記憶術場所法のやり方|勉強や暗記が驚くほど楽になる方法

こんにちは。「たく先生」です。
「テスト前なのに、どうしても英単語や歴史の年号が覚えられない」「暗記しようにも、すぐに忘れてしまって勉強が辛い」と悩んでいませんか?脳の仕組みをうまく使えていないだけの可能性が高く、あなたの記憶力が悪いわけでは決してありません。実は、古くから伝わる強力な暗記メソッドを使えば、この悩みは劇的に解決できます。
この記事では、世界最強の暗記法とも呼ばれる「記憶術の場所法」について解説します。科学的にも効果が証明されているこのテクニックを身につければ、もうテスト前の暗記で苦労することはなくなるはずです。日常生活や学校ですぐに実践できるやり方まで詳しくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事で理解できること
- 脳の空間認識を利用した場所法の圧倒的な暗記効果
- 初心者でも簡単にできる記憶の宮殿の作り方
- 高校生が学校の教室や通学路を使って暗記する実践例
- 難しい英単語や大量のテスト範囲を効率よく覚えるコツ
記憶術の場所法とは?基本と効果解説
記憶術の「場所法」とは、自分がよく知っている場所の風景と、新しく覚えたい情報をくっつけて頭の中に保存するテクニックです。「記憶の宮殿」や「マインドパレス」といったかっこいい呼ばれ方をすることもあります。なぜこの方法がそれほどまでに効果的なのか、その背景から見ていきましょう。
空間認識を利用する場所法の深い歴史

場所法の起源は非常に古く、紀元前5世紀ごろの古代ギリシャにまで遡ります。当時、シモニデスという詩人が宴会に招かれていた際、彼が建物の外に出た直後に大地震で屋根が崩落するという痛ましい事故が起きました。無残な状況の中で、シモニデスだけが「誰がどの席に座っていたか」という場所の記憶を頼りに、全員の身元を特定することができたのです。
この出来事をきっかけに、「言葉そのものよりも、場所と結びついた映像のほうが圧倒的に記憶に残りやすい」という法則が発見されました。以来、何千年もの間、演説家や学者たちが膨大な知識を暗記するための最強のツールとしてこの場所法を受け継いできたのです。現代の「メモリースポーツ(記憶力競技)」の世界チャンピオンたちも、ほぼ全員がこの場所法を駆使して信じられない量の情報を記憶しています。
脳科学が証明する優れた暗記メカニズム

場所法が優れているのは、決して魔法やオカルトではなく、人間の脳の仕組みに完全に合致しているからです。人間は進化の過程で「獲物がどこにいるか」「危険な場所はどこか」といった空間の情報を生き残るために最優先で記憶するようプログラミングされています。一方で、教科書の文字情報のような抽象的なデータは、脳にとって覚えるのが苦手な分野なのです。
場所法は、この「空間を覚える脳の得意技」に便乗するシステムです。実際、2014年のノーベル生理学・医学賞は、脳内で場所や空間を認識する「場所細胞」などを発見した研究者たちに贈られました。この脳内のGPSとも呼ばれる空間記憶のメカニズムは非常に強力です。

1週間前の夕食のメニューは思い出せないのに、小学生のときの通学路の風景は今でもクッキリと思い出せるのは、そういう脳の仕組みだったんですね!

その通りです。だからこそ、覚えにくい英単語なんかを、その「絶対に忘れない場所の記憶」に無理やりくっつけてしまおう、というのが場所法の賢いところなんです。
オランダの研究機関の実験でも、場所法のトレーニングを行ったグループは、そうでないグループに比べて記憶できる単語数が2倍以上に跳ね上がり、その効果が長期間持続したことが実証されています。つまり、短期的な一夜漬けではなく、受験本番まで消えない「一生モノの長期記憶」を作るのに最適な学習法と言えます。
初心者でも挫折しない記憶の宮殿の作り方

では、具体的に記憶の宮殿を作ってみましょう。「宮殿」と聞くと仰々しいですが、要するに「自分が目をつぶっても歩き回れるくらい見慣れた場所」であればどこでも構いません。初心者におすすめなのは、今あなたが住んでいる「自宅」のルートです。
まずは、玄関から自分の部屋までの「固定ルート」を決めます。例えば、【1.玄関のドア】→【2.下駄箱】→【3.廊下の壁】→【4.トイレのドア】→【5.洗面台】といった具合に、順番になぞれる5〜10個の「置き場所(プレイス)」をピックアップします。このとき、ルートが交差したり戻ったりしないよう、一方通行の流れを作ることが初心者が挫折しないコツです。
置き場所の選び方 単なる「壁」や「床」のような漠然とした場所よりも、「赤いポスト」「ひび割れた洗面台の鏡」のように、特徴があって具体的なモノがある場所を選ぶと、あとで情報をくっつけやすくなります。
ルートが決まったら何度か頭の中でその場所を歩いてみて、順番通りにプレイスを思い出せるか確認します。これだけで、あなた専用の立派な記憶の宮殿の完成です。覚える量が増えたら、プレイスの数を増やしたり、別のルートを作ったりして拡張していけばOKです。
覚えたい情報を強烈なイメージに変換する

宮殿のルートが完成したら、次はいよいよ「情報」を「場所」に置いていく作業です。ここで一番重要なのは、ただ単語をポンと置くのではなく、思わず笑ってしまうような、あるいは気持ち悪くて目を背けたくなるような「強烈で非日常的なイメージ」に変換して置くことです。脳は退屈なものをすぐ忘れますが、感情が動いたインパクトのある出来事はしっかり記憶するからです。
例えば、徳川家康という人物名を【2.下駄箱】に配置するとします。ただ「家康が立っている」と想像するのではなく、「ちょんまげを結った家康が、下駄箱の中で泥だらけのスニーカーを必死に磨いていて、強烈な汗の匂いがする」といった具合に、視覚・嗅覚・動作を大げさに盛ってイメージの映像を作ります。
歴史の年号や複雑な化学式も同様です。「1192年(イイクニ作ろう鎌倉幕府)」なら、「1192個の巨大な鎌倉のかまくらが、【3.廊下の壁】を突き破って雪崩れ込んでくる」というパニック映像を作ります。バカバカしいと思うかもしれませんが、この「あり得ない映像」作りこそが、記憶を脳に強烈に焼き付ける最大の秘訣なのです。
記憶術の場所法のやり方と勉強への応用
基本的な場所法の仕組みがわかったところで、日々の学校の勉強や受験勉強にどうやって落とし込むのか、より実践的なやり方を見ていきましょう。少しの工夫で、成績アップに直結する強力な武器に変わります。
高校生が学校で即使える暗記の実践例

高校生のみなさんにぜひ試してほしいのが、「学校の教室」や「通学路」を記憶の宮殿として使う方法です。毎日通っている場所なので、わざわざルートを思い出す労力がゼロで済む最高の立地条件と言えます。
例えば、日本史の時代区分(旧石器→縄文→弥生→古墳…)を順に覚えるとします。教室の自分の席の周りをルートに設定します。【1.前の人の背中】に毛皮を着た原始人(旧石器)が張り付いており、【2.黒板のチョーク受け】に縄文土器が並んでいて、【3.先生の教卓】で農民が稲作(弥生)をしており、【4.出入り口の引き戸】が巨大な前方後円墳の形(古墳)になっている、と想像するのです。
通学電車のルートも使える 「○駅のホーム」→「電車のドア」→「つり革」→「優先座席」のように、いつもの通学風景をルートにすれば、電車に乗っている隙間時間だけで強固な暗記の復習が完了してしまいます。
これなら、テスト本番中にド忘れしても、「えっと、先生の教卓のところには何があったっけ…ああ、稲作してるおじさんだ!」と、教室の風景を見渡すだけで答えを引き出すことができます。緊張で頭が真っ白になっても、場所のイメージはなかなか消えないので安心です。
難しい英単語を場所法で覚えるテクニック

無機質なアルファベットの羅列である英単語も、場所法にかかれば面白いストーリーに早変わりします。意味の似た単語やスペルの長くて覚えにくい単語は、ダジャレや語呂合わせを使って一度具体的な映像に変換(イメージ化)してから、宮殿に配置するのがコツです。
たとえば「abandon(見捨てる)」という単語。「アバン丼(あ、バンバン食べる丼)」というダジャレにして、「巨大な丼からご飯がバンバン飛び出していて、持ち主が見捨てて逃げていく」という映像を作ります。これを自宅の【5.洗面台】に置けば、「洗面台の鏡を割って丼が飛び出し、それを見捨てて逃げる自分」という強烈なシーンが完成します。

ダジャレなんて学習効果あるんですか?なんだかふざけてるみたいで、ちゃんとした英語の実力がつかない気がしちゃいます。

最初はフック(とっかかり)としてダジャレを使うのは非常に合理的です。まずは意味とスペルを脳に引っ掛け、そのあと何度も長文読解などで出会ううちに、ダジャレを介さずとも自然に意味が取れるようになりますよ。
この「英語の発音から無理やり日本語の情景を作る」という作業自体が、脳に深い刺激を与え、記憶の定着率を劇的に高めます。単語帳をただ10回ノートに書き写すよりも、1回インパクトのある映像を作って宮殿に置くほうが、テストの点数には結びつきやすいのです。
定期テストの大量暗記を乗り切る工夫

定期テストでは、複数の科目の範囲を短期間で一気に覚える必要があります。場所法で大量の情報をさばく際のポイントは、「科目ごとに記憶の宮殿(ルート)を完全に分けること」です。同じ自宅のルートに、世界史と生物の中身を混在させると、思い出すときに情報がごちゃごちゃになって大事故に繋がります。
「世界史は実家のルート」「生物は学校のルート」「古文単語は最寄り駅前の商店街ルート」というように、情報のカテゴリーと場所のジャンルを紐付けて整理しておきましょう。また、複数の要素が含まれる複雑な概念(例えば特定の法律の3大原則など)は、同じプレイスに3つのイメージを合体させた「キメラ映像」を作って置いておくと、もれなく全てを思い出せます。
日常生活から始めるイメージ化トレーニング

場所法のポテンシャルを100%引き出すには、「いかに素早く、ぶっ飛んだ映像(イメージ化)を作れるか」という妄想力にかかっています。これは生まれつきのセンスではなく、日常生活のちょっとした訓練で誰でも鍛えることができるスキルです。
通学路や帰り道で目に入った看板の文字を、片っ端から極端な映像に脳内変換する「一人連想ゲーム」がおすすめです。「歯医者」という看板を見たら「巨大な歯がドリルを持って追いかけてくる」様子を、「クリーニング店」なら「Yシャツが自動で洗濯機にダイブしていく」様子を、1秒でパッと想像する癖をつけます。
また、「自由」「経済」といった形のない抽象的な言葉も、「鳥が空を飛ぶ」「お札が空から降ってくる」といった具象的な絵に置き換える練習をしておくと、いざ教科書の難しい専門用語を暗記する際に、変換スピードが格段に上がり、場所法がスムーズに機能するようになります。
記憶の場所が足りないときの賢い増やし方

場所法を使っていると、受験生なら必ず「ストックしている置き場所(プレイス)が足りなくなってきた」という壁にぶつかります。しかし焦る必要はありません。記憶の宮殿の候補は、あなたの過去の記憶や日常の観察によって無限に増築可能なのです。
まずは過去に住んでいた家、卒業した小学校の中、昔よく行ったスーパー、祖父母の家など、今すぐ行けなくても頭の中で鮮明に思い出せる場所をリストアップしてみましょう。また、よくプレイするRPGゲームのマップや、お気に入りのアニメの主人公の実家など、架空の空間であっても、自分の中で間取りが確定していれば立派な記憶の宮殿として機能します。
場所の使い回しに注意 同じ場所に「英単語」を置き、翌日そこに「歴史の年号」を上書き保存しようとすると、「ゴースト」と呼ばれる前の記憶の残骸が邪魔をしてテスト中に混乱してしまいます。消去には数日かかるため、プレイスのストックは常に多めに用意しておきましょう。
Googleマップのストリートビューを使って、行ったこともない海外の観光地(ベルサイユ宮殿やニューヨークの街角)を仮想の宮殿に仕立て上げるのも、場所拡張の有効なテクニックの1つです。
学習効果を最大化する正しい復習サイクル

場所法が最強の暗記術であることは間違いありませんが、エビングハウスの忘却曲線が示す通り、人間の脳は復習しなければいずれ必ず忘れるようになっています。配置したイメージを「永久保存版」にするためには、適切なタイミングで宮殿を巡回する(復習する)メンテナンス作業が必須です。
おすすめの復習タイミングは、「イメージを配置した日の夜の就寝前」「翌日」「1週間後」「1ヶ月後」の計4回です。このタイミングで、頭の中で宮殿のルートを歩き直してみてください。最初は映像がぼやけて思い出せないプレイスがあるかもしれませんが、「なんだっけ…」と脳に負荷をかけて引っ張り出すこの瞬間こそが、最も記憶が強化されるゴールデンタイムです。
もし何度巡回してもすぐ忘れてしまう場所があるなら、それは「配置した映像のインパクトが弱すぎる」サインです。ちっぽけなリンゴの映像を、「血まみれの腐った巨大リンゴ」などに更新して、感情がざわざわする特大のインパクトに作り直してください。このPDCAを回すことで、あなたの宮殿の耐久度はどんどん上がっていきます。
勉強に役立つ記憶術と場所法をマスターする

古今東西の天才たちが実践してきた「記憶術の場所法」は、特別な魔法ではなく、脳の空間認識という理にかなったシステムをハックする実用的なスキルです。最初は映像を作るのに時間がかかったり、ルートを歩くのに手間取ったりするかもしれません。しかし、自転車の運転と同じで、一度コツを掴んでしまえば、一生使えるあなたの最強の学習ツールになります。
「自分は頭が悪いから暗記ができない」と諦める前に、まずは自分の部屋を記憶の宮殿にして、明日の小テストの範囲を5個だけでいいので配置してみてください。明日、テスト用紙を見たときに「あ、机の上にあったやつだ!」と答えがスッと出てくる快感を必ず味わえるはずです。
暗記の苦痛から解放されれば、勉強のモチベーションも上がり、思考問題などもっと本質的な学習に時間を割くことができます。たく先生は、あなたがこの場所法をマスターし、目標に向かって大きな結果を出せることを応援しています。今日からさっそく、あなただけの広大な「記憶の宮殿」の建設を始めましょう!





