総合型選抜と学校推薦型選抜は併願できる?両方受ける合格戦略

こんにちは。国語教師のたく先生です。
「年内に進路を決めたいけれど、総合型選抜と学校推薦型選抜(公募制・指定校制)の両方を受けることはできるの?」「同じ第一志望大学で両方の方式に出願して、合格のチャンスを2倍に増やしたい」「もし総合型で落ちたとき、学校推薦型へ再チャレンジできるのか知りたい」と、推薦入試の併願戦略について頭を悩ませていませんか。大学受験の選抜方式が多様化した現代において、合格の可能性を少しでも広げたいと考えるのは受験生として極めて賢明な判断です。
結論から申し上げますと、総合型選抜と学校推薦型選抜を両方受ける(併願する)ことは制度上十分に可能です。実際に毎年多くの高校生が、秋の総合型選抜と晩秋の学校推薦型選抜を巧みに組み合わせて第一志望校や併願校の合格を勝ち取っています。
しかし、高校現場で長年にわたり生徒たちの進路指導や推薦出願に携わってきた教員の立場から強く警告しておきたいことがあります。それは、「専願(単願)と併願のルールを1つでも見落とすと、合格取り消しや高校全体の推薦枠剥奪という重大なトラブルに発展する」という厳格な現実です。さらに、志望理由書や小論文、面接の準備に追われるあまり、一般選抜の学力試験対策が手遅れになって共倒れする「推薦全落ちの悲劇」も後を絶ちません。
この記事では、総合型選抜と学校推薦型選抜を両方受ける際の法的な基本ルールから、国公立・私立別の併願可否パターン、同じ大学・同じ学部での再受験の可否、出願スケジュールの重なりと資金計画、そして一般入試対策と両立させて確実に合格を掴み取るための「実戦的併願戦略」を、現役教員の視点から徹底解説します。あなたの受験チャンスを最大化するために、ぜひ最後までご覧ください。

たく先生、どうしても行きたい第一志望の大学があるんです! 9月の総合型選抜を受けて、もしダメだったら11月の公募制学校推薦型選抜でも同じ大学を受けたいと思っているんですけど、そういう両方受けるやり方って本当にできるんでしょうか……?

みちかさん、第一志望への強い熱意は素晴らしいね! 結論から言うと、大学の募集要項で『他方式との併願不可』や『専願制』と指定されていなければ、総合型と学校推薦型の両方を受けることは可能だよ。ただし、大学によってルールが全く異なるし、出願準備の負担が跳ね上がるから、正しい戦略とスケジュール管理が絶対に欠かせないんだよ!
総合型選抜と学校推薦型選抜の併願ルール
大学入試改革に伴い、従来の「AO入試」は「総合型選抜」へ、「推薦入試」は「学校推薦型選抜」へと名称と評価基準が刷新されました。両方式を併願して合格可能性を高めるためには、まずそれぞれの選考趣旨と、文部科学省のガイドラインに基づいた厳格な出願ルールを正しく理解しておく必要があります。
総合型と学校推薦型の選考方式の違い

総合型選抜と学校推薦型選抜は、どちらもペーパーテスト一発勝負の一般選抜とは異なり、高校時代の活動実績や人物面、意欲を多角的に評価する入試方式です。しかし、「誰が推薦し、何を最重要視して合否を決めるのか」という根本的なコンセプトにおいて明確な違いがあります。
総合型選抜は、受験生自身が大学のアドミッション・ポリシー(求める学生像)への適性をアピールする「自己推薦型」の入試です。評定平均の基準が設けられていない大学も多く、探究活動、資格・検定、課外活動の実績や、入学後の明確な研究意欲が強く問われます。
これに対して学校推薦型選抜は、出身高校の校長からの推薦書を必要とする選抜です。高校3年間の学業成績(全体の評定平均値)が厳格な出願要件となることが多く、高校生活を真面目に過ごしてきた信頼性が評価の土台となります。詳しい選考趣旨の比較については、別記事『総合型選抜と公募推薦の違いを徹底比較!現役教員が教える合格の選び方』でも詳しく解説しています。
| 項目 | 総合型選抜(旧AO入試) | 学校推薦型選抜(公募制・指定校制) |
|---|---|---|
| 推薦主体 | 自己推薦(本人の意志) | 学校長推薦(高校の推薦書が必要) |
| 出願時期 | 9月上旬〜(早い大学は夏休み) | 11月1日以降(全国統一ルール) |
| 合格発表 | 11月1日以降 | 12月上旬以降 |
| 学力・評定基準 | 不問または比較的緩やかな設定が多い | 全体の評定平均(3.5〜4.0以上等)が必須 |
| 主な選考方法 | 志望理由書、小論文、プレゼン、口頭試問 | 調査書、推薦書、小論文、基礎学力検査、面接 |
専願と併願の条件を見極める基準
両方式を組み合わせる上で、最も警戒しなければならないのが「専願(単願)」と「併願可」の条件区分です。ここを誤認して出願すると、二重出願の違反となり合格を取り消される危険があります。
- 専願(単願制):合格した場合は、他大学の受験を辞退し、必ずその大学に入学することを確約して出願する方式。指定校推薦は100%専願であり、総合型選抜でも私立中堅〜難関大の多くが専願を採用しています。
- 併願可(併願制):合格した場合でも、他大学の合否結果を待ってから入学手続きができる方式。公募制推薦(併願可)や、一部の私立大学が実施する併願可能な総合型選抜がこれに該当します。
大原則として、「専願の入試で合格が出た時点で、その後の他の受験はすべてストップ(辞退)しなければならない」という鉄則があります。例えば、9月の総合型選抜(専願)で合格した場合、11月に予定していた公募推薦や共通テスト、一般選抜に出願・受験することは絶対に許されません。
併願を成立させるためには、「第1志望校のみ専願にし、他は併願可を選ぶ」か、「すべて併願可能な入試方式で揃える」という組み立てが必須になります。
同じ大学や学部の両方受験は可能か

多くの受験生が最も知りたい「同じ第一志望大学で、総合型選抜と学校推薦型選抜の両方を受けられるか?」という疑問について解説します。結論を言えば、私立大学を中心に、多くの大学で同一大学・同一学部の両方受験が可能です。
特に一般的なのが、「9月の総合型選抜にチャレンジし、万が一不合格だった場合に、11月の公募推薦で同じ学部に再出願する」という再チャレンジパターンです。選考時期が2ヶ月ほどズレているため、スケジュール上の重複がなく、大学側も「総合型で不合格になった者の学校推薦型選抜への再出願を妨げない」と募集要項に明記しているケースが多数派です。
ただし、以下の2つの例外には十分注意してください。
- 募集要項に「併願不可」の明記がある大学:一部の大学・学部では「本学の総合型選抜出願者は、同一年度の学校推薦型選抜への出願を認めない」と規定している場合があります。
- 総合型選抜が第2次選考(12月)まで及ぶ場合:総合型の最終合否発表が12月以降になる場合、11月初旬の学校推薦型選抜の出願締切日時点で合否が確定していないため、出願が物理的に間に合わないケースがあります。
国公立大学で併願する際の重要ルール
国公立大学を目指している受験生は、私立大学よりもはるかに厳しい制約が課されることを覚悟しなければなりません。文部科学省の定める大学入学者選抜要項(参照:文部科学省:大学入学者選抜)により、国公立大学の総合型選抜および学校推薦型選抜は、原則として「専願(合格した場合は必ず入学)」と定められているからです。
国公立大学における具体的な併願ルールは次の通りです:
- ① 国公立同士の推薦併願は原則不可:ある国立大学の総合型選抜(専願)に出願している期間中は、別の国公立大学の学校推薦型選抜に出願することはできません。国公立の総合型・推薦型に出願できるのは「1人1校(1学部)」が基本原則です。
- ② 総合型で不合格が確定した後の出願は可能:国公立の総合型選抜(共通テストを課さない方式)で11月初旬までに「不合格」が確定した場合、その後に募集が行われる国公立の学校推薦型選抜や共通テストを課す総合型選抜へ出願できる場合があります(高校の推薦枠が得られることが前提)。
- ③ 私立大学(併願可)との併願は自由:国公立大学の総合型・学校推薦型を本命(専願)としつつ、万が一に備えて私立大学の併願可能な総合型・公募推薦を受験しておくことは完全に認められています。
私立大学で併願枠を活用する戦略
私立大学においては、近年「併願可能な総合型選抜」や「他大学との併願を認める公募制推薦」を実施する大学が大幅に増加しています。これらを活用すれば、「年内に確実な合格枠(セーフティネット)を1〜2校確保した上で、共通テストや一般選抜で難関大学にチャレンジする」という極めて有利な戦い方が可能になります。
特に関西圏(産近甲龍など)では公募制推薦(併願可)が極めて盛んであり、関東圏でも多くの大学が併願制の総合型選抜を設けています。ただし、私立大学の併願枠を活用する際は、「入学金納入(第一次入学手続き)の締切日」に最大の注意を払ってください。
合格発表から1〜2週間以内に入学金(約20万〜30万円)の納入を求められる大学が多く、本命校の合否が出る前に入学金を納めなければ権利が失効してしまいます。「延納制度(一般選抜の合格発表まで納入を待ってくれる制度)」がある大学を選ぶか、あらかじめ滑り止め確保のための入学金予算をご家庭で相談しておくことが不可欠です。
総合型選抜と学校推薦型選抜を併願する戦略
制度上併願できることが分かったとしても、ただ闇雲に出願数を増やせば合格できるわけではありません。むしろ推薦入試の併願は、綿密なスケジュール管理と書類作成の戦略がなければ、多忙を極めて自滅するリスクが高まります。ここからは、現役教員が推奨する「合格率を極限まで高める実戦戦略」を伝授します。
合格率を高める出願スケジュールの組み方

推薦併願を成功させる鍵は、「出願書類の提出日・試験日・合格発表日のタイムラインの重なり」を可視化することです。9月から12月にかけてのスケジュールは想像以上に過密です。
- 7月〜8月(夏休み):総合型選抜の志望理由書執筆、活動実績の整理、オープンキャンパス参加
- 9月上旬〜中旬:総合型選抜の出願開始。高校の調査書発行依頼が集中する時期
- 10月中旬〜下旬:総合型選抜の一次・二次試験(面接・小論文・プレゼン)
- 11月1日〜:学校推薦型選抜(公募・指定校)の出願開始。総合型の合格発表(11月1日以降)
- 11月中旬〜下旬:学校推薦型選抜の試験本番。公募推薦の筆記テスト・面接
- 12月上旬〜中旬:学校推薦型選抜の合格発表&入学手続き締切。一般選抜出願の最終決定
試験日が同じ週末に重複していないか、総合型の不合格通知を受け取ってから学校推薦型の出願締切までに高校から推薦書をもらう猶予があるかを逆算してカレンダーに書き出しましょう。
志望理由書と面接の書き分けポイント

複数の大学や方式を併願する受験生が最も陥りやすい失敗が、「1つの志望理由書を大学名だけ変えてコピペで使い回すこと」です。大学の教授陣は長年何百通もの書類を読んできたプロフェッショナルですから、中身の薄い使い回し書類は一瞬で見抜かれて低評価を下されます。
総合型選抜と学校推薦型選抜では、面接官がチェックしている「評価のツボ」が異なります。
- 総合型選抜の書類・面接:「なぜ他大学ではなく、本学のこのカリキュラムでなければならないのか?」という独自の研究テーマと熱意の深さを徹底的にアピールします。大学のアドミッション・ポリシーの文言を引用しつつ、自分が大学にどう貢献できるかを語ります。
- 学校推薦型選抜の書類・面接:高校3年間の真面目な学習姿勢、協調性、基本学力など「高校生としての信頼性の高さ」が重視されます。志望動機に加えて、高校生活で培った継続力や基礎学力を大学での学びにどう活かすかを論理的に伝えます。
説得力のある書類作成と面接応答のテクニックについては、別記事『小論文の書き方完全攻略!採点官に刺さる構成テンプレートと減点防止策』や、『大学入試面接で絶対に聞かれる頻出質問と受かる回答法!実例付き解説』を必ずマスターしておいてください。
何校まで併願可能か出願数の黄金比
「チャンスを増やすために、併願できる総合型や公募推薦を4校も5校も出願したい」と相談してくる生徒がいますが、教員としては絶対に止めます。推薦入試における出願校数の黄金比は、「最大でも2校〜3校まで」です。
推薦入試の出願書類は、1校あたり2,000〜4,000字近くの志望理由書や活動報告書、自己推薦書の作成を求められます。さらに大学ごとに異なる小論文の過去問演習や模擬面接も必要です。4校も併願してしまうと、秋の貴重な学習時間がすべて書類作成と面接練習だけで消滅し、1校あたりの完成度も極めて浅くなってしまいます。
- チャレンジ校(第一志望・1校):9月総合型選抜(憧れの難関大・本命学部へ全力投球)
- 実力相応校・セーフティ校(1〜2校):11月公募制推薦(併願可)(過去問の基礎学力テストで手堅く合格枠を確保)
- 合計:最大2〜3校に絞る:これ以上の出願は一般選抜の学力維持を不可能にするため厳禁
一般選抜対策との両立で失敗しない秘訣

推薦併願を考える受験生にとって、最大の命運を分けるのが「一般選抜対策との両立」です。推薦入試の倍率は近年非常に高騰しており、人気私立大の総合型や公募推薦では倍率が3倍〜5倍以上に達することも珍しくありません。つまり、「どれだけ完璧に準備しても、2人に1人〜3人に2人は落ちる」のが推薦入試のリアルな数字です。
最悪のシナリオは、秋の時期に推薦対策に100%の時間と体力を奪われ、12月に不合格通知を受け取ったときに、一般選抜向けの学力が完全にストップしていて手遅れになるパターンです。毎年この「推薦燃え尽き症候群」で一般入試でも全落ちしてしまう受験生が高校現場で後を絶ちません。
この悲劇を絶対に回避するための合言葉が、教員が生徒に徹底指導している「7対3の法則」です。平日の勉強時間が5時間あるなら、3.5時間(70%)は英語・数学・国語などの一般入試の基礎学力演習に充て、推薦の書類や小論文対策は1.5時間(30%)以内に厳格に制限してください。「受かったらラッキー、本番はあくまで一般入試」という強固な保険(学力)を持った生徒ほど、推薦面接でもリラックスして本来の魅力を発揮できるのです。
現役教員が教える推薦併願の合格心得
最後に、高校の担任教員や進路指導部と円滑に連携するための実務的な心得をお伝えします。推薦入試の主役は生徒本人ですが、出願書類(調査書や学校長推薦書)を作成して大学へ正式に提出するのは高校の先生方です。
- ① 出願予定校は夏休み前(7月上旬)までに担任へ相談する:9月出願の直前に「来週までに推薦書を3通書いてください」と頼むのは絶対にNGです。先生方も夏期講習や部活動で多忙を極めるため、最低でも1ヶ月以上の余裕を持って正式に依頼しましょう。
- ② 高校内の推薦枠・校内選考のルールを最優先する:公募推薦であっても、1高校からの出願人数に制限を設けている大学があります。指定校推薦と公募推薦の校内優先順位など、高校独自の推薦規定を必ず確認してください。生徒会活動や課外活動が推薦入試に及ぼす影響については、別記事『推薦入試で生徒会長は本当に有利?現役教師が合否の真実を暴露』も参考になります。
- ③ 万が一不合格でも落ち込まないメンタルを整える:もし総合型選抜で不合格になっても、「一般選抜の前に本番の緊張感を体験できた貴重な予行演習」と前向きに捉えましょう。不合格を引きずらず翌日からすぐ机に向かえるタフな精神力こそが、最終的な合格を引き寄せます。
なお、「もし推薦も一般も失敗したらどうしよう」と不安に押しつぶされそうなときは、別記事『「大学受験に失敗したら人生終了」←そんなことは絶対にないと言い切れる理由』も読んでみてください。視野を広げることで、過度な緊張から解放されます。
まとめ:総合型選抜と学校推薦型選抜の併願
今回は、大学受験における「総合型選抜と学校推薦型選抜の併願ルール」と、両方受けて合格率を最大化するための実戦戦略を徹底解説しました。
最後に、成功を勝ち取るための最重要ポイントを振り返りましょう。
- 専願・併願の要件確認:専願合格時は他を辞退する義務があるため、併願可能な方式を正しく選定する。
- 同じ大学の両方受験:私立大学を中心に再チャレンジ可能。募集要項の併願禁止規定を必ず確認。
- 国公立は原則1校:国公立推薦は原則専願。私立併願枠との賢い組み合わせを構築する。
- 出願校数は最大2〜3校:多すぎる併願は書類の質を落とし共倒れを招くため、本命+抑えに絞り込む。
- 勉強時間は7:3を死守:7割の時間を一般選抜対策に注ぎ、「推薦全落ち」のリスクを完全回避する。

たく先生、ありがとうございます! 総合型選抜と学校推薦型選抜を併願するときのルールや、専願・併願の落とし穴がすごくクリアになりました。推薦だけに頼らず、一般選抜の勉強も7割しっかり続けながら、本命の大学に堂々とチャレンジしてきます!

その姿勢こそが合格への最短ルートだよ、みちかさん! 推薦入試はチャンスを増やす手段の1つに過ぎない。地に足をつけた学力という絶対の自信を持って挑めば、面接でも最高の笑顔で自分をアピールできるはずだよ。応援しています!






