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古文の接続助詞を完全攻略!意味と覚え方・識別をわかりやすく解説

古文の接続助詞を完全攻略するための解説スライド表紙。たく先生とみちかさんのキャラクターイラスト。
たく先生
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こんにちは。「たく先生」です。

古文を勉強していて、単語の意味はなんとなく辞書で調べればわかるのに、「文全体として結局何が言いたいのかわからない」「気がついたら主語がすり替わっていて、話の展開についていけない」……そんな経験はありませんか?

文全体の意味がわからない、いつの間にか主語が変わっている、話の展開についていけないという古文読解の悩み。

実はその悩み、「接続助詞」の理解を深めるだけで嘘のように解決することが多いんです。

接続助詞は、文と文をつなぐ「関節」や「接着剤」のような役割を持っています。ここをマスターすれば、文の論理展開(「だから」なのか「だけど」なのか)が明確に見えるようになり、読解力が劇的にアップします。逆に言えば、ここを曖昧にしたままだと、いつまでたっても古文は「なんとなくの当てずっぽう」でしか読めません。

この記事では、多くの受験生が苦手とする「古文 接続助詞」について、基礎的な一覧表から、効率的な覚え方、そして試験で差がつく「識別」のポイントまで、徹底的にわかりやすく解説していきます。

記事のポイント
  • 接続助詞の基本的な役割と、読解に不可欠な4つの分類パターン
  • 「ば」「ど・ども」など、ストーリーを左右する主要な助詞の訳し方
  • 主語の切り替わりを瞬時に見抜くテクニック「鬼婆(おにばば)の法則」
  • 最難関である「に・を」の識別手順と、訳出の戦略的優先順位
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苦手な古文の接続助詞を克服する基礎

まずは基礎固めからです。接続助詞は一見地味な存在ですが、文章の「骨組み」を作る非常に重要な品詞です。ここをおろそかにすると、どんなに難しい単語を暗記しても、古文を正確に読むことはできません。

接続助詞の意味と役割の一覧

接続助詞とは、主に用言(動詞・形容詞・形容動詞)や助動詞の後ろにくっついて、前後の文節をつなぐ働きをする言葉です。

最大の特徴は「活用しない(形が変わらない)」こと。助動詞のように複雑に形を変えることがないので、形そのものを覚えてしまえば、文中から見つけ出すのは比較的簡単です。

しかし、厄介なのはその「つなぎ方(論理関係)」です。「前の文」と「後ろの文」がどういう関係でつながっているのか、受験古文では細かく分類されがちですが、実は大きく分けると「順接」「逆接」「単純接続」の3つの「論理ベクトル」ですべて整理できます。

順接(素直に進む)、逆接(話がひっくり返る)、単純接続(ただ横につなぐ)の3つの論理関係を示した図解。

「仮定条件(もし~なら)」も、論理の向きとしては「順接(そのまま進む)」か「逆接(逆になる)」の一部に含まれます。この3つの大枠で捉えることが、読解への近道です。

分類・論理の向き働きと現代語訳含まれる助詞(網羅リスト)
順接(→)
素直につなぐ
原因・理由(~ので、~から)
仮定条件(もし~なら)
恒常条件(~するといつも)
(未然形+ば/已然形+ば)・に・をものから・ものゆゑ(~ので)・て・して
逆接(↵)
逆につなぐ
確定逆接(~けれど、~のに)
仮定逆接(たとえ~ても)
ど・ども・と・ともが・に・をものの・ものを・ものから・ものゆゑ・ながら(~けれど)
単純接続(-)
ただつなぐ
並行・継続(~しながら)
単純な継起(~て、~して)
打消接続(~ないで)
て・してつつ・ながらに・を・が(打消:~ないで)

ここがポイント!

表を見て気づきましたか?「に」「を」は順接・逆接・単純接続の3つすべてに顔を出しています。

さらに、「て・して」は順接と単純接続、「ながら」は逆接と単純接続にまたがっています。これらが「文脈判断」を必要とする古文読解の難所です。特に「に・を」の識別については、後半で詳しく解説しますね。

このように、「仮定」という独立した枠組みを作るよりも、「矢印がそのまま進むのか(順接)、折れ曲がるのか(逆接)、ただ横に並ぶのか(単純)」というイメージを持つことで、長文読解時の頭の使い方がシンプルになりますよ。

接続のルールと活用形の関係

接続助詞の意味は直前の活用形が教えてくれる。「未然形」はまだ起きていないこと、「已然形」はすでに起きていることという解説。

接続助詞の意味を正しく判断するための最大のヒント、それは文脈やフィーリングではなく「直前の言葉が何形か(接続)」という絶対的なルールです。

現代語の感覚では「なんとなく」で通じてしまうこともありますが、古文ではこの接続ルールが全てを決定します。「意味から考える」のではなく、まず「形(接続)を見る」癖をつけることが、脱・初心者への第一歩です。

「こんなにたくさん覚えられない!」と思うかもしれませんが、実は「活用形の名前そのものが持つ意味」とセットで考えると、理屈で理解できるようになりますよ。

【理屈で覚える】接続と活用形の関係

  • 未然形接続:まだ起きていないこと
    ば(仮定)、で(打消)
    解説:「未然」は「いまだ然らず(まだそうなっていない)」という意味です。だから、「もし~ならば(仮定)」や「~しないで(打消)」といった、現実化していない話につながります。
  • 連用形接続:動作が続いていく
    て、して、つつ、ながら
    解説:「連用」は「用言(動詞など)に連なる」形です。動作の状態を保ったまま「~して、そして~」と次の動作へスムーズに流れる助詞が多く集まります。
  • 終止形接続:言い切る強さ
    と、とも
    解説:「と」は「~だ、と言った」のように引用の区切りに使われます。「とも(たとえ~としても)」も、強い仮定の意志を表すため、言い切りの形である終止形と相性が良いのです。
  • 連体形接続:名詞(体言)扱いにする
    を、に、が、ものの、ものを、ものから、ものゆゑ
    解説:「ものの・ものを」などは「もの(形式名詞)」がついているので、直前が連体形になるのは当然ですね。「に・を・が」も格助詞(名詞につく助詞)と同じ形なので、文全体を名詞の塊のように扱って接続します。
  • 已然形接続:すでに起きていること
    ば(確定)、ど、ども
    解説:「已然」は「已に然り(すでにそうなっている)」という意味です。だから、「~ので(原因)」や「~したけれど(逆接)」といった、確定した事実に基づく話につながります。
みちか
みちか

なるほど!「未然」だから「まだ起きていない=もし~なら」、「已然」だから「すでに起きている=~ので」ってことですね。ただの暗記じゃなくて意味がつながりました!

たく先生
たく先生

その通りです、みちかさん。特に「ば」の違いは、この「未然(まだ)」か「已然(すでに)」かの理屈を知っているだけで、二度と間違えなくなりますよ。まずはここから確実に押さえていきましょう。

順接の働きと代表的な助詞

順接は、「前の事柄が原因となって、後ろの事柄が起こる」という、矢印がそのまま真っ直ぐ進む(→)イメージの因果関係を表します。

ここで絶対にマスターしなければならないのが、古文読解の最重要助詞の一つである「ば」です。「ば」は接続する形(未然形か已然形か)によって、話の内容が「空想(仮定)」なのか「現実(事実)」なのかが180度変わってしまうからです。

未然形+ば(もし~ならば)と、已然形+ば(~ので、~ところ)の意味の違いと例文(花咲かば、風吹けば)の解説。

1. 現代語と同じ感覚!「未然形+ば」(順接仮定条件)

まずは馴染みのある方からいきましょう。直前が「未然形」の場合です。

未然形は「未(いま)だ然(しか)らず=まだそうなっていない」という意味でしたね。だから、これに「ば」がつくと「(まだ起きていないけど)もし~ならば」という仮定の話になります。

  • 意味:もし~ならば(仮定)
  • 例:「花咲かば、見に行かむ」
    訳:もし花が咲いたら、見に行こう。
    (※今はまだ咲いていません。「咲か」は未然形です。)

これは現代語の感覚(明日晴れれば、等)と同じなので、直前が未然形であることを確認すれば、迷わず「もし~なら」と訳してOKです。

2. 最大のトラップ「已然形+ば」(順接確定条件)

問題はこちらです。直前が「已然形」の場合、意味が激変します。

已然形は「已(すで)に然(しか)り=もうそうなっている」という意味です。つまり、「もう起きている事実」につくため、「もし」と訳してはいけません。これを確定条件と呼びます。

【重要公式】已然形+ば の3つの訳し分け

文脈に合わせて、以下の3つから最適な訳を選びましょう。

  • ① 原因・理由(~ので、~から)
    最も基本的な用法です。
    例:「風吹け、波立つ」
    訳:風が吹くので、波が立つ。
    (風が吹いたのは事実→だから波が立つ)
  • ② 偶然・時(~すると、~したところ)
    物語文で非常に重要です。「Aしたところ、Bという事態になった」という、きっかけを表します。
    例:「行け、ありけり」
    訳:行ったところ、(そこに)あった。
    (「行ったからあった」という因果関係ではなく、行ったタイミングで発見したというニュアンス)
  • ③ 恒常条件(~するといつも)
    「春になれば花が咲く」のような、いつもの法則を表します。
    例:「春に成れ、花咲く」
    訳:春になるといつも、花が咲く。

試験で「~ば」を見たら、条件反射で「もし」と訳す前に、必ず直前の文字をチェックしてください。

  • 未然形+ば → もし~なら(まだ起きてない!)
  • 已然形+ば → ~ので、~ところ(もう起きてる!)

この見極めができるだけで、古文の世界が一気にクリアになりますよ。

3. 単純な流れを作る「て・して」

「て」「して」も順接の仲間ですが、こちらは「原因・理由」というほど因果関係が強くなく、「~して、そして~」と動作の順番(継起)を表すことが多いです。

例:「文を書き、送る」(手紙を書いて、そして送る)

逆接の助詞は文脈の転換点

逆接は、物語や論説において最も重要な「話の転換点」です。前の内容と対立する内容が来る(↵)ため、ここに「作者の主張」や「物語のオチ」、「登場人物の予期せぬ不満」が隠されていることが多いのです。

逆接も、順接と同じく「事実か、仮定か」で使い分ける必要があります。代表的な「ど・ども」と「と・とも」の違いを明確にしましょう。

已然形に接続する「ど・ども」は逆接確定条件を表す。期待や現実への不満、作者の主張が隠れていることが多いという解説。

1. 事実に抗う「ど・ども」(逆接確定条件)

接続:已然形+ど・ども

「~けれども」「~のに」と訳します。すでに起きている事実(已然)に対して、「やったのにダメだった」「期待していたのに違った」という、現実への不満や対比を表します。

  • 例:「呼べ、来ず」
    訳:呼んだけれども、(実際には)来ない。
    ※「呼んだ」のは事実です。

2. 意志を貫く「と・とも」(逆接仮定条件)

接続:終止形+と・とも

「たとえ~としても」と訳します。まだ起きていないことや仮定の話に対して、「仮にそうなったとしても、私の意志は変わらない」「どんな状況でも関係ない」という強い姿勢を示す際によく使われます。

  • 例:「親許すとも、行かじ」
    訳:たとえ親が許しても、(私は)行くつもりはない。
    ※親が許すかどうかはまだ決まっていませんが、「仮にそうなっても」と言っています。
助詞接続条件の種類現代語訳ニュアンス
ど・ども已然形確定条件
(事実)
~けれど
~のに
「現実」の対比。
実際はこうだった。
と・とも終止形仮定条件
(仮定)
たとえ~ても
~としても
「仮定」への反発。
もしそうなっても関係ない。

注意点:「と」の識別
「と」は、引用の格助詞(~と言う)や、並立の格助詞(AとB)としても使われますが、終止形について文をつなぐ場合は「逆接仮定(たとえ~ても)」になります。
例:「雨降る、行かむ」(たとえ雨が降っても、行こう)

効率的な覚え方と語呂合わせ

ここまで、接続のルールや識別の理屈をお話ししてきましたが、ぶっちゃけた話「理屈はわかったけど、種類が多すぎて覚えられない!」というのが本音ではないでしょうか?

接続助詞や係助詞、全部を丸暗記しようとすると挫折してしまいがちです。そこでおすすめなのが、「リズムで覚える」方法です。

私のYouTubeチャンネルで公開している、誰もが知っている童謡「きらきら星」の替え歌、その名も「きらきら助詞」を紹介します。机に向かってガリガリ書くのではなく、通学中やお風呂の中で聞き流して口ずさむだけで、不思議と頭に入ってきますよ。

🎵 「きらきら助詞」の歌詞リスト
(原曲:きらきら星)

この歌のすごいところは、ただ助詞を並べているだけでなく、「接続の種類」ごとにグループ分けされている点です。歌の順番通りに覚えることで、試験中に「あれ、どっちだっけ?」と迷った時の強力な武器になります。

格助詞より・にて・と・の・が・へ・を・して・から・に
接続(未然形)で・ば
接続(連用形)つつ・ながら・て・して
接続(終止形)と・とも
接続(連体形)を・に・が・ものの・ものを・ものから・ものゆゑ
接続(已然形)ば・ど・ども
副助詞だに・すら・のみ・さへ・し・ばかり・など・まで
係助詞ぞ・なむ・や・か・こそ・は・も
終助詞ばや・なむ・てしか・にしか・もがな・もが・そ・な・は・か・な・かし
間投助詞を・や・よ
たく先生
たく先生

特に青色で示した「接続助詞」のパートは最重要です。「未然形接続は…で・ば!」と反射的に出てくるようになるまで、何度も口ずさんでみてくださいね。

古文の接続助詞で注意すべき識別と訳

ここからは、試験で差がつく応用編です。特に「を・に」や「ば」の識別は、共通テストや大学入試、定期テストでの頻出ポイントです。論理的に解く手順を身につけましょう。

「を・に」の識別と訳し方

「に」「を」は、古文読解におけるラスボスと言っても過言ではありません。なぜなら、順接・逆接・単純接続のすべての意味を持つ上に、接続助詞以外の品詞(格助詞や助動詞)である可能性も非常に高いからです。

ここを曖昧にしたままだと、文法問題で失点するだけでなく、読解そのものが崩壊します。以下の2ステップで攻略していきましょう。

ステップ1:まずは「品詞」を識別する

特に厄介なのが「に」です。「に」には、格助詞、接続助詞、完了の助動詞、断定の助動詞など、多くの顔があります。まずは「直前の形(接続)」を見て、機械的に絞り込みます。

古文の「に」の識別手順フローチャート。直前が連用形なら完了「ぬ」、体言なら断定・格助詞、連体形なら接続助詞と判断する図解。

「に」の識別フローチャート

  1. 直前が「連用形」の場合
    完了の助動詞「ぬ」の連用形(訳:~てしまった)
    ※「~にき」「~にけり」「~にたり」の形で頻出します。
  2. 直前が「体言(名詞)」の場合
    格助詞(訳:~に、~で) または 断定の助動詞「なり」の連用形(訳:~であって)
    ※「~にあり」の形なら断定、「場所・時」を示すなら格助詞です。
  3. 直前が「連体形」の場合
    接続助詞(訳:~ので、~のに) または 格助詞
    ※ここが読解の勝負所です。文がつながっていくなら接続助詞、体言的に「~の時に」と訳せるなら格助詞です。

この「に」の識別については、受験生の多くが躓くポイントなので、さらに詳しい判別法や練習問題を別の記事で徹底解説しています。「に」を極めたい人は、必ず合わせて確認しておいてください。

【古文文法】「に」の識別を完全マスター!

ステップ2:接続助詞なら「訳」を戦略的に決める

品詞が「接続助詞」だと確定したら、次は意味(順接・逆接・単純接続)を決定します。ここには、確率論に基づいた「戦略的な優先順位」があります。

接続助詞「に・を」の訳し方優先順位。1.逆接(~のに)、2.単純接続(~と)、3.順接(~ので)の順で考える戦略。
  1. 最優先:「逆接(~のに・けれども)」で訳してみる
    古文の物語や随筆では、場面転換や筆者の主張(不満・嘆き)において「に・を」が多用されます。「~だ。それなのに…」という展開が非常に多いため、まずは疑ってかかりましょう。
  2. 次点:「単純接続(~と、~ところ)」を試す
    「見ると」「聞くと」のように、知覚動詞の後ろで場面をつなぐ役割です。逆接だと不自然な場合はこちらを当てはめます。
  3. 最後:「順接(~ので)」を考える
    意外かもしれませんが、接続助詞の「に・を」が純粋な原因・理由(順接)で使われる頻度は、逆接に比べるとやや低めです。順接は「ば(已然形)」が担うことが多いからです。

「まずは逆接を疑う」。このセオリーを知っているだけで、読解のスピードと精度がグッと上がりますよ。

「ば」の訳し分けは形で判断

先ほど「順接」の項目で意味の違い(仮定か確定か)を解説しましたが、これを正しく見分けるには、文脈ではなく「直前の接続(活用形)」を見るのが絶対のルールです。

「ア段なら未然、エ段なら已然」と覚えている人も多いですが、実はそれは四段活用だけの話。古文には下二段活用など、未然形が「エ段」になる動詞も存在するため、単純な音だけで判断するのは危険です。

ここでは、ミスのない正確な判別手順を解説します。

1. 基本原則:未然形か、已然形か

どんな動詞であっても、以下の接続ルールは変わりません。まずはこれを頭に入れます。

  • 未然形 + ばもし~ならば(順接仮定条件)
    まだ起きていない(未然)ことなので「仮定」。
  • 已然形 + ば~ので、~ところ(順接確定条件)
    すでに起きている(已然)ことなので「原因・理由」。

2. 四段活用などは「ア段・エ段」で瞬殺

古文の動詞の約7割を占める「四段活用」(およびラ変・ナ変)については、直前の母音を見るだけで判断できます。

四段活用・ラ変・ナ変の場合

  • ア段音 + ば未然形(もし~なら)
    例:「咲かば(saka-ba)」→ もし咲くなら
  • エ段音 + ば已然形(~ので)
    例:「咲けば(sake-ba)」→ 咲くので

3. 要注意!「二段活用」などのトラップ

ここが今回の修正の最重要ポイントです。上二段、下二段、サ変、カ変などの動詞は、未然形がア段になりません。

例えば、下二段活用「食ぶ(たぶ)」を見てみましょう。

  • 未然形:食べ(tabe
  • 已然形:食ぶれ(tabure

この場合、「食べ+ば」となると、エ段音なのに「未然形(もし食べるなら)」という意味になります。四段活用の感覚で「エ段だから確定(食べるので)だ!」と飛びつくと誤読してしまいます。

【実践テクニック】迷った時の判断基準

動詞の種類がいちいち分からない時は、以下の特徴を探してください。

  1. 「~ure-ba(うれば)」なら100%確定条件
    二段活用やサ変・カ変の已然形は、語尾が「~れ」になります。
    例:「食ぶれば」「すれば」「来(く)れば
    → これらはすべて「已然形+ば」なので、「~ので」と訳します。
  2. 「e-ba(えば)」の場合は動詞を確認
    直前が「エ段+ば」の形の場合、以下の2パターンがあります。
    • 四段活用(書く→書け)なら 已然形(~ので)
    • 下二段活用(食ぶ→食べ)なら 未然形(もし~なら)
    ここだけは動詞の活用の種類を見極める必要があります。「ず」をつけて「書かず(ア段→四段)」「食べず(エ段→下二段)」と確認しましょう。
たく先生
たく先生

少しややこしいですが、まとめると「ア段+ば」は仮定、「ウレ+ば」は確定と覚えておくと便利です。一番の曲者は「エ段+ば」。これが出たら「おっ、四段(確定)か?下二段(仮定)か?」と一度ち止まって考える癖をつけましょう!

単純接続かどうかの見分け方

「て」「して」「つつ」「ながら」などは、上の文を下の文へ、流れを止めずにスラスラとつなぐ役割を果たします。これを「単純接続」と呼びます。

「単純につなぐだけなら簡単そう」と思うかもしれませんが、実はここには「主語の連続性」「打消(~ないで)」といった、読解の命綱となる重要なルールが含まれています。

1. 読解の命綱!「主語が変わらない」サイン

単純接続(特に「て・して・つつ・ながら」)の最大のメリットは、「前後の文で主語が変わらない(可能性が極めて高い)」ということです。

古文では主語が頻繁に省略されますが、これらの助詞が出てきたら、主語はそのままキープして読み進めてOKです。これは、「鬼婆の法則(を・に・ば・が=主語が変わる)」と対になる重要なテクニックです。

主語キープの助詞グループと意味

  • て・して(~て、~して)
    動作が順番に起こること(継起)を表します。
    例:「文を書き、送る」(手紙を書いて、[同じ人が]送る)
  • つつ(~し続けて、~ては、~ながら)
    動作の「反復・継続」や「同時並行」を表します。
    例:「竹を取りつつ」(竹を取っては、取り続けて)
  • ながら(~ながら、~ままで)
    動作の並行だけでなく、「状態の持続(~のままで)」も表します。
    例:「櫃(ひつ)に入りながら」(箱に入ったままで)

2. 絶対注意!打消接続の「で」

ここで一つ、形が似ているけれど意味が全く違う「罠」を紹介します。それが「で」です。

「て(肯定)」に濁点がついただけに見えますが、「で」は未然形に接続し、「~ないで(打消接続)」という意味になります。

「て」と「で」の決定的な違い

  • 連用形 + て = ~して(肯定・継起)
  • 未然形 + で~ないで(打消)

例:「君なら誰にか見せむ」
訳:あなたでなくて(=あなた以外に)誰に見せようか。
※これを「あなたであって」と肯定で訳すと、意味が逆転してしまいます!

3. 「ながら」の逆接パターン(形容詞・名詞接続)

もう一つの要注意ポイントが「ながら」です。

通常は動詞について「歩きながら」と訳しますが、形容詞名詞(体言)にくっついている時は、「逆接(~けれども)」の意味に変身します。

接続意味例文と訳
動詞(連用形)単純接続
(~ながら)
「喜びながら
(喜びながら)
形容詞(語幹)
名詞
逆接確定
(~けれど)
「身はいやしながら
(身分は低いけれども
※形容詞「いやし」は語幹の用法のため、終止形ではない
「泥棒ながら
(泥棒ではあるが
たく先生
たく先生

「ながら」は「~のままで(全部)」という意味で使われることもあります(例:一年ながら=一年中ずっと)。でも一番試験に出るのは、やっぱり「逆接のながら」です。「形容詞+ながら」を見たら「~だけど」と訳す準備をしておきましょう!

順接と逆接で迷わないコツ

ここまで様々な接続助詞を見てきましたが、最終的に読解で一番困るのは「で、結局これは誰の動作なの?」と主語を見失ってしまうことではないでしょうか。

最後に、古文読解の最強テクニックである「鬼婆(おにばば)の法則」を伝授します。これは、文脈の切れ目(順接・逆接)を利用して、主語の転換を見抜くための黄金ルールです。

1. 主語が変わる合図「鬼婆(おにばば)」

古文読解テクニック「鬼婆(おにばば)の法則」。を・に・ば+ど・ども・が、が出てきたら主語が変わるサインであるという解説。

以下の接続助詞が出てきたら、「文の主語が変わる合図(信号機)」だと思って警戒してください。

主語が変わる「鬼婆」リスト

を・に・ば(鬼婆) + ど・ども・が・と・とも

  • を・に・ば(~ので、~のに)
  • ど・ども(~けれど)
  • (~が、~けれど)
  • と・とも(~ても)

これらの助詞は、前の文(条件や原因)と後ろの文(結果)を切り離す性質が強いため、そのタイミングで主語がスイッチする確率が非常に高いのです。

2. 具体例で見る「スイッチ」の瞬間

有名な『竹取物語』の一節で確認してみましょう。

「翁、竹を取るに、光りたり」の例文を用いた解説。「に」を境にして主語が翁から竹へ変わることを図解。

「翁、竹を取る、光りたり」

  • 「竹を取る」のは誰ですか? → 「翁(おじいさん)」です。
  • ここで「に(鬼婆リスト)」が登場しました!主語スイッチの合図です。
  • では、「光りたり(光っていた)」のは誰ですか? → 翁ではなく「竹」ですね。

このように、「に」を境にして主語が「翁」から「竹」へと切り替わっています。

逆に、先ほど紹介した「て・して・つつ・ながら(単純接続)」の場合は、主語はそのまま継続します(例:竹を取り、帰る=取ったのも帰ったのも翁)。

「順接かな?逆接かな?」と意味で迷う前に、まずはこの法則を使って「主語が変わるポイントかどうか」をチェックするだけで、ストーリーの読み違えが激減しますよ。

3. 主語識別をもっと極めたい人へ

この「主語の識別」は、古文読解において最も差がつくスキルです。「鬼婆の法則」以外にも、敬語を使った判定法や、文脈からの推測テクニックなど、知っておくべきワザはまだいくつかあります。

「もっと詳しく知りたい!」「動画で実際の解き方を見てみたい」という方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。主語識別の極意を動画付きで徹底解説しています。

【動画あり】古文の主語がわからない人必見!主語識別の法則を完全解説

古文の接続助詞を完全攻略するまとめ

接続助詞攻略のまとめ。1.意味より形を信じる、2.論理の矢印をイメージする、3.鬼婆で主語を見失わない、という3つのポイント。

今回は、古文読解の鍵を握る「接続助詞」について解説しました。最後まで読んでくれてありがとうございます!

接続助詞は、単なる「つなぎ言葉」ではありません。文と文がどうつながっているのか、次はどんな展開になるのかを教えてくれる「文章の方向指示器(カーナビ)」そのものです。

最後に、これだけは持ち帰ってほしい「攻略の3つの極意」を整理しておきましょう。

接続助詞攻略の3つの極意

  • ①「意味」より「形」を信じる
    現代語の感覚(フィーリング)で訳さず、必ず「直前の活用形」を確認して判断する癖をつけましょう。特に「ば」の識別は絶対です。
  • ②「論理の矢印」をイメージする
    話がまっすぐ進む「順接(→)」なのか、話がひっくり返る「逆接(↵)」なのか。この矢印が見えると、長文の内容が頭に入りやすくなります。
  • ③「鬼婆」で主語を見失わない
    「を・に・ば」が出てきたら、主語が切り替わるサイン。「誰が」した動作なのかを常に意識してください。

最初は表を見ながらでも、歌を口ずさみながらでも構いません。焦らずに「形を確認」→「論理を判断」というプロセスを繰り返していけば、霧がかかったようだった古文の景色が、ある日突然クリアに見えてくる瞬間が必ず訪れます。

このページをブックマークして、迷った時はいつでも確認しに戻ってきてくださいね。あなたが古文を得意科目にできる日を、心から応援しています!

古文の勉強、お疲れ様でした!
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関連記事:スタディサプリ古文が神授業と言われる理由|ゼロから始める最適ルートも解説

指導歴20年以上の現役教師が教える

国語の「最短攻略」メソッド

国語学習記事まとめページのアイキャッチ画像。中央の開かれた本から、現代文(論理図、活字)、古文(平安衣装の人物、桜、巻物)、漢文(筆、木簡、陰陽魚)、小論文(原稿用紙、ペン、電球)を象徴する光と要素が飛び出し、一つの道へと統合されている。背景には「【国語の教科書】現代文・古文・漢文・小論文の全てがここにある」「ミチプラス全記事まとめ」というタイトル文字が配置されている。

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これまでのあやふやな読み方を解消して、「論理的に答えを導き出す力」を身につけましょう。古典文法から現代文の読解テクニックまで、点数に直結するノウハウを公開しています。

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たく先生
現役高校教師 / 国語科
指導歴20年以上。西日本の私立高校で、古典と「最短ルートで合格する勉強法」を教えています。 教師の枠を超え、FP2級・簿記3級も取得。「賢く学び、賢く生きる」ための知識を、本音で発信します。
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