお戻りになる。粟田殿(道兼)は紫宸殿北の露台の外までぶるぶる震えながらいらっしゃったが、仁寿殿の東側の敷石のあたりで屋根の軒と同じ背丈の人がいるように見えなさったので、無我夢中になって、「命がございますならば、勅命もお受けいたしましょう(命あっての命令です!)」と思って、それぞれ引き返して参上なさったので、(帝は)御扇を打ち叩いてお笑いになるが、
- 具し候はじ:サ変「具す」連用形 + 丁寧の補助動詞「候ふ」未然形 + 打消意志の助動詞「じ」。「連れて行くつもりはありません」。
- 仰せ言たべ:下二段動詞「給ふ(たぶ)」命令形(謙譲・くださいませ)。相手に恵み・恩恵を請う表現。
- 宴の松原(えんのまつばら):内裏の中の荒廃した松原。平安京の怪異・鬼・妖怪の出没地として有名。
- 軒と等しき人:屋根の軒先と同じ背丈の巨大な怪物(物の怪)。道兼が見た幻覚。
- 身の候はばこそ、仰せ言も承らめ:係助詞「こそ」 ➔ 意志・仮定の助動詞「む」已然形「め」で結び。「命があってこそ命令もお受けできるのだ(死んでたまるか!)」。道兼の情けない本音が爆発した超頻出セリフ!
【パート4】道長の帰還と高御座の柱削り

入道殿はいと久しく見えさせ給はぬを、いかがと思し召すほどにぞ、いとさりげなく、ことにもあらずげにて参らせ給へる。「いかにいかに。」と問はせ給へば、いとのどやかに、御刀に、削られたるものを取り具して奉らせ給ふに、「こは何ぞ。」と仰せらるれば、「ただにて帰り参りて侍らむは、証候ふまじきにより、高御座の南面の柱のもとを削りて候ふなり。」とつれなく申し給ふに、いとあさましく思し召さる。こと殿たちの御気色はいかにもなほ直らで、この殿のかくて参り給へるを、帝よりはじめ感じののしられ給へど、うらやましきにや、またいかなるにか、ものも言はでぞ候ひ給ひける。
道長公はたいそう長い間お見えにならないのを、(帝が)どうしたのだろうかとお思いになるちょうどそのときに、まったく何事もなかったかのように平然とした様子でご帰参なさった。「どうだった、どうだったのか。」とお尋ねになると、(道長は)たいそう落ち着いて、小刀に(添えて)、削り取られたもの(木の削り屑)を添えて(帝に)差し上げなさるので、「これは何であるか。」とおっしゃると、「手ぶらで帰って参りますようならば、証拠がございませんでしょうから、大極殿の高御座(天皇の玉座)の南側の柱の根元を削ってまいりましたのです。」と平然と申し上げなさるので、(帝は)たいそう驚きあきれずにはいられない。他の殿たち(道隆・道兼)のお顔色は依然として元に戻らず、この殿(道長)がこのように(無事に)お戻りになったのを、帝をはじめ思わず大声を上げて感嘆なさるが、(兄たちは)うらやましいのか、またどのような思いであるのか、何も言わないでお控えになっていた。
- 削られたるものを取り具して奉らせ給ふ:「奉る(謙譲・帝へ差し上げる)」 + 「給ふ(尊敬・道長を高める)」の最高敬語。「取り具す」は取り添える。
- 証候ふまじきにより:丁寧語「候ふ」 + 打消推量の助動詞「まじ」連体形「まじき」。「証拠がございませんでしょうから」。
- 高御座(たかみくら):大極殿の正殿中央に置かれた天皇即位の儀式を行う至高の玉座。神聖不可侵の場所。
- つれなく申し給ふ:ク活用形容詞「つれなし」連用形(平然としている、素知らぬ顔をしている)。
- いとあさましく思し召さる:シク活用形容詞「あさまし」(驚きあきれる) + 「思し召す(尊敬)」 + 自発の助動詞「る」連用形。「思わずあきれずにはいられない」。
- 感じののしられ給へど:「ののしる」は大声を出す、大騒ぎする。帝が思わず声を上げて感嘆した描写。
【パート5】翌朝の検分と道長の宿命
なほ疑はしく思し召されければ、つとめて、「蔵人して、削り屑をつがはしてみよ。」と仰せ言ありければ、持て行きて、押し付けて見たまひけるに、つゆ違はざりけり。その削り跡は、いとけざやかにてはべめり。末の世にも、見る人はなほあさましきことにぞ申ししかし。
それでもまだ疑わしくお思いにならずにいられなかったので、翌朝、「蔵人(天皇の側近)に命じて、削り屑を(高御座の柱の傷に)当てはめさせてみよ。」とご命令があったので、(蔵人が削り屑を)持って行って、押し当ててご覧になったところ、少しも違わなかったよ。その削り跡は、たいそうはっきりと残っているようです。後の世にも、見る人はやはり驚きあきれることだと申し上げたものでした。
- つとめて:名詞(翌朝、早朝)。古文単語の超頻出!
- つゆ違はざりけり:呼応の副詞「つゆ」 + 打消の助動詞「ず」連用形「ざり」 + 詠嘆・過去の助動詞「けり」終止形。「少しも違わなかった(完璧に一致した)」。
- いとけざやかにてはべめり:ナリ活用形容動詞「けざやかなり」連用形(鮮やかだ、はっきりしている) + 丁寧の補助動詞「はべり」撥音便無表記(はべんめり ➔ はべめり) + 推定の助動詞「めり」終止形。
- あさましきことにぞ申ししかし:係助詞「ぞ」 ➔ 過去の助動詞「き」已然形「しか」で係り結び。「申し+しか+し(終助詞)」。
定期テストで差がつく!文法・敬語・記述の最重要ポイント
定期テストや大学入試で国語の先生が狙ってくる「頻出ポイント」を3つに絞って整理しました。
① 超頻出文法識別:「なめり」の撥音便無表記 & 「まかりなむ」の確述用法
💡 「なめり」のテスト対策公式
「御守りもこはきなめり」
断定の助動詞「なり」連体形「なる」 + 推定の助動詞「めり」
➔ なるめり ➔ なんめり(撥音便) ➔ なめり(撥音便の『ん』が無表記で脱落)
※テストでは「な」と「めり」に区切って品詞分解させられる問題が定番です!
② 敬語の方向完全攻略:「奏す」と「奉らせ給ふ」
『大鏡』は歴史物語であるため、敬語の方向(誰から誰への敬意か)が必ず問われます。
| 傍線部の敬語 | 種類・意味 | 誰から誰への敬意か |
|---|---|---|
| 便なきことをも奏してけるかな | 謙譲語(申し上げる) ※天皇・上皇専用 |
話者(周囲の貴族) ➔ 花山天皇 |
| 削られたるものを…奉らせ給ふ | 二方面の最高敬語 奉る=謙譲 / 給ふ=尊敬 |
・奉る:道長 ➔ 花山天皇 ・給ふ:筆者 ➔ 藤原道長 |
| 「いかにいかに。」と問はせ給へば | 尊敬語(お尋ねになる) | 筆者(地の文) ➔ 花山天皇 |
③ 定期テスト頻出記述:「なぜ道長は柱の根元を削ったのか?」
✍️ 記述問題の模範解答とポイント
【問題】:道長が漆黒の大極殿で、わざわざ高御座の柱の根元を削り取ったのはなぜか。「証拠」という言葉を用いて40字以内で説明せよ。
【模範解答】:
ただ往復しただけでは行った証拠にならないため、最奥の高御座に到達した動かぬ証拠とするため。(45字)
【採点基準】:
・「手ぶらでは行った証拠にならないこと」に言及しているか(必須)
・「高御座の柱を削った破片を持ち帰ることで到達の証明としたこと」に言及しているか(必須)
【実戦演習】定期テスト予想問題カード(横書き+解答アコーディオン)
テスト直前の総仕上げとして、実際の定期テストでよく出る4問にチャレンジしてみましょう!「解答・解説を見る」をタップすると詳しい解説が開きます。
問1【現代語訳】
傍線部「身の候はばこそ、仰せ言も承らめ」を現代語訳せよ。
👉 解答・解説を見る
【模範解答】:
「(生きて自分の)命がございますならば、ご命令もお受けいたしましょう(命があってこその命令です)。」
【たく先生の解説】:
「身=命」「候はば=ありますならば」「こそ〜め=係り結び(強意)」。化け物に遭遇して腰を抜かした道兼が、「命が惜しくて命令どころではない」と逃げ帰る場面の言い訳です。
問2【文法識別】
「影をば踏まで、面をや踏まぬ」の「で」と「や」の文法説明として最も適切なものを答えよ。
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【模範解答】:
・「で」:打消接続の接続助詞(〜ないで)
・「や」:反語の係助詞(〜だろうか、いや〜ない)
【たく先生の解説】:
「未然形+で」で打消を表します。「や(反語)+連体形(踏まぬ)」で「顔を踏まないだろうか、いや絶対に踏んでやる」となり、道長の強烈な対抗心を表します。
問3【理由説明】
長男・道隆と次男・道兼がそれぞれ目的地へ到達できずに引き返した直接の原因(目撃・体験したこと)を簡潔に説明せよ。
👉 解答・解説を見る
【模範解答】:
・道隆:宴の松原のあたりで、正体のわからない不気味な声々が聞こえてきたため。
・道兼:仁寿殿の東面の敷石のあたりで、屋根の軒と同じ背丈の化け物を見たため。
【たく先生の解説】:
道隆の「そのものともなき声ども」、道兼の「軒と等しき人」というキーワードを確実に解答に盛り込みましょう!
問4【主題・文学史】
『大鏡』の作者が、道隆・道兼の失敗と道長の成功を対比して描いた最大の狙い(意図)を答えよ。
👉 解答・解説を見る
【模範解答】:
同じ兄弟であっても道隆や道兼は臆病で凡庸であるのに対し、道長がいかに並外れた胆力と器量を持ち、神仏のご加護を受けて天下人となるべくして生まれた運命の人物(さるべき人)であるかを印象づけるため。
【たく先生の解説】:
『大鏡』の全体のテーマは「道長の栄華の正当化」です。『弓争い』と同様、兄たちを引き立て役(ピエロ)にして道長の英雄性を際立たせる構成になっています。
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まとめと『大鏡』他の名場面へのリンク
『大鏡』の「肝試し(道長の豪胆)」は、単なる怖い怪談話ではなく、「道長がいかにして最高権力者の座を射止める器量を持っていたか」を証明する極めて政治的でドラマチックな名場面です。
📌 本記事の復習チェックポイント
- 若き道長の反骨心:「影をば踏まで、面をや踏まぬ」(反語)
- 五月雨の夜の帝の思いつき:「さうざうし」(物足りない)
- 三兄弟の対比:道隆(宴の松原の声)、道兼(軒と等しき人) ➔ 挫折
- 道長の完璧な証拠:大極殿の高御座の柱の根元を小刀で削り取った
- 超頻出文法:「なめり」(なり+めり 撥音便無表記)
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『大鏡』の成立背景、大宅世継と夏山繁樹による「紀伝体」の構造、そして教科書に載っている4大名場面を一気におさらいしたい方はこちらのまとめ記事をどうぞ!
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