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大和物語をばすて山の完全攻略ガイド!重要文法の識別と三作品比較を徹底解説

たく先生
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古典の授業で習う『大和物語』の「をばすて山」。定期テストや模試でも非常によく出題される重要な単章ですが、「登場人物の人間関係が複雑でわかりにくい」「助動詞『る・らる』や『つ・ぬ』の識別が難しくて覚えられない」と悩んでいませんか?この記事では、現役国語教師の視点から、読めば必ずテストで高得点が狙える重要ポイントを網羅しました!

みちか
みちか

「をばすて山」って、おばあさんを山に捨てるという悲しいお話ですよね。どうしてそんなことになっちゃったんだろう……?

たく先生
たく先生

そうだね、みちかちゃん。実はこの話、単なる冷酷なストーリーではなく、男と妻、そして育ての親である伯母との間で揺れ動く「人間の心の葛藤」が生々しく描かれているんだ。今回はテスト対策の文法知識はもちろん、他の古典作品との違いも含めて、一からわかりやすく解説していくよ!

記事のポイント
  • 登場人物の複雑な心理関係と、男が伯母を捨てるに至った生々しい家庭内葛藤がわかります。
  • 『大和物語』本文の原文と、著作権に配慮した完全オリジナル現代語訳(全訳)が読めます。
  • 定期テスト頻出の助動詞「る・らる」「つ・ぬ」の識別や「来ぬ」の読み分けがマスターできます。
  • 『大和物語』『今昔物語集』『俊頼髄脳』の三作品における設定や結末の決定的な違いが整理できます。
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大和物語をばすて山のあらすじと原文訳

まずは物語の全体像を掴みましょう。このセクションでは、登場人物たちの相関関係を整理した上で、原文の全文掲載とわかりやすい現代語訳、そして男の心の変化について詳しく追っていきます。登場人物たちのエゴと優しさが交錯するドラマに注目してください。

大和物語をばすて山の登場人物と関係

この物語の登場人物は「男」「をば(伯母・姑)」「妻(嫁)」の3人だけです。しかし、彼らの関係は非常に複雑で、現代でいう「嫁姑問題」と「介護疲れの板挟み」の極限状態を描いています。男は幼い頃に両親を亡くし、この伯母に親代わりとして育てられました。そのため、男にとって伯母は大きな恩義がある存在でした。

しかし、男が結婚して妻を迎えたことで悲劇が始まります。妻の性格は「心憂きこと多く(嫌なところが多く)」、腰が曲がって老い衰えた姑(伯母)をひどく嫌悪していました。妻は夫である男に対して、伯母のありもしない悪口を毎日吹き込み、「あのおばあさんを深い山の中に捨ててきてください」と強く責め立てます。男は育ての親への愛情と, 妻からの執拗な圧力の間で板挟みになり、ついに精神的に追い詰められて伯母を捨てることを決意してしまうのです。

なお、この複雑な登場人物の関係や動作の主体(誰が誰を捨てたのか、誰がセリフを言ったのか)を読み解くためには、古文の「敬語」の知識が非常に重要になります。敬語を手がかりに主語を特定する方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね!

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大和物語をばすて山の原文とオリジナル現代語訳

テスト対策として、まずは原文を正確に読む練習をしましょう。以下に『大和物語』第156段の全文を掲載します。傍線部や特に歴史的仮名遣いで注意すべき読み方(ルビ)についても意識しながら音読してみてください。

原文

信濃(しなの)の国に更級(さらしな)といふ所に、男住みけり。若き時に親は死にければ、をばなむ親のごとくに、若くより添ひてあるに、この妻の心憂きこと多くて、この姑(しゅうと)の老いかがまりてゐたるを常に憎みつつ、男にもこのをばの御心のさがなく悪(あ)しきことを言ひ聞かせければ、昔のごとくにもあらず、おろかなること多く、このをばのためになりゆきけり。このをば、いといたう老いて、二重(ふたへ)にてゐたり。これをなほ、この嫁、ところせがりて、今まで死なぬことと思ひて、よからぬことを言ひつつ、「持ていまして、深き山に捨てたうびてよ。」とのみ責めければ、責められわびて、さしてむと思ひなりぬ。

月のいと明(あか)き夜、「嫗(おうな)ども、いざ給へ。寺に尊きわざすなる、見せ奉らむ。」と言ひければ、限りなく喜びて負(お)はれにけり。高き山の麓に住みければ、その山にはるばると入りて、高き山の峰の下(くだ)り来(く)べくもあらぬに置きて逃げて来(き)ぬ。「やや。」と言へど、いらへもせで、逃げて家に来て思ひをるに、言ひ腹立てける折は、腹立ちてかくしつれど、年ごろ親のごと養ひつつあひ添ひにければ、いとかなしくおぼえけり。この山の上(うへ)より、月もいと限りなく明(あか)く出でたるをながめて、夜一夜(よひとよ)、いも寝(ね)られず、かなしうおぼえければ、かく詠みたりける。
わが心慰めかねつ更級やをばすて山に照る月を見て
と詠みてなむ、また行きて迎へ持て来にける。それより後なむ、をばすて山と言ひける。慰めがたしとは、これがよしになむありける。

次に、原文の意味をしっかり理解するための現代語訳です。学校の教科書や市販の参考書の引き写しではない、直訳と意訳のバランスを考慮した分かりやすい完全オリジナル訳を掲載します。

現代語訳

信濃の国の更級という場所に、ある男が住んでいた。若い頃に両親を亡くしたため、叔母が親代わりとして、彼が若い時からずっと付き添って面倒を見ていたのだが、この男の妻は嫌な性格の持ち主で、このしゅうとめ(叔母)が老いて腰がひどく曲がっているのをいつも憎らしく思っては、夫である男に対しても、この叔母の心が意地悪で腹立たしいと悪口を言い聞かせた。そのため男も, 昔のように叔母を大切にすることもなく、おろそかに扱うようになっていった。叔母はたいそう老い衰えて、腰が二つに折れ曲がったようになって座っていた。このことを、嫁(男の妻)はますますうっとうしく思い、今までよくも死なずにいるものだと思って、悪口を言っては「(叔母を)お連れになって、深い山の中に捨ててきてください」とひたすら責め立てたので, 男は責められて困り果て、その通りに捨ててしまおうと思うようになった。

月がたいそう明るい夜、男が「おばあさん, さあいらっしゃい。寺で尊い法会を行うそうだから、お見せしましょう」と言ったところ、叔母は心から喜んで男の背におぶわれた。高い山の麓に住んでいたので、その山へはるばると奥深く入っていき、高い山の峰で、到底下りてこられそうもない場所に叔母を置き去りにして、男は逃げて帰ってきた。叔母が「もしもし」と呼びかけたが、返事もせずに逃げて家に帰り、じっと考えていると、妻が悪口を言って男を怒らせたときは、腹が立ってこのような冷酷なことをしてしまったけれど、長年実の親のように自分を育て、寄り添ってくれたことを思い出すと、たいそう悲しく思われてならなかった。山の上から月がこの上なく明るく差し出ているのをぼんやりと見つめながら、一晩中眠ることもできず、悲しみがこみ上げてきたので、このように詠んだのだった。
「私の心はとても慰めることができない。更級の、あの姨捨山を明るく照らす月を見ていると(後悔と悲しさで胸がいっぱいになって)」
このように歌を詠まずにはいられず、男は再び山へ行って叔母を迎え、連れ帰ってきたのだった。それから後、あの山を「をばすて山」と呼ぶようになった。「(月を見ても)心が慰められない」と表現するときにこの山を引き合いに出すのは、こうした物語の由来があったからなのである。

(参考・出典:日本遺産「月の都 千曲」公式サイト

男が伯母を捨てて後悔するまでの心の葛藤

この物語で最もドラマチックなのは、男の心理の急激な変化です。男は決して根っからの悪人ではありませんでした。むしろ、幼少期から親代わりに育ててくれた伯母に感謝していたはずです。しかし、日々繰り返される妻の執拗なヒステリーと悪口に精神的に摩耗し、「責められわびて(責められて困り果てて)」、冷静な判断力を失ってしまいました。衝動的な「怒り」に任せて伯母を山奥へ置き去りにしたものの、逃げ帰る途中で徐々に我に返ります。

家に帰り、妻の呪詛のような声から解放されて静寂の中に身を置いたとき、男の心には長年にわたる伯母との「温かい思い出(恩愛)」が蘇ります。「腹立ちてかくしつれど(怒りに任せて捨ててしまったけれど)、年ごろ親のごと養ひつつあひ添ひにければ(長年親のように養い寄り添ってくれたので)、いとかなしくおぼえけり」という一節は、男の罪悪感と後悔が極限に達したことを示しています。この生々しい葛藤があるからこそ、読者は男の苦しみに共感できるのです。

姨捨山の澄んだ月が象徴する男の罪悪感

男が後悔の念に押しつぶされそうになっている時、窓の外には「月もいと限りなく明かく出でたる(月がこの上なく明るく出ている)」光景が広がっていました。古典文学において、月は美しさや情緒の象徴とされることが多いですが、この場面での月は別の極めて重要な役割を果たしています。それは、「男の醜いエゴイズムと罪悪感を容赦なく照らし出す鏡」としての役割です。

澄み渡った美しい月光が、罪のない伯母を暗い山奥に置き去りにして保身を図った自分の「心の汚さ」をまざまざと浮かび上がらせます。あまりの眩しさと美しさに、男はいたたまれなくなり、夜通し一睡もできずに物思いにふけります(「いも寝られず, かなしうおぼえければ」)。月を見ることで男の「良心」が目覚め、その結果、「わが心慰めかねつ(私の心はとても慰められない)」という魂の叫びとも言える歌が詠まれ、最終的に伯母を連れ戻すという行動につながったのです。

大和物語をばすて山の前半内容確認テスト

ここまで学んだ前半部分 of 読解内容を、テスト形式で確認してみましょう!

【問題1】男が育ての親である伯母を山に捨てることを決意した、直接的な理由は何ですか?本文の表現を踏まえて説明しなさい。

解答と解説を見る

【解答】
妻が伯母(しゅうとめ)の腰が曲がっているのを嫌い、夫である男に対して「深い山に捨ててきてください」とひたすら責め立てたため、男が責められて困り果てた(責められわびた)から。

【解説】
男が主体的に捨てようとしたのではなく、妻の「ところせがりて(うっとうしく思って)」というわがまさと、執拗な命令(「捨てたうびてよ」)に屈した「板挟み」の結果であることを記述するのがポイントです。

大和物語をばすて山の重要文法と試験対策

定期テストや共通テストで最も差がつきやすいのが、文法事項の正確な把握です。このセクションでは、「る・らる」の識別や「つ・ぬ」の接続、さらに他作品との比較などを詳細に解説します。ここをマスターすれば、文法問題は完璧です!

助動詞るらるの識別と可能受身の判断

本文中には、助動詞「る・らる」の識別が必要な重要箇所が2つあります。それぞれ文法的意味が異なるため、テストで必ずと言っていいほど狙われます。

助動詞「らる」の2大識別ポイント

①「責められわびて」の「られ」
意味:受身(連用形)
理由:「妻に責め立てられて」という他者(妻)からの働きかけを受けて困っているため、受身と判断します。

②「いも寝られず」の「られ」
意味:可能(未然形)
理由:直下に打消の助動詞「ず」を伴っています。「可能 + 打消 = 不可能(眠ることもできない)」の定番パターンです。自発(自然と眠られない)と解釈する説もありますが、定期テスト等では「可能(不可能)」として出題されることがほとんどです。

また、本文中の「尊きわざすなる」の「なる」は伝聞の助動詞ですが、これと断定・存在の助動詞「なり」の識別もテストの常連問題です。「なり」の完璧な見分け方をマスターしたい方は、こちらの解説記事も必見です!

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助動詞つぬの接続と完了強意のポイント

次に、完了・強意の助動詞である「つ」「ぬ」について整理しましょう。特に「来ぬ」の読み分けは、古文文法全体の最重要事項の一つです。

まず、「さしてむ」の「て」は、完了(強意)の助動詞「つ」の未然形です。直下に推量・意志の助動詞「む」が接続しているため、この「て」は「強意(きっと〜しよう)」の意味になります。「きっとそうしてしまおう(捨ててしまおう)」と訳します。

そして、超重要単語が「逃げて来ぬ」の「ぬ」です。この「来ぬ」の読み方は「きぬ」であり、意味は完了の助動詞「ぬ」の終止形(逃げて帰ってきた)になります。カ変動詞の連用形「来(き)」に接続しているため完了です。もし打消の「ぬ」であれば未然形接続となり「こぬ(帰ってこない)」と読みますが、文脈上、男は帰宅しているので「きぬ(完了)」が正解です。この「きぬ(完了)」と「こぬ(打消)」の識別はテストで頻出なので絶対に覚えましょう!

また、助動詞「ず」「ぬ」全体の活用や他の識別ルールについても復習したい方は、こちらの決定版ガイドもぜひ参考にしてください!

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今昔物語集や俊頼髄脳との違いと比較

「をばすて山」の伝説は、『大和物語』以外にも『今昔物語集』や歌論書『俊頼髄脳(としよりずいのう)』などにも収録されています。これらの違いを比較する問題は、共通テストや探究型の定期試験で好んで出題されます。以下の比較表で決定的な違いを整理しましょう!

比較項目『大和物語』(本記事)『今昔物語集』『俊頼髄脳』
登場人物男・妻・伯母(しゅうとめ)の3人男・妻・伯母の3人養女(姪)・おば(養母)の2人
捨てる動機妻が伯母を憎み、執拗に夫を責めたため妻が嫌がり、男も面倒になって妻に責められたため年老いて世話が面倒(むつかしく)になったため
歌の詠み手捨てた男(夫)が帰宅後に詠む捨てた男が帰宅後に詠む捨てられたおば(老母)が山頂で詠む
結末男が後悔して翌朝連れ戻す男が後悔して翌朝連れ戻す娘がこっそり見に行くと、歌を詠んで泣いていた

『大和物語』と『今昔物語集』は、男の罪悪感とそこからの連れ戻しという「男のドラマ」を描いているのに対し、『俊頼髄脳』は「捨てられたおば」自身が和歌を詠み、それを捨てた娘(姪)がこっそり戻って聞いて涙するという、置き去りにされた側の哀愁にスポットを当てています。この詠み手の違いはテストの記述問題で非常によく問われます。

大和物語をばすて山の後半内容確認テスト

後半で学んだ重要文法と作品比較について、ミニテストに挑戦してみましょう!

【問題2】「逃げて来ぬ」における「来ぬ」の読み仮名と、助動詞「ぬ」の文法的意味・活用形を答えなさい。

解答と解説を見る

【解答】
・読み仮名:きぬ
・文法的意味:完了
・活用形:終止形

【解説】
カ変動詞「来」の連用形「き」に接続しているため、完了の助動詞「ぬ」の終止形と判断します。もし未然形接続の打消「ず」の連体形「ぬ」であれば「こぬ(来ない)」となりますが、男は「家に逃げて帰ってきた」という文脈であるため、完了の「きぬ」が正解です。

大和物語をばすて山の定期テスト予想問題

学校の定期テストで実際によく出される予想問題です。記述問題のポイントを押さえておきましょう。

【予想問題】記述対策3題

問1:「二重にてゐたり」とは誰のどのような様子をたとえたものですか。分かりやすく記述しなさい。
【解答例】男の伯母の、年齢を重ねて腰がひどく曲がっている様子。(24字)
(ポイント:「誰の」「どういう状態か」を明確に書くこと)

問2:「いらへもせで」の主語と、現代語訳を答えなさい。
【解答例】主語:男 / 訳:返事もしないで

問3:「これがよしになむありける」を現代語訳しなさい。
【解答例】これが(この山が「をばすて山」と呼ばれるようになった)由来(いわれ)であったのだ。
(ポイント:「よし」を「いわれ・由来・理由」と訳し、係り結び「なむ〜ける」の強意・結びの過去を正しく表現すること)

大和物語をばすて山の解説ポイントまとめ

今回の記事はいかがでしたか?『大和物語』の「をばすて山」は、古文の文法や語彙を学ぶための格好の題材であると同時に、いつの時代も変わらない「家族のあり方」や「良心とエゴの葛藤」を考えさせてくれる深い魅力を持った作品です。

最後に、定期テスト前に見直すべき最重要ポイントを振り返りましょう。

  • 人間関係:男は育ててくれた伯母への恩義と、妻の執拗な要求の間で板挟みになっていた。
  • 月の役割:姨捨山を照らす明るい月が、男の罪悪感と良心を照らし出し、後悔の歌を詠ませる契機となった。
  • 文法の識別:「寝られず」の「られ」は可能(不可能)、「来ぬ」は「きぬ(完了・終止形)」である。
  • 他古典との比較:『俊頼髄脳』では「捨てられた伯母自身」が歌を詠んでいる点が決定的な違いである。
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たく先生
たく先生
現役高校教師 / 国語科
指導歴20年以上。西日本の私立高校で、古典と「最短ルートで合格する勉強法」を教えています。 教師の枠を超え、FP2級・簿記3級も取得。「賢く学び、賢く生きる」ための知識を、本音で発信します。
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