ゼロから始める漢文の勉強法!短期間で得意にするコツを徹底解説していきます!

「漢文の勉強法をゼロから知りたいけれど、何から手をつければいいか分からない…」そんな悩みを抱える高校生は多いのではないでしょうか。特に高1で初めて漢文に触れる方や、受験が近づき焦りを感じている方、あるいは学び直しを考えている大人の方にとっても、漢文は難解なイメージがあるかもしれません。
しかし、心配はいりません。この記事では、漢文の学習をいつから始めるべきか、学習の鍵となる句形の覚え方、関連して知っておきたい文語文法の基礎、さらにはおすすめ参考書の選び方から効果的なノートの使い方まで、ゼロから漢文をマスターするための具体的な勉強法を徹底解説します。
定期テストや共通テストで確実に得点するためのポイントも紹介しますので、ぜひ最後まで読んで、漢文を得意科目に変えていきましょう。
- ゼロからでも漢文は難しくなく、短期間で習得可能である理由
- 漢文学習の具体的な手順と最重要ポイントである「句形」の学び方
- 自分に合った学習開始時期やおすすめ参考書の選び方
- 定期テスト・共通テストで点を取るための具体的な対策方法
漢文の勉強法はゼロからでも大丈夫!

- 漢文は意外と難しくない?短期間で得意に
- 高校生必見!漢文はいつから始めるべき?
- 高1から始める漢文基礎固めの重要性
- 漢文学習の鍵「句形」をまず覚えよう
- 句形と合わせて知るべき文語文法の基礎
- おすすめの漢文参考書の選び方と使い方
漢文は意外と難しくない?短期間で得意に

漢文に対して「難解だ」「とっつきにくい」というイメージを持っている方は多いかもしれません。しかし、実際にはポイントを押さえて学習すれば、比較的短期間で得意科目にすることも可能です。
その理由の一つとして、漢文は古文と比較して覚えるべき基礎事項が少ない点が挙げられます。もちろん、句形や重要な漢字など、暗記すべきことはありますが、古文の単語や文法全体を網羅することに比べると、負担は軽いと言えるでしょう。
また、大学入試などで扱われる漢文の文章は、現代文や古文に比べて短い傾向にあります。例えば、共通テストの過去のデータを見ると、漢文の本文文字数は古文よりも大幅に少ないことがわかります。限られた時間の中で読み解く必要がある試験においては、この点は有利に働くでしょう。
共通テスト 年度 | 古文 本文文字数 (目安) | 漢文 本文文字数 (目安) | 備考 |
---|---|---|---|
2024年 | 約1,150字 | 約190字 | 漢文は漢詩・資料含む |
2023年 | 約950字 | 約250字 | 漢文は漢詩含む |
2022年 | 約1,100字 | 約200字 | 漢文は漢詩含む |
2021年 | 約1,000~1,050字 | 約190~240字 | 第1日程・第2日程の平均的な文字数 |
さらに、漢文は漢字で構成されているため、現代日本語の知識から意味を推測できる場合があります。例えば「感謝」という言葉を知っていれば、「謝」という漢字が「礼を言う」といった意味で使われることを類推しやすくなります。もちろん、推測だけに頼るのは危険ですが、読解の助けになる場面は少なくありません。
ただし、注意点もあります。句形(漢文特有の文法ルール)を知らなければ、たとえ漢字の意味が分かっても正確に読み解くことはできません。また、「悪(にくむ)」「去(さる)」のように、現代日本語とは異なる意味や読み方をする重要な漢字も存在します。
このように、いくつかのポイントと注意点はありますが、基本的なルールと頻出事項を効率よく学べば、漢文は決して攻略不可能な科目ではありません。むしろ、学習効果が現れやすく、得点源にしやすい科目だと言えるでしょう。
高校生必見!漢文はいつから始めるべき?

高校生にとって、漢文の勉強をいつから始めるべきかは悩ましい問題かもしれません。結論から言うと、志望校の入試科目や配点を確認した上で、可能な限り早めに基礎に取り掛かるのが理想的です。
漢文は比較的短期間で基礎を固めやすい科目ではありますが、多くの受験生は英語や数学といった主要科目に時間を割くため、どうしても後回しになりがちです。しかし、受験直前になって慌てて始めても、十分に定着しない可能性があります。
具体的な開始時期の目安としては、まず志望校の入試要項を確認することが大前提です。大学によっては、漢文が必須でない場合や、配点が低い場合もあります。
共通テストでのみ漢文が必要な場合は、高校3年生の夏休みが終わる頃までには、読解演習に入れる状態を目指したいところです。
そのためには、句法などの基礎知識は、遅くとも高校3年生の夏休み期間中に固めておく必要があります。
もし時間に余裕があれば、高校1年生や2年生のうちから、授業に合わせて少しずつ句法を覚えておくと、後々の負担が大きく減ります。
国公立大学の二次試験や難関私立大学の個別試験で漢文が必要な場合は、さらに早めの対策が求められます。
共通テスト対策が本格化する前に、個別試験レベルの演習に取り組む必要があるため、高校3年生に進級するタイミングでは、既に句法の学習に着手している状態が望ましいでしょう。
理想を言えば、高校1・2年生のうちに句法をマスターし、高校3年生では応用的な読解演習や記述対策に時間を充てられるように計画できると万全です。
いずれにしても、漢文の学習は基礎(特に句形)をいかに早く、そして確実に身につけるかが鍵となります。早めに取り組むことで、精神的な余裕も生まれ、他の教科の学習にも良い影響を与えるでしょう。
高1から始める漢文基礎固めの重要性

高校1年生から漢文の基礎固めを意識することには、大きなメリットがあります。
まだ受験まで時間があると感じるかもしれませんが、この時期に土台を築いておくことが、後の学習をスムーズに進める上で非常に重要です。
最大のメリットは、漢文が比較的学習内容の少ない科目であるため、早期に基礎を定着させやすい点にあります。
高校1年生の段階で、漢文の基本的なルールである返り点の読み方や、再読文字、基本的な句形などを学校の授業に合わせて着実に習得しておけば、学年が上がってから「ゼロから覚え直し」という事態を避けられます。
これにより、高校2年生、3年生になった際に、英語や数学といった、より学習に時間のかかる科目に多くの時間を配分できるようになります。
受験期には、限られた時間の中で効率的に学習を進める必要があり、早期に漢文を得点源の一つにしておくことは、戦略的に大きなアドバンテージとなります。
さらに、早い段階で漢文の基礎が身につき、模試などで成果が出始めると、学習に対するモチベーションの維持にも繋がります。「漢文はできる」という自信が、他の科目の学習意欲にも良い影響を与える可能性があります。
もちろん、高校1年生の段階では、漢文だけに時間を偏重させるべきではありません。英語や数学などの主要科目の基礎も疎かにせず、バランス良く学習を進めることが大切です。
あくまでも、日々の授業内容を確実に理解し、基本的な句法や漢字を着実に習得していく、という意識を持つことが重要と言えるでしょう。
漢文学習の鍵「句形」をまず覚えよう

漢文をゼロから勉強する上で、避けては通れない、そして最も重要なのが「句形(くけい)」の習得です。
句形とは、漢文における決まった文の構造や言い回しのことで、英語で言うところの文法や構文にあたります。これを理解していなければ、漢文を正確に読み解くことはできません。
なぜ句形がそれほど重要なのでしょうか。それは、漢文の文章の意味を決定づけるルールそのものだからです。
例えば、「A使B」(A、Bをして〜しむ)という「使役」の句形を知っていれば、「AがBに〜させる」という意味だとすぐに理解できます。
しかし、これを知らなければ、単語の意味だけを追っても正確な解釈には至りません。なんとなく読めているつもりでも、実は意味を取り違えているというケースは、句形の知識不足が原因であることが多いのです。
句形を覚える際は、まず基本的なものから確実にマスターしましょう。具体的には、「再読文字(未だ〜ず、将に〜す、等)」「使役」「受身」「否定」「疑問」「反語」などが挙げられます。これらの基本句形を覚えるだけでも、読める文章の幅は大きく広がります。
学習のポイントは、句形のパターンと意味、そして書き下し文での読み方をセットで覚えることです。
参考書に載っている例文を何度も音読したり、書き写したりして、身体で覚えるような感覚で取り組むと効果的です。
代表的な参考書としては『漢文ヤマのヤマ』や『漢文早覚え速答法』などが挙げられますが、これらの参考書を活用し、掲載されている句形を一つずつ着実に習得していくことが、漢文攻略の第一歩となります。
ただ暗記するだけでなく、実際に問題を解きながら、どのように句形が使われているかを確認し、定着させていく作業も欠かせません。
句形と合わせて知るべき文語文法の基礎

漢文の学習を進める上で、「句形」と並んで意識しておきたいのが「文語文法」、つまり古文の文法知識です。
なぜ漢文の勉強に古文の知識が必要なのかというと、漢文を日本語として読みやすくした「書き下し文」が、古文の文法ルールに基づいて構成されているためです。
漢文の読解問題を解く際、私たちは通常、漢文(白文や訓読文)を書き下し文に直したり、書き下し文を読んで意味を考えたりします。
この書き下し文は、現代語とは異なる古語の表現や文法が使われています。したがって、古文の文法、特に助動詞の意味や活用、助詞の働きなどを理解していると、書き下し文の意味をより正確に、そして深く捉えることが可能になります。
例えば、書き下し文によく出てくる助動詞「べし」には推量・意志・可能・当然・命令・適当といった複数の意味があります。文脈からどの意味で使われているかを判断するには、古文の知識が役立ちます。また、「てにをは」などの助詞の微妙なニュアンスの違いを理解することも、正確な読解には不可欠です。
ただし、ここで注意したいのは、漢文のために古典文法の全てを完璧にマスターする必要はないということです。
漢文読解で特に重要となるのは、助動詞と助詞の基本的な知識です。多くの漢文参考書には、必要最低限の古典文法事項が解説されていますので、まずはその範囲をしっかり押さえることを目標にしましょう。
もし古典文法自体に苦手意識がある場合は、無理に専門の参考書に手を出すよりも、使用している漢文の参考書の解説を読み込んだり、学校の先生に質問したりして、漢文読解に必要な部分から理解を深めていくのが効率的です。
句形の学習と並行して、書き下し文を読む際に文語文法を少し意識するだけでも、読解力は着実に向上していくでしょう。
おすすめの漢文参考書の選び方と使い方

漢文の学習を効果的に進めるためには、自分に合った参考書を選び、それを正しく活用することが非常に重要です。ここでは、参考書の選び方のポイントと、効果的な使い方について解説します。
まず、参考書の選び方ですが、現在の自分のレベルと学習目的に合わせて選ぶことが大切です。 漢文を全くのゼロから始める場合は、句形の解説が丁寧で分かりやすく、基本的な例文や練習問題が豊富な入門書を選びましょう。
『漢文ヤマのヤマ』『漢文早覚え速答法』『ステップアップノート10』などが定番として挙げられます。これらの参考書は、漢文の基礎となる句法を体系的に学ぶのに適しています。
『漢文ヤマのヤマ』の紹介
『漢文早覚え速答法』の紹介
『ステップアップノート10』の紹介
句法を一通り学んだ後は、読解演習中心の参考書に進みます。この段階では、解説が詳しく、解答の根拠が明確に示されているものを選ぶと良いでしょう。『マーク式基礎問題集 漢文』や『漢文道場』などが、基礎から標準レベルの読解力を養うのにおすすめです。
共通テスト対策を主目的とするなら、共通テストの形式に特化した問題集や、時間配分などのテクニック解説も含まれているものが役立ちます。『共通テスト漢文満点のコツ』などがこれにあたります。
さらに難関大学を目指す場合は、記述問題対策や、より難易度の高い文章を扱った参考書が必要になります。『得点奪取漢文』などが代表的です。
参考書を選ぶ際は、人気や評判だけで決めるのではなく、必ず書店で実際に手に取り、中身を確認しましょう。解説の分かりやすさ、レイアウトの見やすさ、問題量などが自分に合っているかを見極めることが重要です。
次に、参考書の使い方です。最も大切なのは、「1冊を完璧にする」ことです。複数の参考書に手を出すのではなく、まずは選んだ1冊を徹底的にやり込みましょう。具体的には、最低でも3周は繰り返すことを目標にします。
1周目は、解説を読み込み、例題を解きながら内容を理解することに重点を置きます。
2周目以降は、自力で問題を解き、間違えた箇所や理解が曖昧な部分を徹底的に復習します。解説を熟読し、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるようになるまで理解を深めることが重要です。分からなかった句形や漢字、語句などは、その都度ノートにまとめるなどして、確実に覚えていきましょう。
問題を見た瞬間、要点が浮かんでくるまで繰り返します。
参考書は、ただ問題を解くためだけでなく、知識を整理し、定着させるためのツールです。効果的な使い方を意識して、漢文の実力を着実に伸ばしていきましょう。
漢文の勉強法【ゼロから始める実践編】

- 効果的な漢文ノートの使い方と復習法
- 定期テストで点を取るための漢文対策
- 共通テスト漢文で高得点を狙うには?
- 大人向け:漢文を学び直すメリットは?
- まとめ:正しい手順で漢文をマスター
効果的な漢文ノートの使い方と復習法

漢文の学習において、ノートを効果的に活用することは、知識の整理と定着に非常に役立ちます。ただ授業の板書を書き写すだけでは、その効果は半減してしまいます。ここでは、予習・授業・復習のサイクルでノートを活用し、学習効果を最大限に高める方法をご紹介します。
まず、ノートは見開き2ページを使って構成するのがおすすめです。左ページを予習用、右ページを授業・復習用として使い分けると、情報が整理しやすくなります。縦開きの場合は、上下で分けても良いです。
予習の段階では、左ページに学習する漢文の本文を丁寧に書き写します。この時、漢字だけでなく、返り点や送り仮名も正確に写すことが大切です。
そして、辞書や参考書を使いながら、自力で書き下し文と現代語訳に挑戦してみましょう。完璧にできなくても構いません。分からなかった句法や漢字には印をつけておき、授業で確認するポイントを明確にしておくことが目的です。
授業中は、右ページを活用します。先生の解説を聞きながら、予習で分からなかった箇所の答えや、重要なポイント、注意点などを書き込んでいきます。
この時、ペンの色を使い分けると、後で見返したときに分かりやすくなります。例えば、句法に関する解説は赤、漢字の読みや意味は青、先生が強調したポイントは緑、といった具合に自分なりのルールを決めると良いでしょう。
正しい書き下し文や現代語訳も書き込み、予習で作成したものと比較して、どこが違っていたのかを確認することも重要です。
そして最も大切なのが復習での活用です。授業後にノートを見返し、その日の学習内容を整理します。
特に重要だと感じた句形や漢字、背景知識などは、繰り返し見直して記憶に定着させましょう。書き下し文を音読するのも効果的な復習法です。また、問題演習で間違えた問題があれば、その解説やポイントをノートに書き加えていくことで、自分だけの弱点克服ノートを作成することもできます。
ぜひともやってほしいのがアクティブリコールです。そうして整理したノートの内容がきちんと想起できることが実力の有無を分けます。アクティブリコールについては次の記事が参考になると思います。

このように、ノートを単なる記録用ではなく、予習から復習までの学習プロセス全体で活用することで、漢文の理解度は格段に深まります。ただし、ノートを綺麗に作ること自体が目的にならないよう注意し、あくまで学習のツールとして主体的に活用する意識を持ちましょう。
定期テストで点を取るための漢文対策

高校の定期テストは、出題範囲が限定されているため、しっかりと対策を行えば高得点を狙いやすいテストです。そして、この定期テスト対策こそが、大学受験に向けた漢文の基礎力を着実に固める絶好の機会となります。
定期テストで確実に点を取るためには、以下のポイントを押さえて学習を進めましょう。
まず、テスト範囲の文章全体の意味、つまりストーリー展開をしっかりと把握しておくことが基本です。
登場人物や時代背景なども含めて、どのような話なのかを理解しておきましょう。これにより、細かな知識問題だけでなく、内容理解を問う問題にも対応しやすくなります。
次に、範囲内で扱われている句法は完璧にマスターしておく必要があります。教科書の解説部分や、授業で配布されたプリントなどを活用し、句形の意味、用法、書き下し方、訳し方を例文とともに確実に覚えましょう。
教科書ワークや傍用問題集があれば、それらを使って演習し、定着度を確認することも有効です。
また、漢字の読みや意味も重要な得点源です。特に、教科書の脚注で説明されている語句や、本文中にフリガナが振られている漢字は、読み・意味ともに正確に覚えておく必要があります。これらは基本的な知識として問われやすいポイントです。
書き下し文と現代語訳の練習も欠かせません。テスト範囲の本文が、何も見なくてもスラスラと書き下し、現代語に訳せるようになるまで、繰り返し練習しましょう。声に出して音読することも、記憶の定着とリズム感を掴む上で効果的です。
もしテスト範囲に漢詩が含まれている場合は、詩の種類(五言絶句、七言律詩など)、押韻(どの句末で韻を踏んでいるか)、対句(構造や意味が対応する句)といった形式的なルールも確認しておく必要があります。これらは知識問題として出題される可能性が高いです。
定期テスト対策は、一夜漬けではなく、日々の授業の復習をベースに着実に行うことが最も効果的です。
テスト範囲をしっかりと学習することで、漢文の基礎力が確実に身につき、それが大学受験本番での実力へと繋がっていきます。
共通テスト漢文で高得点を狙うには?

共通テストの漢文は、配点こそ45点ですが、対策次第で安定して高得点を狙える、いわば「得点源」にしやすい分野です。高得点を獲得するためには、基礎知識の徹底と、共通テスト特有の形式・時間制限に対応する実践力が鍵となります。
まず、何よりも重要なのは「句法」の完全マスターです。再読文字、使役、受身、否定、疑問・反語といった基本句形はもちろんのこと、比較、限定、抑揚、詠嘆などの応用的な句形まで、意味・用法・書き下し方を正確に覚えておく必要があります。
共通テストでは、単に句法の知識を問うだけでなく、傍線部の解釈問題などで、句法の知識を使って選択肢を絞り込ませるような設問が多く見られます。句法を「知っている」だけでなく、「使える」レベルまで習熟させることが重要です。
次に、時間内に問題を解き切るための「訓読スピード」の向上が求められます。共通テストの国語は試験時間が90分と短く、現代文や古文に時間を要するため、漢文は15分程度で解答できるのが理想です。
スピードを上げるためには、返り点のルール(レ点、一二点、上下点など)を瞬時に判断できるように習熟すること、句法や重要漢字を見た瞬間に意味が想起できるようにすること、そして文章の背景知識(儒教思想、故事成語など)をある程度持っておくことが有効です。
本文を読む前にリード文や注釈に目を通し、内容を推測する助けにするのも良いでしょう。繰り返し音読する練習も、読むスピードとリズム感を養う上で効果があります。
さらに、「白文対策」も欠かせません。共通テストでは、傍線部が返り点や送り仮名のない「白文」の状態で出題され、その読み方や解釈を問う問題が頻出です。
これに対応するには、句法の知識を頼りに、文脈から適切な読みや構造を判断する力が必要です。例えば、「使役」や「受身」の漢字が含まれていれば、その句形を想定して選択肢を検討できます。文構造(主語・述語・目的語の語順など)の知識も、不自然な選択肢を除外する上で役立ちます。
これらの対策を進める上で最も効果的なのは、過去問や共通テスト形式の問題集を用いた演習です。
時間を計って解き、間違えた問題は解答・解説を熟読して、なぜ間違えたのか、どの知識が不足していたのかを徹底的に分析・復習することが、確実な得点力アップに繋がります。
大人向け:漢文を学び直すメリットは?

学生時代に学んで以来、漢文に触れる機会がなかったという大人の方も多いのではないでしょうか。しかし、大人が改めて漢文を学び直すことには、単なる懐かしさや知的好奇心を満たすだけでなく、現代を生きる私たちにとって多くの実用的なメリットがあります。
最大のメリットは、日本の文化や思想、そして日本語そのものへの理解が深まることです。漢文は、古代中国から伝わり、日本の政治、文化、言語形成に計り知れない影響を与えてきました。
例えば、私たちが日常的に使っている熟語の多くは漢語に由来しますし、『論語』などの古典に記された思想は、日本人の倫理観や価値観の基盤となっています。
漢文を学ぶことで、こうした歴史的背景を知り、自国の文化や言葉の成り立ちをより深く理解することができます。
また、漢文を読むことは、思考力や読解力を鍛える良いトレーニングにもなります。
漢文の多くは、論理的で簡潔な文章構造を持っています。その構造を読み解き、凝縮された言葉の裏にある意味を探るプロセスは、物事の本質を見抜く力や、多角的な視点を養うことに繋がります。
故事成語の背景にあるエピソードを知ることも、人生の教訓や物事の捉え方のヒントを与えてくれるでしょう。
さらに、日本語の表現力を豊かにする効果も期待できます。
漢文由来の語彙や言い回しを知ることで、より的確で深みのある言葉を選べるようになります。手紙やメール、ビジネス文書などを作成する際にも、その知識が役立つ場面があるかもしれません。
もちろん、受験勉強とは異なり、点数を気にする必要はありません。自分の興味関心のある分野、例えば好きな歴史上の人物に関連する文献や、有名な古典作品などから、気軽に読み始めてみるのが良いでしょう。
現代語訳や解説書を併用すれば、よりスムーズに内容を理解できます。最近では、カルチャーセンターやオンライン講座など、大人向けの漢文学習の機会も増えています。
忙しい日常の中で、漢文の世界に触れることは、知的な刺激を得られるだけでなく、心を豊かにする時間にもなるはずです。
まとめ:正しい手順で漢文をマスター

これまで見てきたように、漢文は決して難攻不落の科目ではありません。正しい手順を踏んで学習を進めれば、ゼロからスタートする方でも確実に力をつけ、得意科目にすることが可能です。
改めて、漢文マスターへの道のりをまとめると、以下のステップが基本となります。
- 最重要項目「句形」の徹底暗記: まずは、信頼できる参考書を1冊選び、掲載されている句形を例文とともに繰り返し学習し、意味・用法・書き下し方を完全に覚え込みます。これが漢文読解の土台となります。
- 基本漢字・語句の習得: 句形と並行して、漢文特有の読み方や意味を持つ重要な漢字や語句を覚えていきます。
- 読解演習(基礎): 句形の知識を活用しながら、まずは短い文章や基本的なレベルの問題から読み解く練習を始めます。この段階では、正解することよりも、解答の根拠を一つひとつ確認し、なぜその訳になるのかを理解することが重要です。
- 読解演習(応用・実践): 基礎が固まったら、共通テストの過去問や応用レベルの問題集に取り組み、実践力を養います。時間を意識した演習も取り入れましょう。
- 復習の徹底と知識の整理: 学習中に分からなかった句形、漢字、語句、あるいは文章の背景知識などは、決して放置せず、その都度調べて理解し、ノートにまとめるなどして知識を整理・定着させます。間違えた問題の復習は特に重要です。
漢文の学習で最も陥りやすい失敗は、句形などの基礎固めが不十分なまま、いきなり長文読解や問題演習に進んでしまうことです。焦る気持ちは分かりますが、まずは土台となる句形の理解と暗記を最優先し、着実にステップアップしていくことが、結局は最も効率的な学習法となります。
この記事で紹介した勉強法やポイントを参考に、自分なりの学習計画を立て、継続的に取り組んでみてください。正しい努力を続ければ、漢文は必ずあなたの力強い味方となるはずです。
漢文の勉強法:ゼロからマスターする要点
- 漢文は基礎事項が少なく短期間での習得が可能である
- 大学入試では文章量が比較的短い傾向が見られる
- 漢字知識で推測できる部分もあるが句形の理解は不可欠だ
- 特有の意味や読みを持つ重要漢字が存在する
- 学習開始は志望校の要項を確認し早めに行うのが理想である
- 特に「句形」の早期マスターが学習の鍵となる
- 高1からの基礎固めは後の学習負担を軽減する
- 句形は例文と共にセットで覚えるのが効果的だ
- 基本的な古典文法(文語文法)知識は読解を助ける
- 参考書はレベルや目的に合わせ選び1冊を徹底的に使う
- ノートは予習・授業・復習で活用し学習効果を高める
- 定期テスト対策は範囲内の句法・漢字・本文理解を徹底する
- 共通テストは句法習得に加え速読力と白文対策が重要だ
- 大人の漢文学習は教養や思考力向上に繋がる
- 基礎(句形)から応用(読解・演習)へと段階的に進める
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