【古文】助動詞る・らるの意味と見分け方!受身尊敬自発可能の識別法

こんにちは。ミチプラス運営者のたく先生です。
高校の古文文法で助動詞の学習を始めるとき、最初に立ちはだかる大きな壁が助動詞「る」と「らる」です。「受身・尊敬・自発・可能の4つも意味があって見分けられない」「どうして『る』と『らる』の2種類があるの?」「完了の助動詞『り』との違いがよく分からない」と頭を抱えてしまった経験はありませんか?
実は、助動詞「る・らる」の4つの意味は、文脈をなんとなく読むのではなく、「直前の動詞の種類」「直下の打消表現」「動作主の有無」「主語の身分」という4つのサインを順番に確認するだけで、誰でも100%確実に秒速で見分けることができます。さらに接続のルールも、「ア段音未然形+る」「それ以外+らる」という原則さえ押さえておけば、定期テストや共通テストの空欄補充で迷うことは一切なくなります。
そこで今回は、現役高校教員の視点から、助動詞「る」「らる」の基本活用表と接続のルール、受身・尊敬・自発・可能の秒速識別手順、完了助動詞「り」との決定的な見分け方、そして定期テスト対策の実戦予想問題まで、わかりやすく徹底解説します!

たく先生!『る・らる』って意味が4つもあるから、テストで傍線が引かれるとどれを選べばいいか分からなくなっちゃうんです…!

みちかさん、大丈夫ですよ!『自発➔可能➔受身➔尊敬』の順番でチェックする判定フローを使えば、誰でも一撃で見分けられます。接続のルールから順番にマスターしていきましょう!
助動詞る・らるの基本活用表と未然形の接続ルール
助動詞「る」と「らる」は、どちらも同じ文法的意味を持ちますが、上にくっつく動詞の活用形によって厳密に使い分けられます。まずは2つの助動詞の基本構造と、下二段型で変化する活用表の仕組みを丁寧に整理していきましょう。
助動詞る・らるの4つの意味と現代語訳の基本

助動詞「る」と「らる」は、古典文法において最も多彩な役割を担う助動詞であり、①受身(〜れる・〜られる)、②尊敬(お〜になる・〜なさる)、③自発(自然と〜される・ふと〜される)、④可能(〜できる)という4つの意味を持っています。
なぜ1つの助動詞にこれほど多様な意味があるのかというと、その根本には「話し手の意図を超えて、事態が自然とそのようになっていく」という共通の感覚があるからです。相手の動作を受けて事態が生じれば「受身」、偉い人の動作が自然に行われれば「尊敬」、感情が内面から自然と湧き上がれば「自発」、能力や状況から自然と実現できれば「可能」となります。この4つの意味の広がりを意識しておくと、機械的な暗記ではなく、古文の表現の豊かなニュアンスを深く味わうことができます。
| 文法的意味 | 現代語訳の基本 | 代表的な例文とニュアンス |
|---|---|---|
| 自発 | 自然と〜される ふと〜思い出される | ・昔の秋なほ偲ばるるかな。(昔の秋が自然と思い慕われる。) ➔ 心情・知覚動詞にくっつき、感情がひとりでに湧く。 |
| 可能 | 〜できる (〜できない) | ・湯水飲まれず。(湯や水を飲むことができない。) ➔ 古文では9割以上が打消・反語を伴い「不可能」を表す。 |
| 受身 | 〜される (他から被害・影響) | ・人に褒めらる。(人に褒められる。) ➔ 文中に「〜に(動作主)」が存在することが多い。 |
| 尊敬 | お〜になる 〜なさる | ・大将殿、車より下りられぬ。(大将殿が車からお降りになった。) ➔ 主語が高貴な人物で、単独で敬意を表す。 |
四段ナ変ラ変の未然形に接続するるのルール
助動詞「る」と「らる」は、どちらも用言の「未然形」に接続しますが、上にくっつく動詞のグループによって厳密に棲み分けがなされています。
短い方の助動詞「る」は、「四段動詞・ナ行変格活用動詞・ラ行変格活用動詞の未然形」に接続します。これらの動詞の未然形に共通する決定的な特徴は、「語尾がすべてア段音(-a)で終わること」です。例えば、四段動詞「書く」の未然形は「書か(ア段)」なので「書か・る」、ナ変動詞「死ぬ」の未然形は「死な(ア段)」なので「死な・る」、ラ変動詞「あり」の未然形は「あら(ア段)」なので「あら・る」となります。
特に定期テストの空欄補充問題では、ラ変動詞「あり・をり・侍り・いまそかり」の未然形(あら・をら・侍ら・いまそから)に「る」を正しく接続できるかが頻出ポイントになります。「ア段音の未然形には短い『る』が自然に吸い付く」という発音のリズムを耳と口で覚えておきましょう。
上一上二下一カ変サ変未然形に付くらるの法則
一方、長い方の助動詞「らる」は、四段・ナ変・ラ変以外のすべての動詞、すなわち「上一段・上二段・下一段・下二段・カ行変格・サ行変格活用動詞の未然形」に接続します。
これらの動詞の未然形は、語尾がイ段音・エ段音・オ段音など「ア段音以外の音」で終わります。例えば、上一段動詞「着る」の未然形は「着(イ段)」なので「着・らる」、上二段動詞「過ぐ」の未然形は「過ぎ(イ段)」なので「過ぎ・らる」、下二段動詞「受く」の未然形は「受け(エ段)」なので「受け・らる」、カ変動詞「来(く)」の未然形は「来(こ・オ段)」なので「来・らる(こらる)」、サ変動詞「す」の未然形は「せ(エ段)」なので「せ・らる」となります。「ア段音以外には『らる』が付く」と整理すれば完璧です。
🗣️ 「四・ナ・ラ(ア段音)なら『る』! それ以外なら『らる』!」
🌸 四段・ナ変・ラ変の未然形(ア段音) ➔ 「る」
(例:書か・る、死な・る、あら・る)
🌸 上一・上二・下一・下二・カ変・サ変の未然形(ア段以外) ➔ 「らる」
(例:見・らる、起き・らる、受け・らる、こ・らる、せ・らる)
下二段型で変化するる・らるの活用表と命令形

助動詞「る」と「らる」の活用形式は、どちらも「下二段型(エ・エ・ウ・ウル・ウレ・エヨ)」で変化します。ラ行下二段動詞「流る(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)」と全く同じリズムで活用します。
活用表を覚える際は、「る」は「れ/れ/る/るる/るれ/れよ」、「らる」は「られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ」とリズムよく声に出して暗記するのが一番の近道です。なお、「る・らる」には命令形(れよ・られよ)が存在しますが、意味の性質上、命令形が使われるのは原則として「受身」の文脈のみ(例:人に笑はれよ ➔ 人に笑われろ)であり、自発・可能・尊敬で命令形が使われることはありません。テストの活用問題では自信を持って「れよ」「られよ」と答えられるようにしておきましょう。
| 基本形 | 活用型 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| る | 下二段型 | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
| らる | 下二段型 | られ | られ | らる | らるる | らるれ | られよ |
助動詞ると完了助動詞りや動詞語尾との識別
定期テストや大学入試の識別問題で最も多くの受験生が引っかかるのが、「助動詞『る』」と「完了・存続の助動詞『り』」の識別、そして「動詞の活用語尾の『る』」との見分け方です。
助動詞「る」と助動詞「り」は、直前の動詞の「段音」を見れば一瞬で見分けられます。助動詞「る」は未然形接続(ア段音+る)であるのに対し、助動詞「り」は已然形・命令形接続(エ段音+り=サ未四已)です。例えば「散ら(ア段)+る」は助動詞「る」であり、「散れ(エ段)+り」は助動詞「り」になります。また、動詞の活用語尾である「る」(例:流る、散る、あり)は自立語の一部ですので、上に助動詞や動詞の語幹が切り離せるかどうかを確認して見分けましょう。
🔹 ア段音 + る ➔ 助動詞「る」(未然形接続:受身・尊敬・自発・可能)
(例:読ま・る、行か・る、散ら・る)
🔹 エ段音 + り ➔ 助動詞「り」(已然形接続:完了・存続 / サ未四已)
(例:読め・り、行け・り、散れ・り)
💡 直前の母音が「ア」か「エ」かを見るだけで、識別問題は100%正解できます!
受身尊敬自発可能の秒速識別法と定期テスト予想問題
ここからは、古文読解やテストで最も差がつく「る・らる」の4つの意味(受身・尊敬・自発・可能)を迷わず見分ける黄金の判定ステップと、実戦形式の定期テスト予想問題演習を徹底解説します。
心情動詞や知覚動詞に付く自発の識別サイン

4つの意味の中で、テストや入試で最も狙われやすく、かつ見分けるのが最も簡単なのが「自発(自然と〜される、ふと〜思い出される)」です。
自発を見分ける決定的なサインは、「直前の動詞が心情動詞(心の中で思う動詞)または知覚動詞(五感で感じる動詞)であること」です。具体的には、「思ふ」「偲ぶ(しのぶ)」「思ひ出づ」「案ず」「泣く」「嘆く」「見ゆ」「聞く」などの動詞の下に「る・らる」がくっついている場合、ほぼ100%自発の意味になります。
平安文学(『枕草子』『源氏物語』『伊勢物語』など)では、自分の意志でコントロールできない感情が胸の奥から自然と込み上げてくる情緒(もののあわれ)を表現するために、この自発の「る・らる」が極めて好んで使われました。現代語訳の際も、単に「思い出す」ではなく「自然と思い出される」「ふと〜思われる」と訳出することが高得点の採点基準となります。
打消や反語を伴い不可能を表す可能の用法
自発の次に確認すべき重要な識別ポイントが「可能(〜できる)」の意味です。現代日本語では「本が読める」「走られる」のように肯定文で可能を頻繁に使いますが、古文における「る・らる」の可能には決定的な文法ルールが存在します。
それは、「直下に打消の語(ず・じ・まじ・なし等)や反語表現を伴って、『〜できない(不可能)』の形で使われることが9割以上である」という点です。平安時代の和文では、単独の肯定文で「〜できる」と表すことは極めて稀であり、「湯水飲ま【れず】(飲むことができない)」「涙止め【られじ】(止めることができないだろう)」のように、必ず下に否定語がセットになります。
また、文頭や上に副詞「え〜(どうしても〜)」が伴い、「え…られず(どうしても…できない)」という呼応の形で登場するパターンもテスト頻出です。「る・らる + 打消・反語」のコンビを見かけた瞬間に、迷わず「可能(不可能)」と判定しましょう。
文中に動作主の助詞にがある受身の構造
自発(心情動詞)でも可能(打消を伴う)でもない場合にチェックするのが、他者からの影響を表す「受身(〜れる、〜られる)」の用法です。
受身を見分ける最大の文法サインは、「文中に『〜に(動作の仕手・行為者・原因)』という格助詞が存在すること」です。例えば「敵【に】討たる(敵に討たれる)」「人【に】褒めらる(人に褒められる)」のように、他者から直接行為を受ける対象が明記されていれば100%受身と判定できます。
さらに古文では、直接的な受身だけでなく、身内や関係者が災難に遭って迷惑を被る「間接受身(迷惑の受身)」も頻出します。例えば「親【に】死な・る(親に死なれる)」「雨【に】降ら・る(雨に降られて困る)」のように、動作主「に」によって不利益を受ける文脈を正確に読み取れるようにしておきましょう。
主語が高貴な人物で単独で使われる尊敬の用法
自発・可能・受身のいずれにも当てはまらない場合に残るのが、「尊敬(お〜になる、〜なさる)」の用法です。
尊敬の「る・らる」を見分ける条件は、「主語が天皇・貴族・高官などの高貴な人物(貴人)であり、かつ直下に『給ふ』などの本動詞・補助動詞を伴わずに単独で敬意を表していること」です。例えば「大将殿、車より下り【られ】ぬ(大将殿が車からお降りになった)」のように、身分の高い人物の動作を優雅に高める表現として使われます。「自発・可能・受身」を順番に消去法でチェックし、最後に主語の身分を確認するのが最もミスのない判定手順です。
1️⃣ STEP 1:直前が心情・知覚動詞(思ふ・偲ぶ・見ゆ等)?
➔ YESなら 【自発】(自然と〜される)
2️⃣ STEP 2:直下に打消(ず・じ・まじ・なし等)や反語がある?
➔ YESなら 【可能】(〜できない)
3️⃣ STEP 3:文中に「〜に(動作主)」がある?
➔ YESなら 【受身】(〜される)
4️⃣ STEP 4:主語が高貴な人物(貴人)?
➔ YESなら 【尊敬】(お〜になる・〜なさる)
助動詞る・らるの定期テスト予想問題と解説

それでは、ここまでに学んだ知識を完全に定着させるために、定期テストや共通テストで頻出の実戦予想問題に挑戦してみましょう!問題に付された「縦書き古文カード」に着目し、直前の動詞の活用形や前後の文脈サインを意識して解き進めてください。下部のボタンをタップすると、模範解答・詳しい思考プロセス・採点基準が完全展開されます。
【実戦予想問題】助動詞「る・らる」の活用・接続・4つの意味識別演習
② 世にある人、これを思ひ出でらる。
② 湯水飲まれず。
③ 大将殿、車より下りられぬ。
② 庭に花散れり。
【模範解答と詳しい解説を見る(タップで開閉)】
・四段・ナ変・ラ変の未然形(ア段音) ➔ 「る」
・それ以外の未然形(上一・上二・下一・下二・カ変・サ変) ➔ 「らる」
① 心情・知覚動詞の上? ➔ 自発
② 下に打消・反語がある? ➔ 可能
③ 「〜に」という動作主がある? ➔ 受身
④ 主語が高貴な人物? ➔ 尊敬
・「ア段音 + る」 ➔ 助動詞「る」(未然形接続)
・「エ段音 + り」 ➔ 助動詞「り」(サ未四已=已然形接続)
助動詞る・らるの活用と識別を攻略する総括

今回は、古典文法の基礎にして最重要助動詞である「る」と「らる」について、意味や活用表、未然形の接続ルール(ア段音未然形+る vs それ以外+らる)、受身・尊敬・自発・可能の4大意味の秒速識別法、そして完了助動詞「り」との見分け方までを徹底解説しました。最後に、学習の総仕上げとして重要ポイントをチェックリストでおさらいしましょう!
✅ 接続の原則:四段・ナ変・ラ変の未然形(ア段音) ➔ 「る」 / それ以外の未然形 ➔ 「らる」!
✅ 活用の型:下二段型(れ/れ/る/るる/るれ/れよ、られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ)!
✅ 自発のサイン:心情動詞(思ふ・偲ぶ・思ひ出づ)や知覚動詞(見ゆ・聞く)の上!
✅ 可能のサイン:直下に打消(ず・じ・まじ・なし)や反語を伴い「〜できない」!
✅ 受身のサイン:文中に「〜に(動作主)」が存在する!
✅ 尊敬のサイン:主語が高貴な人物で単独使用!
✅ 「る」vs「り」の識別:ア段音+る(助動詞る) / エ段音+り(完了助動詞り=サ未四已)!
助動詞「る・らる」は、接続ルールと4つの意味の判定フローさえ頭に入っていれば、定期テストでも大学入試でも確実に満点を狙える最強の得点源です。ぜひ何度も声に出して活用表を復習し、自信を持って古文読解に臨んでくださいね!
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