コピペでOK!小論文の要約を完全攻略する具体的な方法3選

小論文の課題で、課題文の要約を求められて手が止まってしまった経験はありませんか。筆者の主張が見つけられない、どこを抜き出していいかわからない、など、小論文の要約は多くの受験生や学生が悩むポイントです。
しかし、要約は決して難しいものではありません。実は、いくつかの「型」を知るだけで、驚くほど簡単に、そして的確に文章の骨子を捉えることができるようになります。
この記事では、小論文の要約に特化した、誰でもすぐに実践できる具体的な方法を解説します。
小論文の要約が苦手?基本の型で解決!

なぜ小論文で「要約力」が重要なのか

小論文試験で要約力が問われるのは、単に文章を短くする能力を見たいからではありません。採点者は要約を通して、あなたの「読解力」と「論理的思考力」を評価しています。
課題文のどこが重要で、筆者は何を伝えたいのか。その核心部分を正確に読み解く力が読解力です。そして、その核心を、与えられた文字数の中で矛盾なく、分かりやすく再構成する力が論理的思考力にあたります。
つまり、要約ができるということは、「私はこの文章の内容を正確に理解し、論理的に説明できます」というアピールになるのです。これができれば、その後の設問でも的を射た解答ができるため、評価は大きく向上します。
多くの人が要約でつまずくポイントとは?

要約が苦手だと感じる人には、共通するいくつかのつまずきポイントがあります。

うわー、全部あてはまるかも…。どこが大事か分からなくて、とりあえず線を引いちゃうんだ。

私は、抜き出した部分を繋げると日本語として不自然になってしまうことが多いです。
これらの悩みは、文章を読む際の「地図」を持っていない状態が原因です。これから紹介する「型」は、その地図の役割を果たしてくれます。
コピペで使える!小論文要約の基本3パターン

文章の構造は、いくつかの基本パターンに分類できます。そのパターンに対応した「型」に当てはめることで、誰でも要約の骨格を簡単につくることが可能です。ここでは、特に小論文で頻出する3つの型を紹介します。
型の名称 | 特徴と用途 | 基本テンプレート |
① 問題解決型 | ある問題とその原因を指摘し、解決策を提示する文章に適しています。社会問題や環境問題などを扱った文章で多用されます。 | 【問題・テーマ】は【原因・理由】が原因で【結果・影響】が生じている。解決には【筆者の主張・解決策】が必要だ。 |
② 理由説明型 | あるテーマに対する筆者の意見や主張と、その根拠となる理由をシンプルに説明する文章に適しています。 | 筆者は、【テーマ】について【原因・理由】という観点から【筆者の主張】と考えている。 |
③ 対比型 | 一般論や既存の考え方と、筆者の新しい考え方を比較・対比させることで主張を際立たせる文章に適しています。 | 【テーマ】について、一般的には【一般論・既存の考え】と考えられているが、筆者は【筆者の主張】と述べている。 |

まずはこの3つの型を覚えてください。この表を何度も見て、頭に入れることが上達への近道です。
以下に使いやすいように「型」のパターンを用意しました。
【 】は【 】が原因で【 】生じている。解決には、【 】が必要だ。
筆者は、【 】について【 】という観点から【 】と考えている。
【 】について一般的には【 】と考えられているが、筆者は【 】と述べている。
例文で実践!基本の型に当てはめる手順

それでは、実際に例文を使って「問題解決型」の型に当てはめてみましょう。
【例文】
気候変動は、温室効果ガスの増加による地球温暖化が原因であり、これにより海面上昇や異常気象などの深刻な影響が生じています。この問題に対し、先進国と発展途上国では取り組みに差があるのが現状です。この状況を乗り越えるためには、国際的な協力体制を強化し、個人レベルでも環境意識を高める行動が不可欠です。
この文章を、先ほどの「問題解決型」のテンプレートに当てはめていきます。
- 問題・テーマ:気候変動
- 原因・理由:温室効果ガスによる地球温暖化
- 結果・影響:海面上昇や異常気象
- 筆者の主張・解決策:国際協力と個人の行動
これらを繋ぎ合わせると、以下の要約が完成します。
【要約例】
気候変動は温室効果ガスによる地球温暖化が原因で海面上昇や異常気象の影響が生じている。解決には国際協力と個人の行動が必要だ。

すごい!パズルのピースがはまるみたいに、要約ができた!

これなら、文章のどの部分に注目すれば良いか、迷わずに探せそうですね。
型を使うと文章の要点が自然と見えてくる

なぜ「型」を使うと要点が簡単に見つかるのでしょうか。それは、型に当てはめようと意識することで、文章の中から「問題」「原因」「結果」「主張」といった構成要素を探し出す読み方に変わるからです。
闇雲に文章を読むのではなく、「この文章はどの型だろう?」「この型に当てはまるキーワードはどこだろう?」と考えながら読むことで、自然と文章の構造を分析するようになります。
最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば無意識にできるようになります。まずは騙されたと思って、手元にある文章を型に当てはめる練習をしてみてください。
小論文の要約力を上げる実践的な使い方

型にはまらない文章を要約するコツ

紹介した3つの型は非常に強力ですが、すべての文章が綺麗に当てはまるわけではありません。型にはまらないと感じたときは、無理に当てはめるのではなく、型の要素を応用して考えましょう。
重要なのは、「テーマ」「主張」「根拠」の3つの要素を見つけ出すことです。
この3点を特定できれば、どんな文章でも要約の核を作ることができます。例えば、「筆者は(根拠)を理由に、(テーマ)について(主張)と述べている」のように、自分でテンプレートを組み立てるのです。型はあくまで思考の補助輪であり、最終目標は文章の論理構造を自力で見抜くことにあると心得ましょう。
指定文字数に合わせる文章の肉付けテクニック

基本の型だけでは文字数が足りない場合も多くあります。200字や400字といった指定がある場合は、作成した要約の骨格に「肉付け」をしていく必要があります。
肉付けのポイントは、「主張」や「根拠」の部分をより具体的に補足することです。
【肉付け前の要約】
気候変動は温室効果ガスによる地球温暖化が原因で海面上昇や異常気象の影響が生じている。解決には国際協力と個人の行動が必要だ。(61字)
この骨格に対し、「根拠」や「主張」に具体例を加えて文字数を増やしてみます。
【肉付け後の要約】
気候変動は温室効果ガスによる地球温暖化が原因で、極地の氷の融解による海面上昇や、世界各地での暴風雨や干ばつといった異常気象を招いている。この問題の解決には、先進国からの技術支援といった国家間の協力体制の強化に加え、省エネや公共交通の利用といった私たち個人の行動が求められている。(139字)
このように、骨格を変えずに具体例や補足説明を加えることで、文字数を調整しつつ、より説得力のある要約に仕上げることが可能です。
要約スキルを上達させる効果的な練習方法

要約スキルは、自転車の乗り方と同じで、頭で理解するだけでは上達しません。実際に手を動かして練習することが不可欠です。
おすすめの練習方法は、新聞の社説やコラムを使うことです。

社説は、限られた文字数の中に「問題提起→現状分析→主張・提言」という論理的な構造が凝縮されているため、要約の練習に最適な教材ですよ。
【練習ステップ】
この練習を毎日続けることで、文章の要点を瞬時に見抜く力が飛躍的に向上します。
模範解答と違っても焦らない!本質が重要

練習問題や参考書の模範解答を見て、自分の答えと違うと不安になるかもしれません。しかし、心配は無用です。
要約の答えは一つではありません。使う言葉や表現が違っていても、「誰が」「何を」「どのように主張しているか」という文章の核となる要素が一致していれば、それは立派な正解です。
模範解答はあくまで一つの「解答例」に過ぎません。違う部分があれば、「なぜこの言葉を選んだのだろう?」「この表現の方が分かりやすいかな?」と分析する材料にして、自分の表現力を磨くチャンスだと前向きに捉えましょう。
要約の練習におすすめの参考書・問題集

独学で練習するのが不安な方や、もっと多くの問題に取り組みたい方は、市販の参考書や問題集を活用するのが効率的です。
参考書を選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 解説が詳しいか:なぜその要約になるのか、思考プロセスが丁寧に解説されているものを選びましょう。
- 多様なテーマを扱っているか:医療、環境、情報社会など、様々なジャンルの文章に触れられるものが理想です。
- 自分のレベルに合っているか:基礎的なレベルから段階的に難易度が上がるものが、挫折しにくくおすすめです。

自分に合った参考書を見つけることが大切なのですね。本屋さんで中身をしっかり確認してみます。
スタディサプリの無料体験期間などで短期間で集中して学ぶのもおすすめです。
小論文の要約で押さえるべきポイント総まとめ

- 要約は読解力と論理的思考力を示すためのもの
- 採点者は要約を通して受験生の基礎学力を見ている
- 要約が苦手な人は文章のどこが重要か見抜けていない
- 解決策として思考の「型」を活用する
- 基本の型は「問題解決型」「理由説明型」「対比型」の3つ
- 「型」を意識すると文章の構造分析が容易になる
- 例文を使って型に当てはめる練習を繰り返す
- すべての文章が型にはまるわけではない
- 型にはまらない場合は「テーマ」「主張」「根拠」を見つける
- 文字数が足りない場合は骨格に具体例を肉付けする
- 新聞の社説やコラムは要約練習に最適な教材
- 練習では書くだけでなく解答の分析まで行う
- 模範解答と表現が違っても本質が合っていれば問題ない
- 参考書は解説の詳しさやテーマの多様性で選ぶ
- 最終的には自分の言葉で文章を再構成する力を目指す
